Episode 21
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沖矢の買い物を済ませ、工藤邸へと帰宅した二人は、リビングで夕飯の準備をした。
「わっ 昴ったら女子力高い!!
すごく美味しそう!」
コンロの上に置かれていた鍋を覗き込んだ凛は、感嘆の声を漏らした。
「そうか?」
沖矢とは違う声に振り返ると、そこには沖矢の変装を解いた赤井が立っていた。
「あれ、変装解いちゃって大丈夫なの?」
「あぁ・・・もう出る予定はないからな。」
赤井は鍋を温める為に、IHコンロの電源を入れた。
そして左手に持ったレードルで鍋の中身を混ぜながら、凛に声を掛けた。
「凛・・・すまないが、そこの食器棚から白い皿を取ってはくれないだろうか。」
「OK!
ちょっと待ってねー・・・はい、どうぞ。
あと、サラダに使うこのレタス、洗って適当にちぎっておくね。」
「ありがとう。」
キッチンに二人並んで夕飯の準備をする事に・・・否、彼女と同じ空間に居る事に安らぎと心地良さを感じた赤井は、自然とやわらかく微笑んだ。
食卓テーブルに並んだ赤井の手料理に、凛は目を輝かせた。
「わーっすごい!
本当に美味しそう!!
ビーフストロガノフが光ってるよ!」
「フッ、褒めすぎだ。
では、頂こうか。」
赤井と凛は両手を合わせて食事の挨拶をすると、スプーンを手に取った。
凛はワクワクしながらスプーンでビーフストロガノフを掬って口に運んだ。
その瞬間、牛肉やマッシュルームの旨味、玉ねぎの甘味が一気に広がり、後からサワークリームの仄かな酸味が口内にじんわりと広がった。
「!?
美味し!
これ美味しすぎるよ、秀一!
お店開けるんじゃない?」
「凛は本当に大袈裟だな。
だが、気に入って頂けたようで何よりだ。」
「本当に美味しいんだもん!
しあわせすぎる~。」
頬に手を添えて、本当にしあわせそうな表情で口いっぱいに頬張る凛に、まるでリスのようだなと赤井は目を細めて微笑んだ。
凛は口をモグモグと動かしながら、素朴な疑問を赤井にぶつけた。
「ずーっと思ってたんだけどさ・・・
秀一といい 透さんといいさ、この世界はイケメンだけでなく料理上手な男の人多くない?」
「安室くんも俺も国家公務員だしな。」
「そう、それ!
イケメンで頭も良くて料理の腕も良くて、しかも腕っぷしも強い。
何なのそれ、どんなチート使えばそうなるのよ。
欠点とかあるの?」
「欠点か・・・
例えば、俺にはどんな欠点があると思う?」
「んー・・・
いつもニット帽被ってるのは、実は何らかの理由で頭を隠してるから・・・とか?」
「ホー・・・?
それは遠回しに俺の髪が薄い、もしくは禿げている・・・と言いたいのか。」
「そこまでは言ってないけど。
まぁ、コンプレックスが隠されてるのかなぁとは思う。」
「ならば、それが真実かどうかは自分で確かめてみるといい。」
赤井はニット帽に手を掛けると、ニヤリと笑った。
ニット帽を取った赤井の頭部は、もちろん毛髪が薄いワケでも禿げているワケでもない。
「・・・ごめんなさい、微塵にも薄毛でも禿げてもなかったわ。
フッサフサだったわ。」
「残念だったな。」
「要するに、秀一には欠点はなしって事ね。
やっぱりこの世界にはさ、チート級の人が多すぎるのよぅ・・・
私がポンコツすぎて自信なくしちゃう。」
「俺から言わせれば、凛も同じだがな。」
「どこがよ。」
赤井はニット帽を被りながら、ジト目でこちらを見やる凛に続けた。
「凛も料理上手で容姿も整っている。
それに元の世界での職も闇祓いだ。
加えて、体術も中々な腕前だとボウヤから聞いたぞ。」
「あー、前の冷凍車の時かな?」
「あぁ、そうだ。
ほら、凛も俺たちとなんら変わらないだろう?」
「うーん・・・そうかなぁ。
でもそう言ってもらえて嬉しい!ありがとう!」
自分の周りに居る人たちの能力がすごすぎて、今の世界でも自分の存在価値をイマイチ見い出せなかった凛は、赤井に言われた言葉が素直に嬉しく思った。
しばらくして綺麗に食べ終えた凛は、満足気な声を出した。
「んーっ美味しかった!
ご馳走様でした!」
凛が手を合わせて食事の挨拶をすると、赤井は自身と彼女の食べ終えた食器を重ねてシンクへと持って行った。
その彼の後を追い掛けた凛は、洗い物を始めようと袖を捲っていた赤井を呼び止めた。
「待って。
片付けなら私に任せて!」
「いや、大丈夫だ。
凛は座っていてくれ、すぐに終わる。」
「そうじゃなくて・・・」
凛は袖口から杖を取り出すと、軽く振った。
すると、シンクに置いてあったスポンジが独りでに動き出して食器を洗い始めた。
目の前で起こるその摩訶不思議な現象に、赤井は思わず感嘆の声を漏らす。
「ホー・・・
つくづく魔法とは便利だな。」
「でしょう?
使えるものは使わなきゃ、ってね!」
「ありがとう。
ならば洗い物は魔法に任せて、俺たちはさっそく酒の用意をしようか。」
「待ってました、ウイスキー!
楽しみーっ!」
凛は満面の笑みを浮かべながら、赤井の後ろを着いて行った。
