Episode 3
夢小説設定
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ブーッ・・・ブーッ・・・
着信を知らせるバイブ音が、部屋の中に響いた。
通話ボタンをタップしてスマホを耳に当てると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「降谷さん・・・やはり神崎 凛は、数日前に警視庁の者の手によって、新たに戸籍など作られていました。
それ以前には、国内にもイギリスにも籍はありません。
詳しい事は、今朝お渡しした資料にまとめてあります。」
「・・・わかった。
礼を言う、風見。」
「恐縮です。
では・・・」
通話が切れ、降谷はローテーブルへと視線を移した。
そこには、今朝風見から受け取った資料が置かれている。
降谷はその資料を手に取ると、パラパラとめくった。
名前 : 神崎 凛
年齢 : 27
性別 : 女
誕生日 : 4月12日
血液型 : A型
住所 : 不明
職業 : 不明
国籍 : 不明
家族構成 : 不明
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ほとんどの項目に"不明"と記された資料を、降谷は再びローテーブルの上に置いた。
(彼女の素性を知る為に、風見に調べさせたが・・・おかしい。
無戸籍者自体は、この国に3000人程居るからそう珍しい事ではないが・・・
それでも何処かには必ず情報が残るはずだ。
彼女の場合は、それがまったくない。
国内にも他国にもまったく情報がない、という事は有り得ない。
やはり、この名前は偽名なのだろうか・・・
一応あの日に連絡先を渡してみたが、連絡はやはりない。)
降谷は溜息を漏らすと、後ろにあるベッドへと背中を預けた。
(・・・しかし、あれだな。
あの日、駅まで送って行った時に見せた笑顔は・・・可愛かった。
ーーーー!?
俺は一体何を考えているんだ!!
よくこれで公安が務まるな!!
落ち着け・・・よし。
幸い、彼女が働き始めた先は、俺の潜入先でもあるポアロだ。)
「・・・君は一体何者なんだ。」
降谷はポツリと呟くと、立ち上がって玄関へと向かった。
「行ってくるよ、ハロ。」
「アンッ!」
飼い主を見送る為に後を着いて来ていたハロの頭をひと撫ですると、降谷は玄関ドアを開けて出た。