Episode 2
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しばらく毛利一家と談笑した後、凛の出勤時間が近付いて来た為お開きとなった。
凛は見送る為、小五郎たちの後に続いて店を出た。
お互いに手を振り、小五郎と蘭、そしてコナンが階段を昇って行くのを見届ける。
「あー!
ボク、お店にちょっと忘れ物してきちゃった!
蘭姉ちゃんとおじさん、先に帰ってて!」
コナンの言葉に、凛は外からポアロの店内を除き見た。
(忘れ物?
お店を出る時、私が最後だったけど・・・
何かあったかな。)
凛たちが座っていた席は外からでも確認出来たが、やはり椅子やテーブルの上には何もなかった。
走って来たコナンの視線に合わせるようにしてしゃがみ込んだ凛は、首を傾げた。
「忘れ物、何もないけど・・・
何を忘れたの?」
「ちょっと凛さんに聞こうとしてた事!」
「私に?
何んだろう。」
すると、コナンは先程までの子どもらしい無邪気な表情から一変して、探るような顔つきになった。
「凛さんはさ・・・
敵、じゃないよね?」
「敵?」
「悪い奴らの・・・」
凛にはコナンが何を聞きたいのかわからなかった。
ただ、コナンの表情で何かに巻き込まれている事だけはわかった。
凛はコナンの緊張、そして不安で揺れるブルーの瞳をじっと見つめて開心術をかけた。
凛の脳内に流れ込むコナンの記憶ーーーー
一体コナンが何を"敵"とし、何に危惧しているのか。
コナンが言う"悪い奴ら"とは誰を指すのか。
それらがわかった凛は、開心術を止めて微笑んだ。
「・・・私はコナンくんの敵じゃないよ。」
「ならーーーー」
続けて質問をしようしたコナンの唇に、凛は優しく人差し指を当てた。
「君はわかりやすいね。
これ以上は言えないの、ごめんね?」
コナンは何故かそれ以上言葉が出せず、目を見開いた。
ただ軽く唇に触れられてるだけなのに。
凛は人差し指を離すと、ゆっくりと立ち上がった。
「これだけは確実に言えるよ。
私はコナンくんの味方だよ。」
「凛さん・・・
わかった。」
コナンはこれ以上何を聞いても答えてくれないだろうと諦め、階段を昇って行った。
その後ろ姿を見ていた凛は、口の端を持ち上げた。
(びっくりした・・・彼って本当は高校生なのね。
この世界にも、縮み薬って存在するのかしら。
まぁ何にせよ、大丈夫よ。
私は貴方が言う"黒ずくめの奴ら"なんかじゃないわ。
ーーーー工藤 新一くん?)
凛はポアロの店のドアに手を掛けた。
「それにしても、彼は蘭ちゃんの事が好きなのね。
ふふ、青春してるなぁ。」
凛は微笑みながら店内へと続くドアを押した。
そしてカラン・・・と音を立てて、ドアは閉まった。