Episode 4
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"これは、何だ"ーーーー
安室に尋ねられた凛は、視線を下に向けておずおずと答えた。
「えと・・・手品の練習中で・・・」
チラリと再び安室へ視線を移すと、先程とまったく変わらない鋭い目付きで見下ろす安室が居た。
「もう一度聞く。
これは、何だ?」
安室は再び凛に問いかけた。
いつもの優しげな声質でなく、あまりにも冷ややな声に、凛の肩はビクリと跳ねた。
(どうしよう!
私の油断と慣れのせいでバレてしまった!
この人は公安警察だっ
私の正体を知れば確実捕えられるっ
そうなると、どうなるの!?
私という魔女は、この世界で確実危険な存在だ・・・
そうなると、また死ーーーー?)
安室が再び問いかけようと口を開いた、その時ーーーー
ヒューッ・・・ヒューッ・・・
「ーーーーっ
ヒューッ・・・あ、そ、の・・・ヒューッ」
「神崎さん?」
「ヒューッ・・・ヒューッ・・・くる、し・・・ごめっ、なさ・・・」
突然凛は、喉元を掻きむしりながらその場に膝を着いた。
安室は、凛が過呼吸に陥ってる事に気付き、すぐさまキッチンへと走った。
そしてキッチンでビニール袋を見付けると、ビニール袋に素早く小さな穴を何ヶ所か空け、急いで凛の元へと戻った。
喉を乱暴に掻きむしる凛の両手を片手でまとめて押さえ付け、口元にビニール袋を当てた。
「神崎さん、大丈夫です。
落ち着いてください。」
「・・・うっ、ヒューッ・・・ヒューッ・・・
助け、セブ・・・も、やだ、ヒューッ・・・
死に、・・・ない・・・」
(セブ?
あぁ、またこの名前だ。
一体その人物は誰なんだ。)
安室は普段の優しい声で、言葉をかけ続けながら背中をさすった。
「大丈夫です。
ゆっくり・・・僕の呼吸と合わせてください。
そう、その調子です。」
「ごめ、なさ・・・
生きてて・・・ごめんなさ、い」
大きな瞳からポロポロと涙を零し、凛が無意識であろう発した言葉に、安室は背中をさする手を止めた。
(どういう事だ?
一体彼女は何に謝っている?)
しばらくすると、凛の呼吸は落ち着いた。
安室はすぐにでも問い質したいのを抑え、優しく接し続けた。
「大丈夫ですか?」
「・・・すみません、取り乱してしまって。」
「僕がキツく言いすぎてしまったからですよね。」
「あ、いえ・・・
それは・・・仕方がないです。
私が先に安室さんに向かって忘却呪文を唱えようとしたから・・・」
サラッと言われた凛の言葉に、安室は顔を顰めた。