Episode 3
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再び1人になった凛は、封の開けられていないペットボトルをチャプチャプと鳴らしながら、沖矢の背中を見続けていた。
(この世界の人って、どうしてこんなにも他人に優しいのだろう。
なんか人を疑ってばかりで、申し訳なくなってきちゃった。
そもそもこの世界は、美男美女の排出量多くない?
さっきの人と言い、安室さんと言い・・・
コナンくんも将来有望確定だしさ。
蘭ちゃんや梓ちゃんも美女だし。)
次第に凛は、元の世界の人たちを思い出した。
(美男と言えば、シリウスとかイケメンで人気だったなぁ。
ジェームズは・・・あー、ただのリリーオタクだわ。
リーマスは誰よりも腹黒だったし・・・
リリーは言わずもがな圧倒的な美女で、何度よいではないかって抱きついた事だろうか。
セブルスはシリウス程表立って人気ではなかったけど、陰では知的な紳士って言われてて隠れ人気者だったのよね。
いつも優しく接してくれたダンブルドア校長先生・・・
あぁ、逢いたいなぁ・・・
みんなに逢いたかったなぁ・・・
また、昔みたいにみんなの居る生活に戻りたい。
みんなさえ居てくれたら、私はどんなつらい事でも耐えれたのに・・・
せめて貴方だけでも生きていて欲しいーーーー)
『ーーーーセブルス。』
凛がポツリと呟くと、突然背後から自分の苗字を大声で呼ばれた。
「神崎さん!!」
凛が振り返ると、そこにはどこか焦った表情の安室が立っていた。
「おかえりなさい、安室さん。
どうかしたんですか?」
「え?あ・・・
いや、何でもありませんよ。
遅くなってしまってすみません。」
「大丈夫です。
ふふ、安室さんって足が速いんですね。
私ならきっと犯人に巻かれちゃってました。
カッコよかったですよ。」
「それは、これでも多少は鍛えてますから・・・」
安室はパッと横を向いて、小さく呟いた。
「安室さん?」
「いえ、なんでもないです。
ところで、神崎さんに渡したいモノがあるんです。
どうぞ。」
安室は愛想のいい微笑で、小さめのショップバッグを差し出した。
凛はショップバッグを受け取り、中から手のひらより少し大きい箱を取り出した。
「これは?」
「開けてみてください。」
安室に言われて箱の蓋を開けると、中には1台の白いスマホが入っていた。
「これーーー!」
「先程スマホを見ていた時、迷っていた様子でしたので・・・
勝手ですみませんが、僕と同じ機種にしました。
その方が教えやすかったので・・・
気に入りませんでしたか?」
「すっごく気に入りました!
でもこれ買うのにもちろんお金入りますよね?」
「これは待たせてしまったお詫びです。
なので、受け取ってもらえると嬉しいのですが・・・」
眉を八の字にして目を潤ませたわんこのように見てくる安室に、可愛いものが大好きな凛の心は一瞬でノックアウトした。
(ーーーーくっ!
安室よ! 君は公安警察じゃないのか!?
なんだ、その可愛らしい表情は!!
女性顔負けだぞ!
あ、鼻血出そう・・・てか、ヨダレが出たわ。)
凛は慌てて口元を拭った。
「ありがとうございます。
でも確か毎月の支払いがありますよね?
そちらは私が払いますので、あとで手続きの仕方を教えてくれませんか?」
「えぇ、わかりました。
では、そろそろお昼時ですし、昼食の後に一緒にしましょう。」
困り顔から一変してにこやかに微笑んだ安室に、先程の安室を見てからすべての表情を可愛らしく思えてきた凛は、慌てて鼻を抑えた。