Episode 10
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凛のマンションに着いた安室は、鍵で玄関ドアを開けた。
玄関をくぐって近くのドアを開けて入り、さらに奥にある寝室へと続くドアを開ける。
そして、ベッドの上にゆっくりと凛を下ろした。
「ーーーーで・・・」
「凛さん?」
凛が何か言葉を発した気がした安室は、彼女の名前を呼んだ。
しかし、凛は変わらず気持ちよさげにスヤスヤと寝息を立てていた。
その様子に、安室は小さく溜め息を漏らして微笑んだ。
自然と凛の頭に手が伸び、ゆっくりと撫でる。
「・・・まったく、君は・・・
俺と伊豆へ行くのを断ったかと思えば、彼女に逢っていたとは・・・」
撫でていた手を離すと、帰りの道中で買ったペットボトルのミネラルウォーターをベッドサイドテーブルに置いて寝室から出た。
寝室から出た先の部屋は、凛がつくり上げた調合部屋だ。
安室は部屋を囲むようにして置かれた棚を見て回った。
たくさんの小瓶に入れられた様々な色をした液体、ホルマリン漬けのようなもの、薬草や動物のツノのようなものや本ーーーー
どれも安室にとって、興味深いものばかりだった。
(これが凛さんが言っていた、魔法薬か・・・)
安室は、液体の入った小瓶が並ぶ棚の前で立ち止まった。
そして、小瓶を一つ一つ見る。
(ハナハッカ・エキス・・・
生きる屍の水草・・・
フェリックス・フェリシス・・・
安らぎの水草・・・
愛の妙薬・・・? 媚薬の事か?)
安室はある魔法薬の入った小瓶の前で止まった。
"愛の妙薬"とラベルが貼られた小瓶を手に取り、傾けてみた。
真珠貝のような光沢を持つその魔法薬に、安室は吸い寄せられるようにして小瓶の蓋を開けた。
その瞬間、ふわりと薔薇のような甘い香りが、安室の鼻腔をかすめた。
(・・・?
彼女が身に付けている香水、か?)
普段凛から香る香りに、凛の香水かと思った安室は、特に気にする事なく小瓶を元の棚に戻した。
続いて、安室は多くの本が並ぶ棚を見て回った。
適当に本を手に取り、中身を見ては戻すを何度か繰り返す。
すべて英語で書かれていたが、安室には問題なく読めた為、凛が本当に魔法界の住人である事を改めて実感した。
(すごいな。
わかってはいたが、本当に俺の知らない事ばかりだ。)
どの本もかなり使い込まれており、また凛の字で多くの書き込みがされていた。
それだけで彼女が如何に勤勉である事がわかった。
(俺が教えた時も、凛さんはたくさんのメモを取っていたな。
さすが、と言うべきか・・・)
安室はフッと微笑むと、見ていた本を棚に戻した。
ふと、その本の近くに"ALBUM"と書かれたものを見付けた。
凛に悪いと思いながらもそのアルバムを手に取り、そして開いた。
