Episode 14
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自宅に帰った凛は、綺麗にラッピングされた小箱をテーブルの上に取り出した。
そして包装を丁寧に剥がし、小箱を開けた。
(零さんはいつも無理ばかりするから・・・)
凛は袖口から杖を取り出すと、ネクタイピンに向かって杖を振った。
再び元のようにラッピングをすると、ショップバッグの中へと戻した。
「・・・どうか、これが彼をすべての悪いものから護ってくれますように・・・」
目を閉じて静かに祈りを捧げた凛は、心の底から降谷の安泰を願った。
「・・・零さんが喜んでくれるといいな。」
凛はショップバッグを見ながら微笑んだ。
翌日ーーーー
凛がいつものように朝早く、ポアロに続く道を歩いていると、横断歩道の信号待ちをしている安室の後ろ姿を見付けた。
その安室の背中に向かって駆け足で近寄り、彼の肩を軽く叩こうとした瞬間ーーーー
「凛さん、おはようございます。」
振り返りもせずに名前を呼ばれて挨拶をされた凛は、叩こうとした手の状態のまま固まった。
「・・・おは、よ?」
振り返った安室は、目尻を下げて微笑んだ。
「ふふ、そんな驚いた顔をしてどうしたんですか?」
「どうして私だとわかったの?」
「簡単な事ですよ。
凛さんの足音が聞こえましたから。」
安室の返答に、凛はますます首を傾げた。
「足音?
私ってそんな変な足音出してる?」
「うーん・・・
そうではなくて・・・
歩き方の癖による音、ですね。」
「癖?」
「ええ。
人には必ず歩き方の癖がありますから・・・
よく観察していると、10人居れば10人共歩き方は違うんですよ。
ですから、その分足音も違います。」
「なるほど・・・
それにしても、その足音がよく私だとわかったね。」
「同じ職場で聞き慣れてるからですよ。」
(当然わかるさ・・・
君の足音は、俺にとって特別だから・・・)
横断歩道の信号が青に変わり、凛と安室は歩き始めた。
「透さんって朝一の時はいつもこの時間?」
「そうですね。
そういう凛さんも、朝一の時はいつもこの時間ですよね?」
「え、どうして知ってるの?」
「先日、通勤中に見かけたので。」
長い人差し指を口元に添えながら答えた安室に、凛は察した。
(なるほど、本職の通勤中って事か。)
他愛もない話をお互いにしながら歩くポアロまでの道のりは、いつもよりとても短く感じた二人だった。
