本作のヒロイン オペラップの本名
出会いー交際
ヒロインの名前
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ホークスは、あるヴィランの捕獲任務を受けていた。
逃げ足の速さだけが取り柄のヴィランが、市街地の入り組んだ古いビルに潜伏した。
スピード勝負となれば当然、指名されるのは「速すぎる男」ホークスだ。
だが今回、ホークスは自らアソシエイトとして一人のヒーローを指名していた。
「いやぁ〜オペラップさん、今日はありがとうございます。
よろしくお願いします」
現場の路地裏で、ホークスは羽を少し揺らしながら丁寧に頭を下げた。
呼ばれたオペラップは、プロヒーローとしての引き締まった表情で力強く頷く。
「こちらこそ!
お役に立てるように頑張ります!」
今回の作戦は極めて合理的だ。
敵の潜伏先の開放部や窓枠を、あらかじめオペラップの必殺技である『鬼蜘蛛』——縦横無尽に張り巡らせた心糸の網で塞いでおく。
そこへホークスが外から『剛翼』を叩き込んで敵を追い出し、逃げ道を奪って即座に捕縛する。
『心音頭』の糸は歌い終えた後も一時間近く効果を残せるため、戦闘前の「トラップ設置」としても完璧な性能を発揮するのだ。
手際よく網を張り終えたオペラップは、作戦開始の直前、少しおずおずとした様子でホークスを見上げた。
「あの、ホークス……貴方に、私の個性を使っても?」
その提案に、ホークスの目がきらりと光る。
「ぜひ! お願いします、オペラップさん」
食い気味に答えるホークスに、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
そして、少しだけトーンを落とした静かな声で紡ぐ。
「では、ホークス……私の歌を、信じてください」
すっと息を吸い込んだ彼女が歌い始めたのは、誰もが知る『ふるさと』の短い一節だった。
柔らかな歌声と共に、彼女の身体から溢れ出た白い心糸がふわリと舞い、ホークスの全身をやさしく包み込んでいく。
その瞬間——。
(……おお……すごい、落ち着く……)
すうっと頭の雑音が消え、肩から余計な力が抜けていくのが分かった。
初めて肌で体感する『良絽鼓舞』の温かなバフ効果。
ホークスは密かに深い感動を覚えていた。
歌い終えたオペラップが、少し緊張した面持ちで覗き込んでくる。
「どうでしょう……? 効きました?」
「ええ! なんだか肩の力が抜けて、いつも以上に速く飛べそうです」
素直な感想を伝えると、彼女はほっと胸を撫で下ろし、心からの笑顔を咲かせた。
「よかった。信じてもらえて嬉しいです♪」
『良絽鼓舞』は、お互いの信頼がなければ発動しない。
つまり、ホークスが今感じているこの軽やかさは、彼自身が心からオペラップというヒーローを信用している証拠でもあった。
彼女の前では、どんな嘘も通用しないのだ。
「……では、オペラップさんのバフが効いてるうちに行きますか!」
ホークスは不敵に笑うと、背の『剛翼』を一斉に解き放った。
オペラップが張り巡らせた『鬼蜘蛛』の極小の隙間を、細かく分裂した赤い羽根が見事にすり抜けてビル内へと雪崩れ込む。
「なっ、ヒーロー……!?」
突然の奇襲にパニックを起こしたヴィランは、たまらず窓を破って外へと飛び出した。
しかし、そこは既に完璧に包囲されている。
オペラップの伸縮性のある心糸の網に絡め取られ、機動力を奪われたヴィランは、待ち構えていたホークスの手によって一瞬で取り押さえられたのだった。
◇
「お疲れ様です、ホークス!」
捕縛を終え、オペラップが駆け寄ってくる。
ホークスも羽根を引き戻しながら向き合った。
「オペラップさん!
おかげで助かりました。
出口を塞いでもらってたんで、こちらも冷静に対処できましたよ。
ありがとうございます」
「いえいえ、微力ですが……お役に立ててよかったです!」
誇らしげに、そして嬉しそうに胸を張る彼女。
その眩しい笑顔を間近で突きつけられ、ホークスは胸の奥がキュッと締め付けられるような感覚を覚えた。
どうにも、心が乱されて仕方がない。
引き渡しの警察車両が走り去り、路地裏に二人きりの静寂が戻る。
ホークスはひとつ深く呼吸を整えると、視線を落とし、いつもよりずっと真剣で重みのある眼差しをオペラップに向けた。
「……実は、俺……オペラップさんのこと、気になっちゃうんすよね……」
低く、甘く響く声。
あまりに突然の展開に、オペラップは目を丸くした。
「!? えっ!?」
素で声を裏返らせる彼女に対し、ホークスはさらに逃がさないように一歩、じりっと距離を詰める。
「……オペラップさんは、俺のこと……どう思ってます?」
切なげに眉を寄せ、覗き込んでくるトップヒーローの顔面。
その破壊力と真迫の表情に、オペラップは一瞬で顔を真っ赤にし、盛大にパニックに陥った。
「え!? えーと……え!?
き、気になる!? あの、その……っ!
すごいヒーローだと思ってて、尊敬しているヒーローの一人ですけど…っ!」
口をパクパクさせながら完全に動転する彼女の姿に、耐え切れなくなったホークスは——。
「ふはっ!」
思わず吹き出した。
「いや〜、オペラップさんの『心音頭』!
汎用性高くて面白いっすよ!
めちゃくちゃ気になる!」
悪戯っぽく目を細めてケラケラと笑うホークス。
一瞬固まったオペラップは、自分が思い切りからかわれたのだと理解すると、顔をリンゴのように真っ赤に煮詰めながら大声で抗議した。
「……っは!? やだ!!
そんな……ま、紛らわしい言い方しないでください!!」
「え〜? どんな勘違いしたんです?」
面白がって顔を覗き込んでくるホークスに、オペラップはボンッと耳まで赤くしながら叫んだ。
「……っ! し、知りません!
お疲れ様でした!!」
ぺこりと雑にお辞儀をすると、彼女は逃げるようにあっという間にその場を去っていった。
遠ざかっていく彼女の背中を、ホークスは愛おしそうに、そしてどこか危険な熱を孕んだ瞳で見送る。
(あーあ、怒らせちゃった。……でも)
赤い羽根を一枚、遊ばせるように指先で弄びながら、ホークスは口元を歪めた。
(やっぱり、期待通りの反応をしてくれる。
……ますます目が離せないな)
「速すぎる男」の狩猟本能と興味は、もう誰にも止められないところまで加熱していた。
逃げ足の速さだけが取り柄のヴィランが、市街地の入り組んだ古いビルに潜伏した。
スピード勝負となれば当然、指名されるのは「速すぎる男」ホークスだ。
だが今回、ホークスは自らアソシエイトとして一人のヒーローを指名していた。
「いやぁ〜オペラップさん、今日はありがとうございます。
よろしくお願いします」
現場の路地裏で、ホークスは羽を少し揺らしながら丁寧に頭を下げた。
呼ばれたオペラップは、プロヒーローとしての引き締まった表情で力強く頷く。
「こちらこそ!
お役に立てるように頑張ります!」
今回の作戦は極めて合理的だ。
敵の潜伏先の開放部や窓枠を、あらかじめオペラップの必殺技である『鬼蜘蛛』——縦横無尽に張り巡らせた心糸の網で塞いでおく。
そこへホークスが外から『剛翼』を叩き込んで敵を追い出し、逃げ道を奪って即座に捕縛する。
『心音頭』の糸は歌い終えた後も一時間近く効果を残せるため、戦闘前の「トラップ設置」としても完璧な性能を発揮するのだ。
手際よく網を張り終えたオペラップは、作戦開始の直前、少しおずおずとした様子でホークスを見上げた。
「あの、ホークス……貴方に、私の個性を使っても?」
その提案に、ホークスの目がきらりと光る。
「ぜひ! お願いします、オペラップさん」
食い気味に答えるホークスに、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
そして、少しだけトーンを落とした静かな声で紡ぐ。
「では、ホークス……私の歌を、信じてください」
すっと息を吸い込んだ彼女が歌い始めたのは、誰もが知る『ふるさと』の短い一節だった。
柔らかな歌声と共に、彼女の身体から溢れ出た白い心糸がふわリと舞い、ホークスの全身をやさしく包み込んでいく。
その瞬間——。
(……おお……すごい、落ち着く……)
すうっと頭の雑音が消え、肩から余計な力が抜けていくのが分かった。
初めて肌で体感する『良絽鼓舞』の温かなバフ効果。
ホークスは密かに深い感動を覚えていた。
歌い終えたオペラップが、少し緊張した面持ちで覗き込んでくる。
「どうでしょう……? 効きました?」
「ええ! なんだか肩の力が抜けて、いつも以上に速く飛べそうです」
素直な感想を伝えると、彼女はほっと胸を撫で下ろし、心からの笑顔を咲かせた。
「よかった。信じてもらえて嬉しいです♪」
『良絽鼓舞』は、お互いの信頼がなければ発動しない。
つまり、ホークスが今感じているこの軽やかさは、彼自身が心からオペラップというヒーローを信用している証拠でもあった。
彼女の前では、どんな嘘も通用しないのだ。
「……では、オペラップさんのバフが効いてるうちに行きますか!」
ホークスは不敵に笑うと、背の『剛翼』を一斉に解き放った。
オペラップが張り巡らせた『鬼蜘蛛』の極小の隙間を、細かく分裂した赤い羽根が見事にすり抜けてビル内へと雪崩れ込む。
「なっ、ヒーロー……!?」
突然の奇襲にパニックを起こしたヴィランは、たまらず窓を破って外へと飛び出した。
しかし、そこは既に完璧に包囲されている。
オペラップの伸縮性のある心糸の網に絡め取られ、機動力を奪われたヴィランは、待ち構えていたホークスの手によって一瞬で取り押さえられたのだった。
◇
「お疲れ様です、ホークス!」
捕縛を終え、オペラップが駆け寄ってくる。
ホークスも羽根を引き戻しながら向き合った。
「オペラップさん!
おかげで助かりました。
出口を塞いでもらってたんで、こちらも冷静に対処できましたよ。
ありがとうございます」
「いえいえ、微力ですが……お役に立ててよかったです!」
誇らしげに、そして嬉しそうに胸を張る彼女。
その眩しい笑顔を間近で突きつけられ、ホークスは胸の奥がキュッと締め付けられるような感覚を覚えた。
どうにも、心が乱されて仕方がない。
引き渡しの警察車両が走り去り、路地裏に二人きりの静寂が戻る。
ホークスはひとつ深く呼吸を整えると、視線を落とし、いつもよりずっと真剣で重みのある眼差しをオペラップに向けた。
「……実は、俺……オペラップさんのこと、気になっちゃうんすよね……」
低く、甘く響く声。
あまりに突然の展開に、オペラップは目を丸くした。
「!? えっ!?」
素で声を裏返らせる彼女に対し、ホークスはさらに逃がさないように一歩、じりっと距離を詰める。
「……オペラップさんは、俺のこと……どう思ってます?」
切なげに眉を寄せ、覗き込んでくるトップヒーローの顔面。
その破壊力と真迫の表情に、オペラップは一瞬で顔を真っ赤にし、盛大にパニックに陥った。
「え!? えーと……え!?
き、気になる!? あの、その……っ!
すごいヒーローだと思ってて、尊敬しているヒーローの一人ですけど…っ!」
口をパクパクさせながら完全に動転する彼女の姿に、耐え切れなくなったホークスは——。
「ふはっ!」
思わず吹き出した。
「いや〜、オペラップさんの『心音頭』!
汎用性高くて面白いっすよ!
めちゃくちゃ気になる!」
悪戯っぽく目を細めてケラケラと笑うホークス。
一瞬固まったオペラップは、自分が思い切りからかわれたのだと理解すると、顔をリンゴのように真っ赤に煮詰めながら大声で抗議した。
「……っは!? やだ!!
そんな……ま、紛らわしい言い方しないでください!!」
「え〜? どんな勘違いしたんです?」
面白がって顔を覗き込んでくるホークスに、オペラップはボンッと耳まで赤くしながら叫んだ。
「……っ! し、知りません!
お疲れ様でした!!」
ぺこりと雑にお辞儀をすると、彼女は逃げるようにあっという間にその場を去っていった。
遠ざかっていく彼女の背中を、ホークスは愛おしそうに、そしてどこか危険な熱を孕んだ瞳で見送る。
(あーあ、怒らせちゃった。……でも)
赤い羽根を一枚、遊ばせるように指先で弄びながら、ホークスは口元を歪めた。
(やっぱり、期待通りの反応をしてくれる。
……ますます目が離せないな)
「速すぎる男」の狩猟本能と興味は、もう誰にも止められないところまで加熱していた。
