Episode 17
夢小説設定
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「透さーん!」
「凛さん、お待たせしました!」
「急に呼び出したりしてごめんね?
お仕事は大丈夫だった?」
「ちょうど一段落した所だったので、大丈夫ですよ。
それより・・・今は俺、なんだけど?」
「え!?
だってここ外だよ!?
誰に聞かれてるかわかんないのに危ないって!」
そうだ、君の言う事が正しい。
でも無性に君に俺の名前を呼んで欲しいんだ。
安室でもない、バーボンでもない、誰でもない本当のただの俺という存在の名前を・・・
「大丈夫だ。
今俺たちの近くに誰も居ないよ。」
「もー・・・
零さんに迷惑かけたくて来たんじゃないのに。」
そう言って小さな声で俺の名前を呼ぶ君が好きだ。
困ったように微笑みながら、上目遣いで俺を見てくれる君が好きだ。
君のすべてが・・・愛おしい。
あぁ・・・本当に俺はどうかしている。
この想いが君に届くはずがないのに、君に対する想いが抑えきれずに日々募っていく一方だ。
本当は君に対する想いを捨てて、この国の為だけに生きなければいけないと頭では十分理解しているのに・・・
俺が君を想っている事で、俺のせいで君にまで危険が及ぶなんて・・・頭では嫌という程に理解しているのに・・・
「はい、メールで伝えていたお菓子。
零さん、どうせ徹夜続きだろーなぁと思って。」
「ありがとう。
すごく美味しそうだな。
こんなにたくさん大変だっただろ?」
「んーん、零さんの事考えながら作ってたから。」
「それってどう言う意味?」
「零さんがお仕事無理しませんよーに、とか。
零さんが少しでも休んでくれますよーに、とか。
零さんがこれ食べて元気になりますよーに、とか。
色々考えて作ってたら大変じゃなかった。」
ほら、そんな事言いながら君が最高の笑顔を見せるから・・・
余計に君を好きになるんだ。
今更この想いを捨てる事なんて・・・どうしたって出来ないんだって事を思い知らされる。
「・・・そっか、本当に嬉しいよ。
ありがとうな。」
「うん。
じゃあ、私は帰るね。
零さん、お仕事頑張って。」
「あぁ。
帰り気を付けてな?」
せっかく逢えた君と別れるのは惜しいが・・・
確かに今の俺には仕事が山程残っている。
少しでも早く片付けてポアロへ復帰しないと、だな。
たった数分間だったが、彼女に逢えたお陰で気分がすごく良い。
四徹目の身体だなんて思えない程、楽になった気がする。
そう言えば・・・彼女は気分がいい時、いつも鼻歌を唄っているな。
確か・・・こんな唄だった。
あー、本当に俺は彼女の事ばかり考えている。
そろそろ気持ち悪がられてしまうかもしれないな。
ーーーーよし、仕事に取り掛かるか。
・・・と思ったが、仕事に取り掛かる前に、まず彼女がせっかく作ってくれた菓子を食べようか。
・・・抹茶のパウンドケーキだな。
ん、美味い。
さすが凛さんだな。
しっとりとしていて、抹茶の濃厚な味が口の中に広がる。
小豆も入れてくれたのか。
抹茶のシフォンケーキもあるな。
これも美味い。
すごくふわふわだ。
俺が作るヤツより断然美味い。
・・・フッ、この彼女の手料理を食べる事が出来るのが、俺だけならいいんだがな。
「そうか!
神崎さんか!!」
・・・は?
今、風見・・・なんて言った?
凛さんの名前を言ったよな???
「・・・風見。
彼女がどうした?」
以前の菓子の件や先日の生チョコの件があるし・・・やはり風見も凛さんが好き、なのか?
・・・許さん。
公私混同するなと言われようが、子どもっぽいと言われようが、独占欲が強いと言われようが、男の嫉妬は醜いと言われようが、そもそも彼女の彼氏ではないだろと言われようが関係ない。
「あぁ、そうだ風見。
君に追加の仕事だ。
今日中に終わらせるようにな。」
「はっはい!!!」
彼女は魅力的な女性だから、好きになる気持ちはわかる。
だが、悪いがその想いは忘れてもらおうか。
ライバルは最初の内に潰しておくに限る。
降谷は口の端を持ち上げると、引き続き山のように積まれた仕事に取り掛かったのであった。
