Episode 16
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(・・・これは、一体何のご褒美だ?)
凛は現在、赤井に抱きしめられた状態で、FBI捜査官であるキャメルが運転するベンツの後部座席に隠れていた。
(てか、なんか秀一の胸・・・硬くて痛いんだけど?
あー、でも秀一もいい香りがするなぁ。
フレッシュグリーンな爽やかな香りかと思いきや、結構スパイシー系って言うのか?
煙草の香りも混じってるのかな・・・
ザ・大人な香りだ。)
「ーーーーフッ
そんなに香りを嗅いで・・・
俺はいい香りがするのか?」
赤井に耳元で小声で話された凛は、恥ずかしくなって香りを堪能するのを止めた。
その時、運転席と助手席の方から緊迫した声が聞こえてきた。
どうやら、この車の前方に二台の車が立ちはだかり、車線を塞いで停車しているようだ。
「ウソ!?
車でバリケード!?」
焦るジョディの声に対して、キャメルは車の速度を上げた。
「舌を噛まないように・・・
奥歯、噛み締めててくださいよ!」
その言葉に、凛と赤井はキャメルがこれから何をしようとするのか瞬時に理解した。
赤井は胸元に居る凛の頭を左手で抱え込み、来る衝撃に備えた。
キャメルはハンドルを切り、路肩の岩に片輪を乗り上げさせて車体を傾ける。
(ひぃぃぃぃぃぃっ!?
この人の運転技術スゴすぎぃぃぃっ!)
凛は傾く車体に恐怖し、咄嗟に目の前にある赤井の服をギュッと強く握った。
その彼女の様子に、赤井はさらに抱きしめる腕に力を込める。
そしてキャメルが操る車は、二台並んだ車の間を巧みにすり抜けた。
「さすがね、キャメル!」
「しかし何なんですか、あいつら・・・」
(し、死ぬ・・・)
凛は全員が無事だった事に安堵の息を漏らした。
しかし、いつの間にか右前輪から、キュキュ・・・と妙な音を立てるようになっていた。
「まずい・・・
ハンドルが右に右に取られてしまう・・・」
「どういう事?」
「多分、さっき岩に乗り上げた時に・・・
タイヤのホイールがダメージを食らってリムが曲がり、タイヤのエアーが漏れ始めているんです・・・」
「えぇ!?
キャメル、何とかして!
すぐそこまで追って来てるわよ!?」
「何とかしてって言われても・・・
こんな時、赤井さんなら何とかするでしょうけど・・・」
キャメルはもどかしげに答えた。
その内、車はガコンガコンと上下に大きく振動するようになってきた。
その時ーーーー
「屋根を開けろ・・・
開けるんだ、キャメル・・・」
「は、はい!!」
キャメルは条件反射のように、ボタンを押して屋根を開けた。
ガコガコと音を立てて、車の屋根が開いていく。
後続車のヘッドライトに照らされ、赤井と凛の姿が浮かび上がった。
キャメルとジョディは、浮かび上がった二人の姿を見て息をのんだ。
「しゅ、シュウ!
・・・と、誰!?」
「あ、赤井しゃん・・・」
予想だにしなかった赤井の存在に、ジョディは驚愕の表情をし、キャメルはすっかり涙目になった。
「・・・凛、右前輪だ。
いけるか?」
「なるほど、そういう事ね。
簡単よ、任せて。」
凛は右側から身を乗り出すと、エアーが漏れて萎んだタイヤに向かって杖を向けた。
『レパロ(直れ)』
凛が呪文を唱えた瞬間、タイヤは元に戻り、先程までの大きな振動が一瞬にしてなくなった。
「な!?」
「あ、貴女・・・」
摩訶不思議な現象を目の当たりにし、驚愕の表情を浮かべている二人に赤井は淡々と告げた。
「このカーブを抜けたら200mのストレート・・・
5秒だ、キャメル・・・
いや・・・これなら2秒もあれば十分だな。」
「え?」
赤井は、後続車を見ながら不敵に微笑んだ。
「2秒間、ハンドルと速度を固定しろ。
このくだらんチェイスにケリをつけてやる。」
「了解!」
「・・・っていうか、アンタどこで何やってたのよ!?
何で車に乗ってるワケ!?
その子は誰よ!?」
ジョディが問いただすと、赤井はフッと笑って答えた。
「すべて思惑通りだよ、あのボウヤのな・・・
彼女については後で話そう。」
赤井はそう言うと、手袋を付けて懐から拳銃を取り出した。
(あの硬さは拳銃かい!!)
凛は赤井の胸元から出てきたとんでもないものに、心の中で盛大にツッコミを入れた。
凛の心境など知る由もない赤井は、片目を閉じて、後続車に狙いを定めた。
そして、引き金を引いた。
飛び出した銃弾は、正確無比に後続車の右前輪に命中した。
タイヤが鈍い音を立ててパンクし、スピンする。
「追って来ないって事は、振り切ったようね・・・」
「さすが赤井さん・・・」
「キャメル、戻れ。」
「りょ、了解!」
キャメルは赤井の言葉に従順にハンドルを切り、元の道を戻った。
