Episode 12
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ダンブルドアに連れられてホグワーツで治療を受けた凛は、日に日に健康さを取り戻して行った。
骨と皮の状態であった手足や、痩せこけた頬はふっくらとした姿に戻っていた。
そんな凛は今、机に向かって必死に羽根ペンを動かしていた。
羊皮紙には、英語でたくさんの言葉が書かれている。
羽根ペンを握るその右手は、血で染まる程強く握りしめられていた。
それでも書く事を止めない凛の目は、突然やって来た異国で、当然話せない聞き取れない言語の中で、必死に生きる事を選んだ目だった。
季節が秋に変わる頃ーーーー
異国の国で生きていく為に、必要最低限の語彙力を習得した凛は、真新しい制服とローブを身に付けていた。
緑と銀、黄と黒、青と銀、赤と金、それぞれの色をモチーフにした旗が天井から吊るされた、四つの縦長のテーブルが並ぶ大広間の前に、一つだけ椅子が置かれている。
新入生である生徒が一人ずつその椅子に座り、古ぼけた帽子を頭に乗せてはそれぞれの色分けされたテーブルへと駆けて行く。
ついに凛の名前が呼ばれた。
ゆっくりと椅子に腰掛けた凛の頭の上に、古ぼけた帽子が被せられた。
『・・・ん?
これはまた、珍しい子が来たね。
日本の子か・・・』
先程までは聞こえていなかった声が、古ぼけた帽子から発せられた。
「・・・帽子が喋ってる?」
「ん?あぁ、あれは"組み分け帽子"って言うの。
その名の通り、一人一人の魔女魔法使いの頭に被せる事で、あの組み分け帽子がその人にとってもっとも適した寮に組み分けてくれるんだよ。」
凛の説明に、これが魔法界という世界なのかと、降谷は目の前に広がる光景に心臓の鼓動が早まった。
凛の頭に被せられた組み分け帽子は、ひどく悩んでいるようだった。
『・・・ふむ、なるほど・・・
君は、目的の為ならば手段を選ばない・・・
また、一度信じた人間は何が何でも信じ切る、とても仲間思いでもある・・・
それでいて両親共に魔族・・・
しかし、非常に勇敢で勇気のある子だ・・・
スリザリンか・・・グリフィンドールか・・・』
組み分け帽子が悩み抜いた結果、一際大きな声が大広間に響き渡った。
『ーーーースリザリーーーン!!』
その瞬間、緑と銀をモチーフにした寮旗がある長テーブルの方から大歓声が響いた。
凛の着ていたローブの胸元には、蛇に緑と銀をモチーフにした寮のマークが現れ、制服のネクタイも緑と銀のカラーに変わった。
凛は椅子から降りてスリザリンの長テーブルへと向かった。
そして空いていた場所に腰掛けると、聡い英語で隣に座っていた男へと挨拶をした。
『初めまして。
私、リン カンザキ。
よろしく。』
凛に挨拶をされた黒い前髪を真ん中で分け、鉤鼻を持つ男は、チラリと凛を見た。
そして無愛想に一言答えた。
『・・・セブルス・スネイプだ。』
これが、凛と彼、スネイプとの出逢いだった。
