Episode 1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(うん、まぁね・・・
なんとなくわかっていたけどもね。)
凛は今、杯戸駅の観光案内板の前で立ち尽くしていた。
(参ったな・・・
似てる地名はあるけど似てるだけで、私の知ってる地名がほとんどない。)
ふと凛は周りの視線に気付いた。
時刻は6時、駅構内は電車を利用する人で増えてきていた。
行き交う人々がチラッチラッと凛を見ている。
(・・・そういえば、マグルには真っ黒なローブは珍しい対象か。
それに私、傷だらけだしな。)
凛はローブを脱いで小さめの鞄の中に押し込んだ。
そして観光案内板の前から歩き始めると、駅周辺の人影のない場所を探した。
人影のない場所を見付けると、凛は袖口から杖を取り出した。
『エピスキー(癒えよ)・・・』
凛は小声で治癒呪文を唱えながら次々と傷を治し始めた。
治癒呪文で完治しなかった傷には、小さめの鞄の中から魔法薬の入った小瓶を取り出して、魔法薬で治した。
すべての傷の治療を終えたのを確認すると、凛は頷いた。
「これでもう大丈夫ね。
だけど、まさかさっきの人がチヨダの人間だとは思わなかったから牽制するような事言っちゃったな・・・
まぁ、もう逢う事もないからいっか。」
凛は杖を袖口に戻すと、再び考え込んだ。
(うーん・・・
数十年イギリスに居る間に、ここまで変わってしまっているものなのだろうか。
とりあえず日本円もないから、ついでにここで姿くらましして実家へ行きますか。)
凛は、その場で姿くらましをした。
「・・・あれ?」
慣れ親しんだ姿くらまし独特のバシッという音と、細い管に無理矢理押し込められているかのような感覚が襲ってこなかった。
それどころか、凛はその場から1歩も動いていなかった。
(どういう事?
実家には何度か行った事があるから、確実に姿くらましが出来るはず。)
凛は姿くらましが出来なくなったのかと不安になり、目覚めた時に居た河川敷へ1度姿くらましをしてみる事にした。