Episode 14
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凛はこの日、一人で杯戸町のショッピングモールへと来ていた。
ここのモールには目玉とも言える大きな観覧車があり、その観覧車に乗る為に長蛇の列が出来ている。
凛は長蛇の列の横を通り過ぎ、ショッピングモール内へと足を進めた。
そして案内板の前まで来ると、うーん・・・と唸った。
(・・・仕事柄あまり身に付ける物はなぁ・・・
出来れば形に残らず、消化出来る物がいいんだけど・・・
かと言って、食べ物系は今回のお礼の品としてはなんだか違う気もする。)
案内板の前で悩む事10分。
様々な店名を見ては首を横に振り続け、小さく溜め息を漏らした。
凛は降谷へのお礼の品を買う為に、杯戸ショッピングモールへと来ていたのだ。
しかし、これだ!というものがなく、凛は案内板の前で途方に暮れていた。
(零さんには、こっちの世界来てからかなりお世話になってるし・・・
スマホも買ってくれたり、忙しいのに勉強見てくれたり、色々助けてくれたりしてるから、何かお礼したいんだけど・・・
とりあえず、時間に余裕はあるから色んなお店を見て回ろうかな・・・)
しばらく凛が広いショッピングモール内を歩いていると、ある店の前で足を止めた。
その店は男性用のスーツなどが売られていた。
そして、その店のショーケースにはたくさんのネクタイピンが展示されていた。
凛はそのたくさんのネクタイピンが並ぶ中で、一つのネクタイピンを見ていた。
そのネクタイピンには、パイライトの小片を含んだ紫みのあるロイヤルブルーの宝石が、ワンポイントにあしらわれていた。
凛はまるで夜空に輝く星空のようなロイヤルブルーの宝石に、目が離せなくなった。
その時、その店の店員が愛想良く話しかけてきた。
「いらっしゃいませ。
何をお探しでしょうか?」
「あ・・・
あの、これって何の宝石ですか?」
「こちらはラピスラズリです。」
「ラピスラズリ・・・
この宝石がとても綺麗だなって見惚れてたんです。」
凛はニコッと微笑むと、店員も微笑んだ。
「価値の話をしますと、実はラピスラズリは流通が多く、お値段はそこまで高くないんです。
ですが、このラピスラズリはクオリティスケールが最高品質なのです。」
「クオリティスケール?」
「ええ。
クオリティスケールとは、宝石の品質を客観的に評価する為につくられた、言わば"宝石のものさし"です。
縦軸には明暗度・濃淡のトーンが七段階、横軸には美しさのビューティグレードが五段階で区切られ、合計35の枠で宝石の品質を評価しています。
特に美しく希少性の高い石が、"ジェムクオリティ"という最高品質の評価を得る事が出来るんです。」
「だから、こんなにも美しくて目が離せなかったんですね。」
未だその宝石に心を奪われたかのように目が離せなかった凛は、店員の説明に非常に納得した。
「それに、ラピスラズリは古来より身に付ける人を護る魔除けや強い幸運を引き寄せる御守りとしても人気なんですよ。」
凛は店員のその言葉を聞いて即決した。
「あの、これ・・・
プレゼント用にお願い出来ますか?」
「かしこまりました。
ではこちらへどうぞ。」
店員はショーケースからラピスラズリがあしらわれたネクタイピンを取り出し、凛を店内の椅子へと案内した。
そして、そのまま店員はレジの奥へと消えて行った。
(結局、身に付ける物になっちゃった・・・
即決すぎたかな。
でも、零さんは常に危ない身だし・・・
零さんには誰よりも幸せになって欲しいから・・・)
奥から戻って来た店員に、綺麗にラッピングされた小箱を見せてもらい、凛は一括で会計を済ました。
店員に小箱の入ったショップバッグを受け取ると、軽やかな足取りで杯戸ショッピングモールを後にした。
