Episode 19
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一方ポアロを飛び出した凛は、路地裏に隠れていた。
(透さんも昴も一体どういうつもりなの!?
秋人くんやみんなの前であんな嘘つくなんてひどいよーーーっ!
アラサーをからかって何が楽しいってのよ、鬼畜め!!)
凛は壁に向かって拳を打ち付けていると、ふと安室の言葉を思い出した。
"だって凛さんの旦那は僕だから"ーーーー
(透さんに嘘でも私の旦那って言ってもらえる日が来るなんて!!
あぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!?
ちょ、待って!色々やばいんですけどぉぉぉ!?
何故、録音していなかったんだ私いいいいいいいっっっ!!)
凛は顔面を真っ赤に染め上げて、さらに高速で壁に拳を打ち付けた。
しかし、フッとその表情に陰を落とすと、蹲るようにしてその場にしゃがんだ。
(・・・そう、嘘。
彼が昴に合わせて嘘をついた理由はわからないけど、嘘。
彼は私の事を好きじゃない。)
表情を曇らせた凛は再び安室の言葉を思い出すと、再度顔を染め上げた。
(でも好きな人にあんな風に言われると、誰だって妄想しちゃいますよねええええええ!?)
抱えた膝に顔を埋めてグズグズとべそをかいていると、ふっと影が落ちた。
凛はチラッと視線をあげると、そこには困った表情で微笑む安室が立っていた。
「!?!?」
慌てて立ち上がってその場から逃げようとした凛を、安室は壁に両手をついて逃げられないようにした。
所謂、壁ドン状態でさらに距離を詰めた安室は、凛の耳元で小さく囁くように呟いた。
「逃げるな・・・」
「ーーーーんぁ・・・っ」
安室が小さく呟いた時、吐息が凛の耳にかかったのだろう。
凛の口から漏れた甘い吐息に安室の動きは完全に停止し、凛は自分の口から漏れた声に驚いて慌てて口元を塞いだ。
(・・・ふっ、俺は公安警察だぞ?
いくら耳が弱い彼女の口からかなり色気ある声が漏れたからって、それくらいで動揺するワケがなーーーーっっっんなんだ!?
さっきの色気ある声は!?
耐えろ!耐えるんだ、俺の理性!!)
安室はゆっくりと凛から距離を取ると、静かに大きく深呼吸をした。
「・・・怒っていますよね?
本当にすみません。」
安室の謝罪に対して、先程妄想しまくっていた凛は恥ずかしさでプイッと安室から視線を外してしまった。
安室は凛のその様子に、とても怒っているのだと思い、さらに申し訳なさげにした。
「・・・凛さん?」
「ちょっとごめん。
今は透さんの顔、見れない。」
「すみません・・・」
あまりにも申し訳なさげに謝る安室に、凛はまさか安室との結婚生活を想像した自分が恥ずかしすぎて、安室と視線が合わせられないとは言えずに慌てて否定した。
「あっ、怒ってないよ!?」
「本当ですか?」
「うん、全然!
本当に!!微塵にも!!」
「なら僕を見てください。」
安室は凛の両頬に優しく添えると、顔を覗き込もうとした。
「ーーーーっ!?
見ないで!!」
凛に両手で勢いよく目元を隠された安室は、その場で固まった。
我に返った凛は、慌てて安室の顔から手を離した。
「あああああ!?
私ったら国宝級の透さんの顔面になんてことおおおおおおお!?!?」
熟れたリンゴのように顔を真っ赤にして慌てふためく凛を見た安室は、呆然とした。
「・・・どうして・・・そんなにも顔が赤いんですか?」
「!?
見ないでって言ったじゃない!」
「もう見ちゃいました。」
咄嗟に顔を隠した凛の頬を、再び優しく両手で包んだ安室は、さらに距離を詰めて覗き込んだ。
「・・・凛さんの顔がそんなにも赤い理由は、僕の顔に触れたからではありませんよね?
もしかして先程のポアロでのせいですか?」
「!?
しししし知らない!」
「・・・彼に凛さんの旦那と言われたからですか?」
少し切なげな声でポツリと話した安室に、凛は慌てて顔をあげて否定した。
「ちっ違うよ!
昴が言ったから照れてたんじゃない!」
安室の瞳と凛の瞳が近くで合った瞬間、彼女の顔はさらに真っ赤に色付く。
(・・・つまり俺が君の旦那って言った事で赤面する程に照れてくれたって事か?)
「・・・ふふ、なら良かったです。
僕も・・・少しは自惚れてもいいんですね。」
「自惚れる?」
目を瞬かせながら首を傾げた凛に安室は再び顔を寄せた。
そして凛の頬に軽くキスを落とすと、ゆっくりと身体を離した。
変わらず顔を真っ赤にさせて、安室の唇が触れた頬に手を添えて目を見開き、口をパクパクとさせている凛を満足気な表情で見た安室は、妖艶に微笑んだ。
「・・・俺にも可能性があるって事。」
いつもの微笑みに戻った安室は、凛に手を差し出した。
「さぁ、ポアロへ帰りましょうか。
秋人くんも待っていますよ。」
「う、うん・・・?」
熱冷まぬ頬とうるさい鼓動と動揺に、凛は何も考えられずにポアロまでの道のりを帰った。
