Episode 4
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ポアロの閉店後、凛をマンションまで送った安室は、ハンドルに額を付けて突っ伏していた。
思い出すのは、今日の夕方に凛と話していた内容だ。
(ーーーーなんっっっっなんだ!
ハニトラか!?
いや、彼女に限ってそんな器用な事は出来なさそうだが!
あんなじっくりと俺の容姿1つ1つを褒めるなんて!!)
安室は昔こそ苦手だった自分の容姿だが、今はその容姿のお陰で探偵業などの仕事が捗る事がある。
その為、今はもう苦手でも何でもなかった。
(あんな程度で動揺してどうする!
大体っ何故あの時、俺の過去なんて話す必要があったんだ!?
別に話す必要なんてなかったはずだ!
よくこれで公安がーーーー以下略)
今まで"カッコイイ"だの"イケメン"だのありふれた賛辞の言葉は腐る程聞いてきた。
だが、今日のように1つ1つ褒められた事などなく、安室は柄にもなく照れてしまったのだ。
安室は盛大な溜息を漏らすと、ふと助手席に凛のスマホが落ちている事に気付いた。
ポケットにでも入れていて落ちたのだろうと思い、そのスマホを手に取った。
凛のスマホには、安室が購入した際に盗聴アプリが仕込まれていた。
それで入手出来た情報は、凛が頻繁に使っているどこの国の言葉でもない謎の言語だけであった。
(まだ彼女が1人の時に頻繁に使っている言語も、前に言っていた人物の特定も出来ていないというのに・・・)
安室は再び溜息を漏らすと、運転席から出た。
エントランスへ向かい、凛の部屋番号を入力してインターホンを鳴らしたが、応答はなかった。
(ポストに投函しておくか?
いや、万が一の事があるし・・・)
安室は、他の住人がマンション内へ入った隙に、一緒にエントランスへ入った。
そして凛の部屋の前まで行き、再びインターホンを鳴らす。
しかし、先程と同じく家主は一向に出て来る気配がなかった。
安室は迷ったが、試しにドアノブを回して見ると、鍵は掛かっておらず開いた。
その時、部屋の中からガタン!と大きな物音が聞こえ、家主の危機かと思った安室は、急いで玄関へと入った。
「神崎さん!大丈夫ですか!?」
玄関へ入り、リビングへ続くであろう先のドアへと急ぐ。
「うぇ!?
安室さん!?
待っーーーーー」
凛の静止の言葉も虚しく、すでにリビングのドアは安室の手によって全開にされていた。