Episode 4
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安室にスマホを買ってもらった日から数日が過ぎた。
すっかりスマホの操作にも慣れた凛は、この世界での生活にも次第に慣れ始めていた。
と言っても、誰も見ていない自宅であるマンションの一室では、マグル式ではなく魔法に頼りっぱなしだが。
ちなみに余談だが、凛がスマホで初めて調べた単語は"チヨダ"だった。
安室の本職である公安警察の組織については何となく知っていたが、詳しくまでは知らなかった。
また、自分の居た世界の日本の公安警察とこちらの世界での公安警察は違うのかが気になり、その為もあって調べたのだ。
しかし今の時代では警察庁警備局警備企画課の事を"チヨダ"とは呼ばず、"ゼロ"と呼んでいる事に年代差を感じ、彼女は心底落ち込んだのであった。
そんなこんなで凛は無事に初給料も貰い、渋る小五郎や蘭たちにお金を返す事が出来た。
そんな彼女は今、画面を見ながらニヤケていた。
画面にはーーーー
安室 透
江戸川 コナン
榎本 梓
マスター
毛利 小五郎
毛利 蘭 と文字が並んでいる。
「不思議・・・
こんな薄い板に連絡先が入っただけで、嬉しいなんて。
でも、これでいつでもみんなとすぐ連絡が取れるんだね。
すぐに声も聞けるんだ。」
凛はふとデパートで逢った沖矢の存在を思い出した。
「そう言えば、あの時連絡先もらってたな。
うーん・・・悪い人には見えなかったし、良くしてもらったからお礼の電話でもした方がいいかな。」
凛は戸棚を漁り、沖矢の連絡先を書かれた紙を取り出した。
そしてスマホのダイヤル画面に、紙に書かれた番号を入力していく。
スマホを耳に当て、無機質なコール音を聞く事10秒ーーーー
「はい?」
受話口から聞こえた沖矢の声に、凛は咄嗟に耳からスマホを遠くへ離した。
(~~~~っ
これ慣れないなぁ!
沖矢さんもイケボだから余計に心臓に悪いのよ!)
「・・・もしもし?」
通話先の人物から何も言われない事に疑問を抱いたのだろう、受話口から沖矢の声が再び聞こえた。
「突然のお電話ですみません。
先日、デパートでお逢いした神崎ですが・・・」
「あぁ、凛さん。
どうやらスマホは無事に買えたようですね。」
「はい、その節はどうもありがとうございました。」
「いえ、僕は何もしていませんよ。
それよりも・・・何だか声が遠くありませんか?」
スマホをめいいっぱい耳から遠ざけて話していた凛は、困ったように笑った。
「ちょっと、貴方の声も心臓に悪いので致し方なく・・・」
「?
そうですか・・・
それより、こうして連絡取り合えたのも何かの縁ですし、凛さんさえ良ければこれから仲良くしませんか?」
凛はその言葉に一瞬眉間に皺を寄せた。
しかし何でも疑ってばかりではダメだと思い、指で眉間の皺を伸ばした。
「・・・そうですね。
またお逢い出来る時を楽しみにしてます。」
「えぇ、僕も・・・
では、今日はこれで・・・
おやすみなさい、凛さん。」
「おやすみなさい、沖矢さん。」
通話を終えた凛は、そのままベッドへ勢いよく倒れ込んだ。
「あれー?
人との会話ってこんなにも疲れたっけ?」
突然身体に疲れが勢いよく流れ込んでくるような感覚がして、凛はそのまま瞼を閉じた。
