Episode 3
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はじめまして・・・ではありませんよね?」
シャララン・・・とそこには聴こえないはずの効果音と、同じくそこには存在しないはずの咲き乱れている白い薔薇を纏った人物が、凛の目の前でにこやかに立っている。
「え!?あの時の!?
まさかあの時の安達さんが、ここで働いてるとは!」
(そういえば、この人の記憶覗いた時に喫茶店で働いてたな!!)
「・・・安室、です。」
「ーーーー!?
もっ申し訳ございません!」
「ふふ、大丈夫ですよ。」
凛は人様の名前を盛大に間違えた恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
その凛の後ろから、梓がひょっこりと顔を出した。
「あれ?
凛ちゃんと安室さんってお知り合いでした?」
「えぇ。
つい先日からですが、お逢いした事がありまして。
ね?神崎さん。」
「そうなの!
私が道に迷ってた所を、安室さんが助けてくれたんだ!」
「そっかぁ、凛ちゃんはこの辺に引っ越して来たばかりだもんね。
世間って狭いですね!」
「ははっ、本当にそうですね。」
話もそこそこに、店内はお昼時もあってすぐに混み始めた。
凛はマグルのやり方に慣れないながらも、失敗をして2人に迷惑をかけないように一生懸命動いた。
数時間後ーーーー
安室が壁に掛けられた時計に視線を移すと、梓のシフトを終える時間が過ぎていた。
「梓さん。
店も落ち着きましたし、後はやっておきますよ。」
「ありがとうございます!」
梓は1度バックヤードへ消えて行くと、エプロンを外して戻って来た。
そして店のドアノブに手を掛けながら凛に向かって手を振った。
「それじゃあ、お先に失礼しますね。
お疲れ様です。
凛ちゃん、また明日!」
「お疲れ様、梓ちゃん!」
「お疲れ様です。」
店から出て行った梓を少し寂しげに見ていた凛に、安室は食器を洗っている手を止めないまま話しかけた。
「神崎さんはここで働き初めてまだ2日目と聞いていましたが・・・
すごく手際がいいですね。」
「そうですか?」
「喫茶店で働いていた経験でもあるんですか?」
「いえ・・・」
凛は同じ職場であるなら話しても大丈夫かと思った。
「以前は、教授補佐の仕事をしていました。」
当然闇祓いとして働いていた事は言わず、ホグワーツの魔法薬学の教授補佐としても働いていた為、素直に話した。
「教授補佐?
それはすごいですね。
日本の大学ですか?」
「いえ・・・
実は私、以前はイギリスに住んでいたので・・・」
「前に逢った時の秘密、教えてくれたんですね。」
「あの時はすみませんでした。」
「気にしていませんよ。
ちなみにイギリスのどちらの大学で?」
「それはー・・・秘密です。」
安室はキョトンとした後、ふふっと笑った。
「神崎さんは秘密主義ですね。」
「すみません・・・」
「大丈夫です。
誰にでも秘密にしたい事なんて、たくさんありますからね。」
凛は申し訳なさそうな顔をしながら、テーブルに紙ナプキンの補充をした。