Episode 3
夢小説設定
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話は少し戻りーーーー
悲鳴を聞きつけた安室は、近くの人に事情を聞いた。
どうやら女性がひったくりに遭ったようだ。
犯人の特徴を聞いた安室は、その特徴を元に捜し始めた。
しばらく捜していると、明らか女物のバッグを片手に早足で歩く男を見付けた。
安室は歩調を早めてその男を追いかけると、男は安室に気付き、慌てて走り出した。
しかし安室の足に適うワケがなく、男はあっという間に捕まった。
安室は近くの店の従業員に、警察に連絡と男を拘束出来るよう紐かガムテープを持ってきてもらうようお願いし、別の人にバッグの持ち主を呼んで来てもらうよう頼んだ。
安室が男を柱に括り付けていると、バッグの持ち主である女がやって来た。
中身を確認してもらい、盗られた物がないとわかると、警察が来るまで男の近くで待機しておくよう伝えた。
そして安室は、急ぎ足で凛の待つ場所へと向かった。
(かなり時間がかかってしまったな・・・
そういえば、彼女はどのスマホにすればいいのか悩んでるようだった。
ここは俺と同じ機種にして・・・)
安室はスマホショップに入ると、自分と同じ機種を選び、契約を済ました。
一括で購入すると、再び早足で凛の待つ場所へと向かった。
安室が凛の姿を捜していると、スマホショップから少し離れた先の椅子の近くに、腰まである黒髪を結い上げた凛を見付けた。
そちらへ向かおうとした時、安室の耳には確かに聞こえた。
『ーーーーセブルス。』
(・・・セブルス?
知り合いでも居たのか?)
凛は心ここにあらずといった感じで、ある一点を見つめていた。
その大きな瞳からは今にも涙が零れ落ちそうで、そのままその場から凛の姿が消えてしまいそうだった。
「神崎さん!」
安室は、無意識に凛の苗字を叫んでいた。
振り返った凛の瞳からは涙は流れておらず、そして姿が消える事なくその場に居た凛に、安室はホッと胸を撫で下ろした。
凛にどうしたのかと聞かれ、初めて自分の行動に疑念を抱いた。
(何故俺は、彼女の名前をあんな大声で・・・
まるで、あのまま消えてしまいそうだった彼女を呼び止めるかのように・・・)
自分の無意識の行動に理解が出来ず、安室は困惑した。