Episode 3
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空が明るさを取り戻してきた8時すぎーーーー
開け放たれた窓からは春らしい心地よい風が舞い込み、カーテンを揺らしていた。
その風を肌に感じながら、凛は今、大量の洋服を前にして悩んでいた。
「・・・困ったな。
何を着て行けばいいのか、さっぱりわからないんだけど。」
今日は、安室とスマホを買いに行く約束をしていた日だ。
凛は確実悩むであろう洋服選びの為に、早起きをしていた。
安室が凛の住むマンションまで迎えに来てくれる時刻は、10時だ。
朝からシャワーを浴び、優雅に朝食を摂って今に至るが、予想以上に悩んでいた。
「うーん・・・
蘭ちゃんと梓ちゃんが買って来てくれた服たちがどれも素敵すぎて・・・」
何着か、着ては鏡を見て脱ぎを繰り返す事1時間。
ボサボサに乱れた髪の毛のまま途方に暮れた。
「・・・ダメだ。
何を着たらいいのか、本当にさっぱりだ。
いつものポアロみたいにブラウスとスキニーパンツなら、 こいつ服ないのか?ってなりそうだし・・・
かと言って、可愛らしい系のを着ると、こいつデートでもないのに張り切りすぎじゃないか?って引かれそう・・・
うーーーーん・・・
ホグワーツでも、ずっとブラウスに黒のスカートの上にローブっていうスタイルだったからなぁ。
歳頃のおしゃれがよくわからないや。」
凛は溜め息を漏らすと、ベランダに出て風に当たりながら視線を下に移す。
そして、マンション前の通りを歩く通行人のファッションをチェックしていく。
パリッとしたパンツスーツに身を包んだ女性、肩出しのセクシーな服に身を包んだ女性、ふわっとした可愛らしい服に身を包んだ女性、アクセサリーがたくさん付いた服に身を包んだ女性ーーーー
十人十色とはまさにこの事だ。
人生でファッションというものを楽しんだ事がなかった。
それは機会がなかったからだ。
否、する必要がなかったからだ。
いつでも動きやすい服装、いつでも替えの効く服装、目立たない無難な服装ーーーー
それが凛に求められた服装だった。
闇祓いとしていつ収集させられるかわからない日々だった。
人生で異性とデートをした事もなければ、休日に出掛ける際も普段と変わりない格好だった。
彼女にとって別にそれが不服だったワケではない。
むしろ、無駄な考えをしなくて済むから楽だった。
洋服を見て可愛いと思うし、素敵だとも思う。
だからと言って自分がそれを着たい、とは思わない。
ましてや、それが異性にどう思われるかなどで服を選んで着たいなどは尚の事思わなかった。
様々なファッションに身を包んだ女性をぼんやりと見続けていた凛は再び溜め息を漏らした。
部屋に戻って先に髪の毛を結ったり、メイクをしたりしてる内に、時刻は安室が迎えに来てくれる20分前になっていた。
「やばい!
早く着替えないと!」
結局凛は、1番最初に着ていた白のブラウスに淡い紫のフレアスカート、そして黒のパンプスというコーディネートに決めた。
ちょうどその時、来客を知らせる音が鳴った。
慌ててモニターで確認すると、安室が愛想のいい微笑で映っていた。
「おはようございます、神崎さん。」
「安室さん、おはようございます!
すぐに下へ向かいますね!」
「ふふ、ゆっくりで大丈夫ですよ。」
凛は玄関の壁に掛けてある姿鏡で、自身の姿をもう一度確認した。
「・・・大丈夫よね?」
そして玄関ドアを開けて鍵を閉め、急いでエントランスへと向かった。
