Episode 12
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ダンブルドアの後ろに続いて校長室へ入った凛は、ダンブルドアに促されてソファに腰掛けた。
ダンブルドアは杖を振って、凛が負ったすべての傷を一瞬にして治療した。
そして彼女の隣に静かに腰掛けた。
『・・・ダンブルドア校長先生・・・
私・・・みんなの言う通り、化け物です。』
俯いたまま、小さく震える声で話し始めた凛に、ダンブルドアは首を左右に振った。
『それは違う。』
『でも!!!
こんなっ・・・こんな姿でっっ
化け物でっっ!』
『リン、それは違う。』
凛は自分の震える手を見つめながら、目から涙を零した。
『わ、私・・・
傷付けるつもりなんて、なかった。
ただワケがわからなくて助けて欲しかっただけなんです。
なのにーーーーっっ』
ダンブルドアはゆっくりと頷くと、凛の背中を優しくポン・・・ポン・・・とあやす様に叩いた。
『わかっておるよ、リン。
君は、ちと他の魔女や魔法使いより特別なだけじゃ。』
『・・・どういう事ですか?』
『君は"規格外の魔女"という言葉を聞いた事があるじゃろう?』
『確か・・・昔、日本で・・・』
ダンブルドアは頷いた。
『リンは、儂らのような平凡な魔族と比べて魔力が強いだけじゃ。
それ故、その膨大な魔力を持て余した時、今のように姿が変わってしまうのじゃ。』
『・・・でも、勝手に氷の魔法が・・・』
『魔力を解放したのは、これが初めてじゃろう?
コントロールすれば、魔力の暴走など容易く抑えられる。』
ダンブルドアは杖を振って、目の前のテーブルに紅茶と菓子を出した。
『・・・校長先生、私はこのままホグワーツに居てもいいのでしょうか。
こんな恐ろしい力を持つ私なんか、居ない方が他の生徒たちを危険に晒す事などないのでは?』
『良いか、リン。
儂は信じておる。
君がその能力を使い、みなを良い方へ導ける事を・・・』
場面が変わったーーーー
人の口に戸は立てられない。
あの一件がボクワーツ内で凄まじい速さで広まっていた。
『Miss.カンザキは化け物だ。』
『Miss.カンザキは人の皮を被った悪魔だ。』
『Miss.カンザキは人殺しだ。』
『化け物に近付くと殺される。』
噂は次第に根も葉もない内容を含み、凛は完全にホグワーツで孤立していた。
『事実無根の内容に盛り上がるヤツらには反吐が出る。
つくづく救えない馬鹿共ばかりだ。』
凛の隣を歩いていたスネイプは、柱の陰から彼女の悪口を言っていた生徒に向かってキツく睨み付けながら呆れたように吐き捨てた。
『・・・仕方がないよ。
人殺しはしてないけど、人を傷付けてしまった事には変わりないもの。』
『あれはリンがわざとやった事じゃないだろ。』
『そうだけど・・・』
凛がそう言った時、柱の陰からリリーとジェームズが飛び出してきた。
『そうよ!
リンはわざとじゃなかったのに、こんな事するなんて酷いわ!
悪いのは周りの方よ!』
『リリーの言う通りだ。
そもそも僕には無抵抗なリンに対して攻撃しまくるヤツらの方が、よっぽど化け物に見えるね。』
2人の言葉に賛同した声を出しながら、反対側の柱の陰からリーマスとシリウスも飛び出してきた。
『同感。
ホント悪質だよ。
ここまでくると同じ人間として情けなくなるね。』
『つーか、化け物っつーけど・・・
姿が変わったリンは、どっちかってーと天使様だろ。』
『・・・みんな。
一緒に居てくれるのは嬉しいけど、やっぱり私と一緒に居るとみんなまで悪口言われちゃうから・・・
特にリリーたちはグリフィンドールだし・・・』
『フンッ、グリフィンドールが何だってんだ。
それに俺らの悪口なんざ、言いたいヤツは好きに言えばいい。
俺は一緒に居たいと思ったヤツと一緒に居る。』
『あら、シリウスもたまには良い事言うのね。
変なモノでも食べたんじゃない?』
『んだとっ!?
失礼にも程があんだろ、エバンズ!』
その場にリリーたちが笑う声が響く中、凛も小さく笑った。
『・・・みんな、ありがとう。』
このひどく哀しくつらい生活の中で彼らの存在が、凛にとってどれ程心の支えとなったのか。
降谷はこの光景で強く知る事となった。
