Episode 23
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「凛!」
「あ、透。
どうかしたの?」
トイレから"天使の涙"が展示されている部屋へ戻ろうとしていた凛の方へ向かって歩いて来た安室は、彼女の目の前まで行くとジッと見つめた。
「?」
キョトンとした表情で小首を傾げている凛に、安室はニコリと微笑んだ。
「戻ってくるのが遅かったので迎えに来ました。」
「ちょっと化粧直しもしてたから、時間かかっちゃった。
ごめんね?」
「いえ、謝らないでください。
それより・・・」
安室は凛の少し乱れていた髪をゆっくりと耳に掛けて整えた。
「え、何?」
「・・・髪が少し崩れていましたよ。」
そして安室は腰を少し屈めると、凛の耳元へ唇を寄せた。
「これで元の可愛さに戻りましたね。」
「えっと・・・あ、ありがとう!
透は本当に気が利くね。」
ギリィ・・・
突然自身の手首を力強く握ってきた安室に、凛の表情は一瞬にして困惑へと変わった。
「ーーーーえ?
と、透?」
「・・・気安く僕の名前を呼ばないでください、怪盗キッド。」
(ばっバレてらぁぁぁぁぁ!?
つーか、コイツよく見たらベルツリー急行に乗ってたバーボンとか言うヤツじゃねぇかぁぁぁっ!?)
凛の姿に変装していたキッドは、心底焦った。
しかしなんとか焦りを顔には出さずに、必死にとぼけてみせる。
「・・・えー?
怪盗キッドさんは男性だよ?
私は歴とした女性なのに、透ったら変なのー。」
キッドは誰もが認める変装術を持っている。
老若男女の姿はもちろん、声帯までも完璧に真似る事が出来る。
そんな変装術を一瞬にして見破った安室に対して、キッドは内心冷や汗が滝の如く流れていた。
そのキッドの焦りを知ってか知らずか、安室は強く握りしめた彼の手首を離さないままで口を開いた。
「凛は耳が弱いんです。」
(さっきの耳元でわざわざ話したのはその為かよ!)
「うん、弱いよー。
透ったら、いきなり耳元で話すからビックリしちゃった。」
「凛の下手な真似は止めてくれませんか?
似てなさすぎて反吐が出ます。」
(ーーーーこっコイツ・・・)
バッサリと吐き捨てられた安室のセリフに、変装の名人であるキッドはプライドを傷付けられ、その彼のコメカミに怒りで青筋が浮かぶ。
「それに、凛の手首はもう少し細身です。
僕は管轄が違うのでね、君をどうこうするつもりはありませんが・・・
凛に何かしたのなら話は別だ。
・・・凛は、どこだ?」
一変して鋭い眼光で睨まれたキッドは、安室相手に誤魔化しきれないと瞬時に悟った。
すぐさま袖口に仕込んでおいた小型の煙幕を取り出し、その場の床に勢いよく叩き付けた。
床に叩き付けられた小型の煙幕は勢いよく弾け、辺りは一瞬にして白い煙で覆われた。
そしてキッドの手首を掴んでいた安室の手が一瞬緩んだ隙に、キッドは安室の手を全力で振り切って逃げた。
「ーーーー!?
逃がすかっ!」
安室は白い煙の中、目を凝らしながら逃げ去ったキッドの姿を追い掛けた。
