Episode 3
夢小説設定
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安室の教え方はとてもわかりやすかった為、凛は短時間で最低限のスマホの使い方を理解した。
その後は少しデパート内を見て回り、夕方には凛のマンションまで送ってもらった。
「安室さん、今日は本当にありがとうございました!
これ、良かったらもらってください。」
「え?」
凛から差し出された物は、デパートに入っていた有名チョコレート店"ZIGOBA"の紙袋だった。
安室はデパート内を見て回っていた時、1度風見からの着信で凛から少し離れていた。
その時に、凛がこの店でチョコレートを購入しているのは知っていたが、自分へのお土産だろうと思っていた。
「安室さんのお陰で、こうやって連絡手段を手に入れる事が出来ましたし・・・
それに、安室さんお疲れですよね?」
安室は凛の言葉に、少し目を見張った。
普段から多忙を極めている安室は、他人に疲労など体調変化を気付かれないよう徹底している。
その為、こうも簡単に見破られた事に驚いたのだ。
「・・・あ、もしお口に合わなければ、誰かにあげるか捨ててしまっても大丈夫ですよ。」
そう言うと、凛は助手席から降りた。
そして、腰を折って助手席側の窓から顔を覗かせると、微笑んで軽く手を振った。
「それじゃあ、ここまで送ってくれてありがとうございました。
帰り、気を付けてくださいね?」
腰を戻した凛は、マンションのエントランスへと消えて行った。
助手席に残されたZIGOBAの紙袋をぼんやりと見ていた安室は、フッと口の端を持ち上げた。
(チョコレートは疲労回復・・・)
安室はハンドルに置いた手の甲に額を乗せた。
「あーもう・・・
危機管理能力はない癖に、そんな所には気付くのかよ・・・」
小さく溜息を漏らした安室は、マンションの駐車場から車をゆっくりと発進させた。