Episode 23
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その日、凛がポアロでの仕事を終えて自宅マンションへの道のりを歩いていると、背後から声をかけられた。
「・・・そこのお姉さん、ハンカチを落としましたよ。」
凛がその声に振り向くと、そこには学ランを身に付けた一人の青年が愛想いい笑みで立っていた。
その青年の手には、確かに凛のハンカチが握られている。
「あれ・・・いつの間に落ちたんだろ。
すみません、拾ってくれてありがとうございます。」
凛は素直に礼を述べてハンカチを受け取ろうとした。
そこで青年の顔を近くで見つめた後、どこか見覚えのある顔に凛は記憶を掘り起こした。
「・・・あれ、貴方・・・
どこかでお逢いした事があるような・・・」
依然として愛想いい笑みを浮かべている青年に、凛がさらにジッと顔を見つめていると、ハッと思い出した。
「ーーーーあ!
貴方、怪盗キッーーーー」
「シー!シーーーー!!」
「ふぉめん・・・」
慌てて口元を青年の手で抑えられた凛は、くぐもった声で小さく謝った。
「ま、誰も居なかったからいいけど・・・
オレの名前は黒羽 快斗ってんだ。」
快斗は凛の口元から手を離すと、ハンカチを差し出した。
そのハンカチを受け取ると、凛はポケットに入れた。
「・・・」
「快斗くんって学生だったのね。」
「もっと歳上だと思ってた?」
「んーん・・・
でも高校生とは思わなかったかな。
その制服、江古田高校のだよね?」
「正解!
よく知ってんな。」
「この前、その制服着たカップルがポアロに来てたからね。」
凛は近くの自販機で缶コーヒーを買いながら話を続けた。
「今日は米花町に何か用事?」
「あぁ、米花町っつーか・・・凛さんに用事。」
「私に?」
凛は買った缶コーヒーを快斗に手渡しながら首を傾げた。
「サンキュ!」
快斗は礼を述べると、缶コーヒーのプルタブに指先を掛けて開けた。
「そう、凛さんに用事。」
「何だろ?」
「近々鈴木財閥の相談役が、伝説の秘宝"天使の涙"を展示するんだ。」
「"天使の涙"?」
「あぁ。」
快斗はニッと口の端を持ち上げると、缶コーヒーに口をつけた。
「なるほど・・・
君が次に狙う宝石なのね。」
「ご名答♪
そこで凛さんの姿を借りたいんだ。」
「私の姿を?
いいけど・・・」
「今回も鈴木財閥のお嬢様が、その展示会に凛さんたちを誘ってくれるはずだ。」
「なら園子ちゃんに誘われたら一緒にその展示会に行って、どこかのタイミングで快斗くんと変わればいいのね?」
「そーゆー事!
話が早くて助かるぜ!」
快斗は空き缶を缶専用のゴミ箱に入れながら屈託のない笑みを見せた。
「なら当日の格好とかの連絡したいし、快斗くんの連絡先教えてくれる?」
「りょーかい!」
凛は快斗と連絡先の交換をすると、互いに手を振って別れた。
(彼はあんな風にしてると歳相応で可愛らしいのに・・・
怪盗さんになると、何故あんなにもキザになるのだろうか。)
凛は一人、小さく微笑みながら再び自宅であるマンションへと足を向けた。
