Episode 21
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「ご馳走様でした。」
凛は両手を合わせて食事の挨拶をした。
「ん、お粗末様。
食欲はあるようで安心したよ。」
安室は風邪薬と水の入ったコップを凛に手渡しながら微笑んだ。
礼を述べながら薬とコップを受け取った凛は、錠剤を口に含んで水で飲み込む。
「相変わらずとても美味しいお料理だったからペロリだったよ。
もしかして、お粥にセロリ入ってた?」
「正解。
よく気付いたな。」
「いい食感のが入ってるなぁと思って・・・
お粥にセロリって珍しいよね?」
「セロリにはビタミンCやビタミンB群、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれているからな。
免疫力をあげてくれるし、体調を崩した時には打って付けの食材だ。
まぁ・・・セロリ入りの粥は、俺も昔幼なじみに作り方を教わったんだ。」
「零さんの幼なじみさん?」
「あぁ・・・
そいつはすごく料理上手でさ・・・色々レシピを教えてもらったよ。」
安室は一瞬切なげな表情をして言った。
その表情を見逃さなかった凛は、それ以上聞いてはいけない気がして口を閉ざした。
「・・・どうして俺がここに居るのかって聞いたよな?」
「うん・・・」
「俺がポアロに出勤した時、梓さんから今日の凛さんの様子を聞いてね。
それで心配になった俺が、すぐに凛さんのマンションに来たんだ。」
「それは・・・大変ご迷惑をお掛けして申し訳ない限りです。」
「そう思うなら風邪をひいた理由を聞こうかな。」
「・・・」
凛は、まさか安室の腹筋を妄想してはそれが頭から離れずに冷水を浴びまくった、など本人を前にして言えずに目を泳がせた。
「今朝、俺が凛さんに電話した時は今のように鼻声ではなかった。
・・・そうなると、風邪をひくような事をしたのはその後・・・となるんだが?」
安室に詰め寄られた凛は、適当な事を言ったとしても、すぐに嘘だと見破られそうだと諦めた。
凛は勢いよくその場で正座をすると、頭をベッドにめり込ませた。
「わっ私の頭がドがつく程の変態故に、このザマでございます!!
この度は降谷様に大変ご迷惑お掛けしてしまい、申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ!!」
突然の謎な謝罪に、安室は目を瞬かせた。
安室はとりあえず、ベッドに頭をめり込ませて土下座をしている凛の頭を発掘しながら尋ねた。
「話が見えないんだが・・・
それは一体どういう事だ?」
「えーっと・・・それは、その・・・つまり・・・」
再び目を泳がせて心底気まずそうにしている凛に、安室は首を傾げた。
「今更何を聞いたとしても驚きはしないさ。
大丈夫だから、話してみてくれないか?」
安室の言葉に、凛が うっ・・・と言い淀みながらもポツリポツリと話し始めた。
「・・・あのさ、零さんが言ったよね?」
「俺が?
何をだ?」
「今朝の電話で、その・・・"俺の腹筋を見たいのか"って・・・」
「あぁ・・・
確か、凛さんがバーボンで酔って、夢で俺の腹筋ーーーー」
「わぁぁぁぁっ
全部言わないで!!
言わなくていいです!!
あーもう、ホンットこんな変態でごめんなさい!」
凛は慌てて安室の口元を両手で抑えた。
「それでね・・・その、零さんが"俺の腹筋を見たいのか"って聞いてきたから・・・
勝手に想像しちゃって・・・
一度想像しちゃったら、その光景が頭から全然離れないし・・・
だからその煩悩を消す為に冷水をひたすらに浴びてたら・・・
すみません、阿呆の極みで風邪をひきました。」
潔く経緯を話し終えた凛は、口元を抑えられたまま何も言えず微動だにしない安室を目前に、一気に顔を赤らめた。
「~~~~っっっ!
どーーーせ私はドがつく変態ですよ!!
だって! 私の妄想での零さんの腹筋があまりにも美しかったんだものっっ!!
均等に6つに割れた腹筋が、まるで洗練された彫刻のようだったのっっ!」
「・・・」
「あぁぁぁぁああああっっっ!!
何も言えない程に変態だと思ってるのね!
うわん、もうお嫁にいけないっっ!」
「いや、そんな事は思っていないが・・・」
安室はとりあえず顔を両手で隠し、恥ずかしさで泣いている凛の頭を優しく撫でながら、頭の中で考えた。
(凛さんが俺の腹筋を勝手に想像して、その煩悩を打ち消す為に冷水を浴びた?
どういう事だ?
彼女には好きな人が居るはずだ。
夢に見る程の人物が居るというのに、そんな人物を差し置いて俺の腹筋?
そんな事があるのか?
腹筋フェチ? それとも・・・)
安室はそこまで考えると、少しでも凛の心の中に自分がいる事に嬉しさを隠せず、ふはっと破顔させた。
「本当に君は面白いな。
凛・・・体調が悪い時にすまないが、もう少しベッドの端に座れるか?」
凛は目を瞬かせながらも、安室が指差す場所にちょこんと正座をして座った。
その凛の後頭部へ手を伸ばした安室は、優しく自身の方へ引き寄せた。
「ふぉっ!?」
「これが俺の腹筋。
凛の想像していた通りかはわからないが・・・
君なら別に好きなだけ触ってくれてもかまわない。」
「!?!?!?」
「・・・その代わり、もっと俺だけの事を考えてな。」
安室の言葉と目の前にある服越しでも十分にわかる程の逞しく鍛えられた腹筋に、凛の頭はついにオーバーヒートし、勢いよくその場にぶっ倒れた。
その後、凛は完全に風邪から回復するまで、安室によって甲斐甲斐しくお世話されましたとさ。
