Episode 18
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麻薬密売のリーダーがアジトにしているブルーハワイに到着した降谷率いる公安部隊は、扉の前で息を潜めていた。
降谷の後ろで同じく息を潜めていた凛は、降谷が扉の鍵を解錠するのを待っている間に周りを見回した。
(あれ、護衛が一人も居ない?
・・・そうか、今日は木曜日か。
てことは、リーダーさんはこの扉の向こうでお楽しみ中ってワケね・・・うわぁ、胸糞悪い。)
凛は扉の向こうから聞こえてきた微かな話し声に耳をすました。
その時、中の部屋から女の叫ぶような苦痛の声が聞こえた。
「ーーーー!?
凛さん、待てっ!」
降谷が小声で凛を慌てて止めようとしたが、時すでに遅し。
凛は扉に向かって杖を向けていた。
『ボンバーダ・マキシマ!(完全粉砕せよ)』
凛が呪文を唱えた瞬間、目の前の扉は爆音を鳴らしながら勢いよく砕け散った。
その惨状に、降谷は右手で目元を覆って空を仰ぎ、風見や他の部下たちは目を見開いて固まった。
凛が放った魔法は、目の前の扉だけでなく、玄関先やその先のドアまで見事吹き飛ばしていた。
粉塵舞う中、凛は土足のまま部屋へと入ると、そこにはベッドの上から驚愕の表情でこちら側を見ている下着姿の男が居た。
その男の下には、両手を頭上でひとつに押さえ付けられ、目から涙を零し、頬には殴られた痕、そして口元からは血が流れた下着姿の女が一人。
さらに、その女を組み敷く男の右手には注射器が持たれていた。
「なーーーーっ!?
誰ですかっ貴女は!?」
「・・・た、すけ・・・」
女が凛の方を見て、小さな声で途切れ途切れに助けを求めたその瞬間ーーーー
『エクスペリアームス(武器よ、去れ)』
凛は武装解除呪文を唱えて男の右手にあった注射器を跳ね飛ばした。
そして、凛は立っていた場所から瞬時にベッド近くへと移動した。
ベッド近くに移動すると、突然右手から離れた注射器に驚いている男の腹回りを目掛けて、力強く蹴りを入れた。
ドガシャァァァン!!
男は棚に向かって勢いよく吹っ飛び、ありとあらゆる物を壊してその場に大の字で倒れ込んだ。
「ーーーーぐはっ・・・
ゲホッゲホッ・・・なっ・・・何者、だっ・・・
この私を誰だと・・・心得るっ
私はっ蒼天協会の、神です・・・よ」
息も絶え絶えな男が凛を睨み付けた。
凛は落ちていた注射器を拾い上げると、男に近付きながら口を開いた。
「・・・へぇ。
あの蹴り受けても、まだそんなに話せるんですね。
さすが腐っても元軍人なだけありますね。」
「今なら、まだ貴女の愚行を・・・許してあげましょう・・・
私の腕の神の母は・・・見ておられる・・・
さぁ・・・神の、母に・・・許しを乞うのです・・・」
男の言葉に、凛は男の右腕に視線を移した。
そこには聖母マリアの刺青が施されていた。
「"神"、ね・・・
貴方の腕に居る聖母マリア様が本当に可哀想・・・」
凛はフッと口の端を持ち上げた。
そして男に向かってさらに歩を進め、大の字で倒れていた男の足と足の間に座り込んだ。
「ねぇ・・・
くだらない協会の自称神である貴方に、二つの選択肢の中から特別に選ばしてあげようか。」
「・・・はい?」
「このまま大人しく警察に捕まるか・・・
あそこの扉みたいに再生不可能な程に粉砕されて無理矢理去勢されるか・・・どっちがいい?」
ニッコリと可愛らしく微笑みながら男の足と足の間の付け根を指差して尋ねる凛に、男だけでなく続けて部屋へ突入してきていた降谷と風見たち部下一同はヒュッと喉を鳴らした。
数人の部下に至っては股間を守るようにガードまでしている。
「カウントダウン始めるよ~
さーん・・・にー・・・」
「たたたたたたたた助けてください!
早く私を捕まえてください!!
お願いします!早く!早く!!」
素晴らしい程の俊敏さで降谷たちの足元に土下座しながら震える両手を頭上に掲げる男に、凛は最初からそうしとけばいいのにと思った。
そして、そのままお縄頂戴となった男を他所に、凛はすぐさまベッドの上で泣きじゃくっている女の元へと駆け寄った。
そして着ていたコートを脱ぐと、女に被せた。
「・・・来るのが遅くなってしまってごめんなさい。
もう少し早く助けに来ていれば、貴女の心が傷付く事などなかったのに・・・」
凛は女の頬に付いた打撲痕を、痛々しげに見つめた後、女に見えないように杖を振った。
「・・・あれ?
さっきまであった痛みが・・・」
「もう大丈夫ですか?」
「あ、助けてくれてありがとうございます・・・」
「心は守れなかったけど・・・貴女の身が無事で本当に良かったです。」
凛はニコリと微笑むと、女は泣きじゃくりながら彼女に力強く抱きついた。
そしてその場に到着した救急隊員に女を任せた。
