Episode 34
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姿現しをした場所は阿笠邸の玄関前だった。
凛はコナンや少年探偵団の子どもたちと逢う約束をしていたのだ。
なんでも阿笠博士が新しい発明品をお披露目するらしい。
インターホンを鳴らすと、すぐに玄関ドアが開けられ、中からコナンたちが出迎えてくれた。
久しぶりにあった少年探偵団たちとしばらく談笑し、ついに阿笠博士の発明品を見せてもらう為に庭へ移動する事にした。
阿笠邸の庭にはドローンが置かれており、阿笠博士がコントローラーで操作している。
「すごーい!」
「あっという間に飛んでったぜ!」
「随分高く飛ぶんですね!」
歩美、元太、光彦は空へ一気に舞い上がったドローンを見て大興奮だ。
「機体から送られてくる映像と緯度、経度のデータを頼りに飛ぶんじゃが・・・
方向、速度、カメラの操作を3つ同時にせにゃならんので難しくてのぉ。」
阿笠博士は手に持つコントローラーの液晶モニターに映る風景とデータを見て、忙しなく指を動かす。
「へぇ、こんな機械を作れるなんて・・・
博士って本当にすごい!」
凛の絶賛する声に気を良くした阿笠博士は、ヌォッホッホ!とほくそ笑んだ。
「気味の悪い笑い方ね。」
阿笠博士の笑い声に灰原はポツリと呟き、その呟きを聞いていたコナンも同感だと頷いた。
その時、リビングのテレビからアナウンサーの声が聞こえてきた。
「さて、CMの後は開催迫る東京サミットの最新情報をお送りします。」
庭の通用口から室内に入ったコナンは、リビングのソファに腰掛けてテレビへと視線を向けた。
CMが終わり、中継に切り替わったワイドショーは、大きく手を振った女性リポーターが、その手を後方に建つ巨大な楕円形の建物に向けた。
「サミットはこちら、東京湾の埋立地にある統合型リゾート"エッジ・オブ・オーシャン"の国際会議場で来週行われます!
来月開業を予定している"エッジ・オブ・オーシャン"は、臨海都市にふさわしく水をふんだんに取り入れてデザインされた多種多様な施設で構成されています!」
映像が切り替わり、エッジ・オブ・オーシャンの全体図が映った。
「コナンくんもやっぱ気になるの?」
頭上から聞こえた声にコナンが仰ぎ見れば、そこにはソファの背もたれに両腕を着いてテレビを見ている凛が居た。
「いや・・・別にそーゆーつもりじゃなかったんだけど・・・
つーか、"も"って事は凛さんは気になってんのか?」
「うん。
楽しそうだし、完成したら行ってみたいよね。」
凛はテレビから視線を外さないまま答えた。
コナンはふーんと言うと、再びテレビの方に顔を向けた。
「貝殻をモチーフに作られたカジノタワーは、海の安全を守る灯台の役割も果たしており、"エッジ・オブ・オーシャン"を一望する事が出来ます。
また、カジノタワー近くにあるショッピングモールには大きな滝や空中庭園が配置され、訪れる人々に安らぎの一時を感じさせます。
そしてもう1つのコンセプトが"和"。
国際会議場の内装には日本庭園の様式美が取り入れられていて、一階にはおしゃれなレストランも併設されています。
さらにこちらをご覧ください! 」
スタジオの女性アナウンサーの声と共に、庭園と池が見えるレストランから高架線路の映像に切り替わり、奥からモノレールが走ってきた。
「敷地の外周を周回している上下二層構造のモノレール!
まさに伝統と未来が融合したスマートシティの雰囲気を醸し出しています!」
画面は再びエッジ・オブ・オーシャンの全体図に戻り、女性アナウンサーが埋立地から2本の橋を指差した。
「ご覧の通り"エッジ・オブ・オーシャン"は2本の橋で繋がっています。
サミットが開催される日に警備を担当する警視庁は、最大で2万2千人の警察官を都内の警備に充てるた発表しました。
次は無人探査機"はくちょう"のニュースをお送りします。」
番組がCMに変わった時、庭の方から何かが壊れる音が聞こえ、その後に阿笠博士の嘆く声が聞こえてきた。
コナンと凛はテレビの前から急いで庭へと向かい、灰原は座っていた位置から庭を見ると溜息を漏らして再びテレビへと視線を移した。
破壊音と阿笠博士の声に慌てて庭へ出た凛は、目の前の光景に目を見張った。
それはコナンも同じだった。
なんと元太たちが操縦していたドローンが無惨にも壊れており、その残骸と化したドローンの前で阿笠博士が跪いて半泣き状態だった。
「え、何事?」
「おいオメーら、一体何があったんだよ?」
凛とコナンが顔を真っ青にして呆然としている少年探偵団たちに尋ねると、どうやら操縦をミスった結果、ドローンが墜落したらしい。
少年探偵団たちの前で魔法が使えない凛は、嘆く阿笠博士の肩に優しく手を置いて慰める事しか出来なかった。
