Episode 4
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「おはようございます、神崎さん。」
夕方にも関わらずスーパー爽やかに挨拶してくる彼の名前は安室 透、28歳。
今日も実際にはそこにないはずの白い薔薇が、彼を覆い尽くすかのように咲き乱れている。
バックに映える夕日のせいか、少し哀愁感が出ているのもまた最高に綺麗である。
彼はこの絶世なる美貌で、老若男女動物は疎かきっと虫でさえ虜にし・・・全世界の生き物すべての頂点へと君臨しているのである。
「・・・神崎さん、恐らくまた心の声のつもりでしょうけど・・・
すべて漏れていますよ?」
「え、すみません。
忘れてください。」
「んー・・・今回のも内容が濃すぎて無理ですね。」
凛は前回の失態で、もう二度と同じ過ちはせぬよう心に強く誓ったはずなのに、秒で誓いを破った事に意気消沈した。
「・・・神崎さんにとって、僕はそんなイメージなんですね。」
「え?」
安室はそれ以上は何も言わず、シンクにある食器に手を付け始めた。
凛はポリポリと頬を掻くと、安室の方へ向かった。
「気を悪くしたのならごめんなさい。
でも安室さんが綺麗だと思ったのは本当なんです。」
「僕が綺麗?」
凛は頷くと、背伸びをして安室の美しいカスタードクリーム色の金髪に優しく触れた。
凛の指の間を、サラサラと髪が流れ落ちていく。
「安室さんのこのカスタードクリーム色の金髪も、まるで金糸のようで綺麗。」
「・・・」
凛はそのまま手を安室の目元に移動させた。
「このグレイッシュブルーの瞳も、まるで真冬の空の澄んだ色で綺麗。
実は、初めて貴方の瞳を見た時からずっと綺麗だと思っていました。」
「神崎さん?」
凛は続けて安室の頬を包み込むようにして触れた。
「この褐色の肌も、まるで真夏の小麦畑のようで綺麗ですね。」
「あのっ・・・」
凛は安室の喉仏に触れた。
ビクッと反応を示した安室に視線を移す。
「貴方の甘い声は、まるでーーーー」
「神崎さん!
もうわかりましたから!」
凛の肩を掴み、少し距離を取らせた安室は、口元を手で覆うと顔を横へ背けた。
凛は安室の髪から覗く耳が、ほんのり赤くなっている事に気が付いた。
(・・・あ、この人って照れた時にこうするんだ・・・)
「照れてる、可愛い。」
凛の言葉に、視線を向けた安室は困ったように言った。
「・・・セクハラ、ですよ。」
「安室さんにセクハラしちゃいましたね。」
「まったく・・・
僕から言わせると、貴女の方が綺麗ですし可愛いですよ。」
「私なんて・・・全然です。
学生時代も容姿・・・というか、存在自体嫌われていましたし・・・
姿形がみんなと違うからって、それだけで私という存在を決め付けて・・・」
切なげな表情で話す凛に、安室は少し胸を痛めた。
「僕も・・・昔、この容姿のせいで苛められていた時がありました。」
「安室さんを苛めるなんて許せませんね。
私が怒って来ます。」
拳をつくりプンプンと憤慨する凛に微笑みながら、安室は凛の拳を手に取って優しく開かせた。
「その時も、神崎さんみたいに僕に自信を付けてくれた人が居ました。
その人のお陰で今の僕が居ます。」
「その人に大感謝ですね。
あと、安室さんを産んでくださったご両親様にも。」
「ふふ、そうですね。
だから神崎さんが過去に誰に何を言われてようとも・・・僕は神崎さんの事が綺麗だと思いますし、それに可愛いですよ。」
「ふふ、嬉しいです。
ありがとうございます、安室さん。」
凛と安室が、店内に客が居ないのをいい事にそんなやり取りをしていた店外ではーーーー
「・・・蘭姉ちゃん、入らないの?」
「コナンくん、しっ!
今あの2人、とってもいい雰囲気なんだから!」