Episode 12
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場面が変わると、凛はたくさんの鍋を手で洗っていた。
凛の隣では、スネイプも同じように洗っている。
『魔法薬学の鍋を洗うとかすごく久しぶり。
相変わらずマグル式の洗い方なのね・・・
はい、こっちは終わったよ。』
『手伝ってもらってすまないな、助かった。』
『これくらい大丈夫。
私はスネイプ教授の補佐ですから。』
『なんだ、その緩んだ顔は・・・
何か言いたい事でもあるのかね?』
『ううん。
やっぱ魔法薬学と言えば、セブルスだなぁって思っただけよ。
知ってた?
私、結構セブルスの調合してる時の姿好きなのよね。
繊細な魔法薬を素晴らしい出来栄えでつくるセブルスのこの手は、本当に素敵ね。』
凛に手を両手で掴まれ、好きなように触られても何も言わずにされるがままのスネイプ。
スネイプの頬はほんのりと赤く染まっている。
その2人を見た降谷は、ムッとして少し眉間に皺を寄せた。
「・・・言っておくけど、別に"好き"と言っても恋愛感情の好きじゃないし・・・
それに私とセブルスは付き合ってないからね?」
(凛は彼に好意を寄せてなくても、彼は明らか好意を寄せてるじゃないか。)
隣で何故かムスッと不機嫌で立っている降谷に、凛はワケがわからず首を傾げた。
『そういえば・・・
せめてもの救いに、ダンブルドア校長が君の実家を直してくれたようだな。』
『あぁ・・・
有難い話よね。
でも、直してくださっても・・・あそこには極力帰りたくないんだけどね。
それにいつ闇祓いの招集がかかるかわからないから国外なんて行けないし。』
『・・・そうだな。
さて、私もこれで終わりだ。
紅茶でも淹れようか。』
『セブルスの?
やったー! 久しぶりにセブルスの美味しい紅茶が飲める!
私さ、セブルスみたいにどうしても美味しい紅茶が淹れられなくて、いつもお店で飲んでたのよ。』
『フンッ・・・
リンも私のような美味しい紅茶を淹れられるようになれば、君が望む物を何でも1つだけ買ってやろうか?』
『あ、言ったな?
絶対セブルスの舌を認めさせてやるんだから!』
それからの凛は、何度も何度も紅茶を淹れる練習をした。
紅茶を淹れる度にーーーー
『不味い!』
『茶葉が少なすぎる!』
『ただの色の付いた水だ!』
『茶葉が多すぎる!』
『温度がぬるすぎる!』
『茶葉を蒸らしすぎるな!』
『手抜きをするな!』
『こっそり魔法を使うな!』
何度も何度もスネイプにダメ出しを受け、しかしその度にスネイプが美味しく淹れる方法を一から丁寧に教えていた。
そしてその結果ーーーー
『フンッ・・・
これでこれから先、お前の淹れた紅茶しか飲めそうにないな。』
スネイプに合格印をもらった凛は、とても嬉しそうに笑った。
(そうか・・・
彼女の紅茶がとても美味しいのは、彼が彼女にここまで丁寧に教えたからだったのか・・・)
自分の知らない凛を徐々に知っていける事に、降谷は嬉しく思った。
