Episode 3
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再び一人になった凛は、封の開けられていないペットボトルを軽く振りながら沖矢の背中を見続けていた。
行き交う人々の声に混じって、ペットボトルの中身が揺れてチャプチャプと鳴る音が聞こえる。
(この世界の人って、どうしてこんなにも見ず知らずの人に優しく出来るのだろう。
なんか人を疑ってばかりで、申し訳なくなってきちゃった。
そもそもこの世界は、美男美女の排出量多くない?
さっきの人と言い、安室さんと言い・・・
コナンくんも将来有望確定だしさ。
蘭ちゃんや梓ちゃんも美女だし。)
次第に凛の脳裏に、元の世界の人たちがふっと現れた。
(美男と言えば、シリウスとかイケメンで人気だったなぁ。
ジェームズは・・・あー、ただのリリーオタクだわ。
リーマスは一見優男に見えて誰よりも腹黒だったし・・・
リリーは言わずもがな圧倒的な美女で、何度よいではないかって抱きついた事だろうか。
セブルスはシリウス程表立って人気ではなかったけど、陰では知的な紳士って言われてて隠れ人気者だったのよね。
いつも優しく接してくれたダンブルドア校長先生・・・
あぁ、逢いたいなぁ・・・)
よく知るその人たちは、彼女に向かって笑顔で手を振り、名前を呼びながら手招きをしている。
懐かしい、それでいて凛が大好きな笑顔と声だ。
(みんなに逢いたかったなぁ・・・
また、昔みたいにみんなの居る生活に戻りたい。
みんなさえ居てくれたら、私はどんなつらい事でも耐えれたのに・・・)
凛は自身の名前を呼び、手招きをしている人物たちに向かって手を伸ばす。
ふと凛の隣からスッと黒い物体が横切った。
そちらに視線を移すと、全身を漆黒で包んだ男が凛を見ていた。
幾度となく皺を寄せられてきた眉間にその跡を残し、常にぶっきらぼうな表情ではあるが凛だけには優しく微笑む男。
(せめて貴方だけでも生きていて欲しいーーーー)
『ーーーーセブルス。』
凛がスネイプの方へ手を伸ばしてポツリと呟くと、突然自分の苗字を大声で呼ばれ、伸ばしていた手を勢いよく掴まれた。
「神崎さん!!」
凛が驚いて手を掴んだ主を見ると、そこにはどこか焦った表情の安室が立っていた。
「おかえりなさい、安室さん。
どうかしたんですか?」
「え?あ・・・
いや、何でもありませんよ。
遅くなってしまってすみません。」
安室は慌てて掴んでいた彼女の手を離した。
「大丈夫です。
ふふ、安室さんって足が速いんですね。
私ならきっと犯人に巻かれちゃってました。
カッコよかったですよ。」
「それは、これでも多少は鍛えてますから・・・」
安室はパッと横を向いて、小さく呟いた。
「安室さん?」
「いえ、なんでもないです。
先程・・・何かあったんですか?」
安室の質問に首を傾げた凛に、続けて尋ねた。
「お知り合いでも?」
「いいえ。
少しボーッとしてただけです。」
そう返答した凛の顔を覗き込んだ安室は、しばらくしてからそうですかと腰を戻した。
「ところで、神崎さんに渡したい物があるんです。
どうぞ。」
安室は愛想のいい微笑で、小さめのショップバッグを差し出した。
凛はショップバッグを受け取り、中から手のひらより少し大きい箱を取り出した。
「これは?」
「開けてみてください。」
安室に言われて箱の蓋を開けると、中には一台の白いスマホが入っていた。
「これーーー!」
「先程スマホを見ていた時、迷っていた様子でしたので・・・
勝手ですみませんが、僕と同じ機種にしました。
その方が教えやすかったので・・・
気に入りませんでしたか?」
「すっごく気に入りました!
でもこれ買うのにもちろんお金入りますよね?」
「これは待たせてしまったお詫びです。
なので、受け取ってもらえると嬉しいのですが・・・」
眉を八の字にして目を潤ませたわんこのように見てくる安室に、可愛いものが大好きな凛の心は一瞬でノックアウトした。
(ーーーーくっ!
安室よ! 君は公安警察じゃないのか!?
なんだ、その可愛らしい表情は!!
女性顔負けだぞ!
あ、鼻血出そう・・・てか、ヨダレが出たわ。)
凛は慌てて口元を拭った。
そした可愛い攻撃で緩んだ口元をなんとか律し、冷静に務めた。
「ありがとうございます。
でも確か毎月の支払いがありますよね?
そちらは私が払いますので、あとで手続きの仕方を教えてくれませんか?」
「えぇ、わかりました。
では、そろそろお昼時ですし、昼食の後に一緒にしましょう。」
困り顔から一変してにこやかに微笑んだ安室に、先程の安室を見てからすべての表情を可愛らしく思えてきた凛は慌てて鼻を抑えた。
