Episode 24
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するとその時、カウンターから出てきた安室は、園子の肩に掛かっていたギターに触れた。
「・・・貸して。」
園子からギターを受け取った安室は肩に掛けると、華麗に演奏を始めた。
安室のプロ顔負けの素晴らしい程に上手なギターの演奏に、コナンたちは目を見開いて驚愕する。
最後にはキュイインとオマケ付きで演奏を終えると、安室はギターを肩から外して男へ返す。
「まぁ、彼女たちもちょっと練習すれば、これくらい弾けますよ。」
そして、安室の上手な演奏に口を開けて固まっている男たちが握ったままの凛の手へと視線を移す。
瞬間、目には見えないはずなのに、何故か安室から一気にドス黒いオーラのようなものが現れた気がして男たちは肩を揺らした。
「・・・それで?
貴方方は一体いつまで彼女の手を握っているつもりですか?」
目だけで人を射殺しそうな程の視線を投げつけられた男たちは、一斉に凛の手から自身の手を退かした。
「あぁ・・・おかえりですね?
では、伝票をお預かりします。」
安室は微塵にも笑っていない目のまま、男たちのテーブルに置かれている伝票を手に取ると、レジへと向かった。
男たちも慌てて立ち上がり、その安室の背中を追い掛ける。
その様子を見ていた蘭たちは、男たちのテーブルを片付けている凛に小声で話し掛けた。
「凛さん、あの・・・」
「ん?
みんな大丈夫だった?
ホント嫌になるよね・・・あーゆー人を馬鹿にする人種。」
「あ、その事じゃなくて・・・」
頬を染めてモジモジと話す蘭に、凛は首を傾げる。
続きを促すと、蘭は口元に手のひらで壁を作りながら小声で凛に話し掛けた。
「今のって・・・その、嫉妬ですよね?」
「嫉妬?」
「安室さんの・・・」
「透の?」
目を瞬かせて首を傾げ続ける凛に、蘭たちは目を見開いて呆れた。
「え・・・
えぇ!?
今のでも気付いてないの!?」
園子の驚愕した声に、凛はチラリと安室の姿に視線を移す。
視線の先には、萎縮した男たちに冷徹な笑顔を向け続けながら接客する安室の姿があった。
「あー、透が助けてくれた事?」
「それよ、それ!」
「あれは私を助けたんじゃなくて、ここの居るみんなを助けただけでしょ。」
「違うでしょーが!」
額に手を当てて空を見上げる園子と信じられないと言いたげな表情をする蘭。
「絶対凛さんですよ。
安室さんが助けたの・・・」
「んー・・・そうかな。
もしそうだとしたら、過保護だよね・・・彼。
絶対私の事妹かなんかと思ってるよ。」
再び、だから違うって!と空を仰ぐ園子と再び信じられないと困り果てる蘭。
その時、男たちの接客を終えた安室が帰ってきた。
「僕でしたら練習みれますけど・・・
これから貸しスタジオに行って少しやってみます?」
「いいね、それ!」
「やろやろ!」
安室の提案に、園子と蘭は喜んで承諾した。
その中、安室の事を静かに観察し続けていた世良が口を開く。
「なぁ、アンタ・・・
ボクとどこかで、逢った事ないか?」
「今日が初めてだと思いますけど?」
世良の探るような視線に愛想のいい微笑で答えた安室は、エプロンを取りながら続けた。
「では、先程ちょうどマスターと梓さんも来た事ですし・・・
貸しスタジオへ行きましょうか。
凛、上がりましょう。」
「あ、うん。」
安室は凛の手にあった食器を取ると、カウンターへと戻った。
「じゃあ、ちょっと帰る準備してくるから・・・
少しだけ待ってて?」
「はい!
お疲れ様です、凛さん!」
蘭に微笑んだ凛は、待っていた安室と一緒にバックヤードへと向かった。
その二人を見送った園子と蘭は、溜息を漏らした。
「・・・蘭姉ちゃんに園子姉ちゃん、どうしたの?」
コナンからの問い掛けに、蘭が困ったように微笑む。
「中々上手く行かないなぁって思っちゃって・・・」
「それって安室さんと凛さんの事?」
蘭はうん・・・と頷いた。
「あの安室さんが、誰が見てもわかる程のあーんな露骨な態度取ってるってのに・・・
凛さんには何で伝わんないのかしらね。」
園子はテーブルに肘を着き、手の甲に頬を乗せながら呆れたように呟いた。
「隣に居た男の人たちが凛さんの手を握った瞬間、安室さん・・・トレー割ってたもんね。」
苦笑いしながら呟く蘭の声を聞きながら、世良は興味なさそうに欠伸をした。
