本作のヒロイン オペラップの本名
出会いー交際
ヒロインの名前
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福岡からの出張を終え、静岡の事務所兼自宅に戻ったその夜。
歌織は、オペラップ事務所の防音室にいた。
重厚な防音扉を閉め、真夜中の暗闇の中にぽつんと佇む。
ベッドに入っても一向に訪れない眠気。どうしても胸の奥の騒めきが煩くて…… 歌織は気分転換に歌う事にしたのだ。
「……はぁ、何なのこれは……」
目を閉じると、昼間のホークスとのやり取りが、まるでつい先ほどの出来事のように脳裏にチラつく。
充実したチームアップミッションだった。プロとして対等に戦えたし、ホークスからの深い信頼を得る事もできたはずだ。
なのに。
『冗談に見えます?
……俺は結構、本気なんですけどね』
耳元に残る、あの甘く低い声。
冗談めかしながらも、どこか射抜くような熱を帯びていた琥珀色の瞳。
思い返した瞬間、心臓が跳ね、顔にカッと熱が昇る。
「なぜ……こんなにもソワソワするの……っ!」
歌織はもどかしそうに頭を抱えると、ギュッとマイクを握りしめた。
頭の中のセットリストから、今のこの正体不明の感情を吹き飛ばしてくれそうな曲を炙り出す。
「んんん〜! もう!
このモヤモヤを吹き飛ばすのは……この曲だあー!!」
選び抜いたのは、アップテンポで疾走感溢れるバトルソング——『ボルテッカー』。
スピーカーから軽快なイントロが鳴り響くと同時に、歌織は全身の力を込めて熱唱を始めた。
部屋いっぱいに響き渡る、圧巻の歌唱力とパワフルな声量。
ヒーローとしての意識的なコントロールを解いているため、彼女の『個性の歌』に反応して発生した心糸は、ただふわふわと空間を漂うだけだ。
それは発動後の戦闘用とは異なり、数秒経てば花火のように儚く散って消えていく。
自分の感情のすべてを歌に乗せて吐き出す事で、歌織は絡まっていた頭の中がスッと軽くなっていくのを感じた。
「………はーっ! ようやくスッキリした♪」
曲が終わる頃には、胸のモヤモヤもすっかり吹き飛んでいた。
マイクを置き、汗を軽く拭った歌織は、満足感に満ちた笑顔で防音室を後にした。
そのまま自室のベッドへ潜り込み、ほどなくしてぐっすりと深い眠りについたのだった。
……誰もいなくなった暗闇の防音室の中で、歌織自身すら気付かないまま弾けて消えた、その心糸の残滓。
普段の戦闘で見せる鋭い透明な糸とは全く違う、淡い桜色に揺らめいていた糸の存在にだけは、最後まで誰も気付くことはなかった。
歌織は、オペラップ事務所の防音室にいた。
重厚な防音扉を閉め、真夜中の暗闇の中にぽつんと佇む。
ベッドに入っても一向に訪れない眠気。どうしても胸の奥の騒めきが煩くて…… 歌織は気分転換に歌う事にしたのだ。
「……はぁ、何なのこれは……」
目を閉じると、昼間のホークスとのやり取りが、まるでつい先ほどの出来事のように脳裏にチラつく。
充実したチームアップミッションだった。プロとして対等に戦えたし、ホークスからの深い信頼を得る事もできたはずだ。
なのに。
『冗談に見えます?
……俺は結構、本気なんですけどね』
耳元に残る、あの甘く低い声。
冗談めかしながらも、どこか射抜くような熱を帯びていた琥珀色の瞳。
思い返した瞬間、心臓が跳ね、顔にカッと熱が昇る。
「なぜ……こんなにもソワソワするの……っ!」
歌織はもどかしそうに頭を抱えると、ギュッとマイクを握りしめた。
頭の中のセットリストから、今のこの正体不明の感情を吹き飛ばしてくれそうな曲を炙り出す。
「んんん〜! もう!
このモヤモヤを吹き飛ばすのは……この曲だあー!!」
選び抜いたのは、アップテンポで疾走感溢れるバトルソング——『ボルテッカー』。
スピーカーから軽快なイントロが鳴り響くと同時に、歌織は全身の力を込めて熱唱を始めた。
部屋いっぱいに響き渡る、圧巻の歌唱力とパワフルな声量。
ヒーローとしての意識的なコントロールを解いているため、彼女の『個性の歌』に反応して発生した心糸は、ただふわふわと空間を漂うだけだ。
それは発動後の戦闘用とは異なり、数秒経てば花火のように儚く散って消えていく。
自分の感情のすべてを歌に乗せて吐き出す事で、歌織は絡まっていた頭の中がスッと軽くなっていくのを感じた。
「………はーっ! ようやくスッキリした♪」
曲が終わる頃には、胸のモヤモヤもすっかり吹き飛んでいた。
マイクを置き、汗を軽く拭った歌織は、満足感に満ちた笑顔で防音室を後にした。
そのまま自室のベッドへ潜り込み、ほどなくしてぐっすりと深い眠りについたのだった。
……誰もいなくなった暗闇の防音室の中で、歌織自身すら気付かないまま弾けて消えた、その心糸の残滓。
普段の戦闘で見せる鋭い透明な糸とは全く違う、淡い桜色に揺らめいていた糸の存在にだけは、最後まで誰も気付くことはなかった。
