本作のヒロイン オペラップの本名
出会いー交際
ヒロインの名前
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※ヒロインPMS明けのお話です。
オペラップが鬱になる一週間。
その期間の彼女は、足を踏み入れれば爆発する激重の地雷そのものだった。
『いつでも話聞きますよ』
あの屋上でホークスがかけてくれた甘い言葉に縋るように、歌織はほぼ毎日、鬱々とした心の内をそのまま晒したメッセージを彼に送り続けていたのだ。
そして——闇の一週間が、ついに明けた。
「な……なんて事を……うそうそうそうそ!
こんなん……ヤバい人過ぎる!!」
自室のベッドの上で、歌織はスマホを握りしめたまま頭を抱えて悶絶していた。
ホークスの善意に100%のしかかり、自分の重い過去やネガティブな感情をぶつけまくったメッセージ履歴。
客観的に見返した瞬間、あまりの恥ずかしさと申し訳なさで、このまま消えてしまいたくなった。
「こんなに迷惑かけて……謝らなきゃ!!」
歌織は震える指を必死に抑え、ホークスへ電話をかける。
数コール後、受話器から聞こえてきたホークスの声は、驚くほど軽やかだった。
「……もしもーし! オペラップさん? 珍しいですね、電話くれるなんて」
「あ、あの! ホークス!!
お陰様ですっかり元通りになりました。
それよりも……すごくご迷惑をおかけして……なんとお詫びをしたら良いやら……」
電話越しだというのに、歌織の姿勢はどんどん低くなり、今にも土下座しそうな勢いだった。
「おっ! いつもの元気な歌織さんが戻って来ましたか!
いやー、ああいうあなたを独り占めするのも悪くないですけど、なかなかインパクトありましたね!」
あははっ!と電話の向こうで楽しそうに大きく笑うホークス。
歌織は顔から火が出そうなほど真っ赤になる。
「いやほんとに……お恥ずかしい限りです……」
消え入りそうな声で縮こまる歌織にひとしきり笑うと、ホークスは少し声を弾ませた。
「あーじゃあ……お詫びと言っては何ですが、リクエストしてもいいです?
『チェリーポップ』って曲を耳にして、歌織さんの歌で聴きたいなと思ったんですけど」
『チェリーポップ』。
恋する女の子が男の子にチクチク口撃する、可愛らしい恋愛ソングだ。
「……はい、何でも……仰せの通りに……」
今の歌織に拒否権などあるはずもなく、ただただ大人しくその要求を飲むのだった。
◇
その後、オペラップ事務所の収録室にて。
歌織はさっそく楽曲の練習を始めていた。
「……わーどきどき……ねーすきすき…?
こ、これを…………歌うのか……!?」
歌詞カードを目にした瞬間、は驚愕した。
曲自体は聞いたことがあったものの、こうして真剣に歌詞を追ったのは初めてだったのだ。
「……可愛い楽曲だから、完全に油断してた……!!
でも、あんな私を笑い飛ばして受け止めてくれた人のお願いだもの……
聞かない訳にはいかないわ!!」
ぐっと拳を握り締め、胸を熱く燃やした歌織は、一人練習を繰り返した。
そして一通り歌えるようになったところで、マイクの前のカメラを回し、収録を開始する。
『——みんなめんどくせって離れるの 重い子って不人気なん なんなん』
歌いながら、ふと先週までの鬱々とした自分を思い出してうんざりする。
——だが。その本心と、目の前の歌詞があまりにもぴったりと重なってしまった。
その瞬間。
ポン、ポンッ……
軽快なBGMに合わせて、空間に桜色の心糸が弾け飛んだ。
その後も、歌声に乗って色鮮やかな心糸が空間を彩る中、ときどき混ざり込む華やかな桜色。
前回のライブの時よりも滞空時間ははるかに長く、誰の目にもはっきりと分かるほど鮮やかに漂っていた。
「ふぅ……よしっ」
歌い終えた歌織は、収録した動画の出来を確認するために見返す。
画面を再生してすぐ、彼女の動きが止まった。
動画の中で鮮やかに映り込む、何本もの桜色の糸。
「……えっ……何この糸……?」
見覚えのある糸だった。歌織が誰かに「ときめき」を感じた時に生まれる、あの淡い桜色。
それが、この楽曲を歌っている最中、何度も何度も確かに生まれていたのだ。
(……え? 私、誰を想ってこの曲を歌ってた……?
『重い私を受け止めてくれた人』……
『チェリーポップを歌ってほしいって言った人』……
って、それって……!!)
「…………えぇ〜…………
ま、まさか…………そんな……!?」
頭の中で一気に線が繋がり、歌織は顔を真っ赤にしてへなへなと床に座り込んだ。
自分の『個性』は、どこまでも自分の感情に嘘をつけない。
「ほんと……正直すぎるよ私……最悪だ……」
項垂れ、真っ赤な顔を覆い隠しながらも、彼女は震える指でその動画をSNSへ公開するのだった。
◇
一方、福岡のホークス事務所。
デスクで書類をめくっていたホークスは、オペラップの新着動画の通知を受け取るや否や、ワクワクした様子で速攻で楽曲を再生した。
アップテンポなリズムに合わせて、色鮮やかな心糸が花火のように舞い散る。
その中で歌織が楽しげに、どこか拗ねたように可愛らしく歌う姿に、ホークスは一瞬で見惚れてしまった。
すると——。
画面の中で、以前のライブの時よりもはっきりと、しっかりと形作られた桜色の心糸がふわりと浮遊していることに気がついた。
『重い子って不人気なんなんなん』。
「……まじか、歌織さん……」
ホークスは顔をカッと赤く染め、ニヤけてだらしなく緩んでしまう口元を慌てて手で覆った。
自分から「次に会った時仕掛けます」と言っておいて、完全にこちらが仕掛けられてしまった。
彼女は自分の恋心に気づきながら、この動画を投稿したのだ。
「……この前の、重い女の子〜って感じのも……可愛かったんだよなぁ」
感情をむき出しにして自分に依存し、暗い本音をぶつけてくれた彼女の姿。
普段の太陽のような笑顔とのギャップも合わさり、ホークスにとっては甘美で堪らない刺激となっていた。
(……ほんと、俺のツボに合いすぎるんだよな……)
ホークスは歌織から送られてきた過去の激重メッセージと、画面の中で桜色の糸を咲かせながら歌う『チェリーポップ』の動画を交互に眺め、胸の奥から湧き上がる狂おしいほどの愛おしさに、ただただ悶絶するのだった。
オペラップが鬱になる一週間。
その期間の彼女は、足を踏み入れれば爆発する激重の地雷そのものだった。
『いつでも話聞きますよ』
あの屋上でホークスがかけてくれた甘い言葉に縋るように、歌織はほぼ毎日、鬱々とした心の内をそのまま晒したメッセージを彼に送り続けていたのだ。
そして——闇の一週間が、ついに明けた。
「な……なんて事を……うそうそうそうそ!
こんなん……ヤバい人過ぎる!!」
自室のベッドの上で、歌織はスマホを握りしめたまま頭を抱えて悶絶していた。
ホークスの善意に100%のしかかり、自分の重い過去やネガティブな感情をぶつけまくったメッセージ履歴。
客観的に見返した瞬間、あまりの恥ずかしさと申し訳なさで、このまま消えてしまいたくなった。
「こんなに迷惑かけて……謝らなきゃ!!」
歌織は震える指を必死に抑え、ホークスへ電話をかける。
数コール後、受話器から聞こえてきたホークスの声は、驚くほど軽やかだった。
「……もしもーし! オペラップさん? 珍しいですね、電話くれるなんて」
「あ、あの! ホークス!!
お陰様ですっかり元通りになりました。
それよりも……すごくご迷惑をおかけして……なんとお詫びをしたら良いやら……」
電話越しだというのに、歌織の姿勢はどんどん低くなり、今にも土下座しそうな勢いだった。
「おっ! いつもの元気な歌織さんが戻って来ましたか!
いやー、ああいうあなたを独り占めするのも悪くないですけど、なかなかインパクトありましたね!」
あははっ!と電話の向こうで楽しそうに大きく笑うホークス。
歌織は顔から火が出そうなほど真っ赤になる。
「いやほんとに……お恥ずかしい限りです……」
消え入りそうな声で縮こまる歌織にひとしきり笑うと、ホークスは少し声を弾ませた。
「あーじゃあ……お詫びと言っては何ですが、リクエストしてもいいです?
『チェリーポップ』って曲を耳にして、歌織さんの歌で聴きたいなと思ったんですけど」
『チェリーポップ』。
恋する女の子が男の子にチクチク口撃する、可愛らしい恋愛ソングだ。
「……はい、何でも……仰せの通りに……」
今の歌織に拒否権などあるはずもなく、ただただ大人しくその要求を飲むのだった。
◇
その後、オペラップ事務所の収録室にて。
歌織はさっそく楽曲の練習を始めていた。
「……わーどきどき……ねーすきすき…?
こ、これを…………歌うのか……!?」
歌詞カードを目にした瞬間、は驚愕した。
曲自体は聞いたことがあったものの、こうして真剣に歌詞を追ったのは初めてだったのだ。
「……可愛い楽曲だから、完全に油断してた……!!
でも、あんな私を笑い飛ばして受け止めてくれた人のお願いだもの……
聞かない訳にはいかないわ!!」
ぐっと拳を握り締め、胸を熱く燃やした歌織は、一人練習を繰り返した。
そして一通り歌えるようになったところで、マイクの前のカメラを回し、収録を開始する。
『——みんなめんどくせって離れるの 重い子って不人気なん なんなん』
歌いながら、ふと先週までの鬱々とした自分を思い出してうんざりする。
——だが。その本心と、目の前の歌詞があまりにもぴったりと重なってしまった。
その瞬間。
ポン、ポンッ……
軽快なBGMに合わせて、空間に桜色の心糸が弾け飛んだ。
その後も、歌声に乗って色鮮やかな心糸が空間を彩る中、ときどき混ざり込む華やかな桜色。
前回のライブの時よりも滞空時間ははるかに長く、誰の目にもはっきりと分かるほど鮮やかに漂っていた。
「ふぅ……よしっ」
歌い終えた歌織は、収録した動画の出来を確認するために見返す。
画面を再生してすぐ、彼女の動きが止まった。
動画の中で鮮やかに映り込む、何本もの桜色の糸。
「……えっ……何この糸……?」
見覚えのある糸だった。歌織が誰かに「ときめき」を感じた時に生まれる、あの淡い桜色。
それが、この楽曲を歌っている最中、何度も何度も確かに生まれていたのだ。
(……え? 私、誰を想ってこの曲を歌ってた……?
『重い私を受け止めてくれた人』……
『チェリーポップを歌ってほしいって言った人』……
って、それって……!!)
「…………えぇ〜…………
ま、まさか…………そんな……!?」
頭の中で一気に線が繋がり、歌織は顔を真っ赤にしてへなへなと床に座り込んだ。
自分の『個性』は、どこまでも自分の感情に嘘をつけない。
「ほんと……正直すぎるよ私……最悪だ……」
項垂れ、真っ赤な顔を覆い隠しながらも、彼女は震える指でその動画をSNSへ公開するのだった。
◇
一方、福岡のホークス事務所。
デスクで書類をめくっていたホークスは、オペラップの新着動画の通知を受け取るや否や、ワクワクした様子で速攻で楽曲を再生した。
アップテンポなリズムに合わせて、色鮮やかな心糸が花火のように舞い散る。
その中で歌織が楽しげに、どこか拗ねたように可愛らしく歌う姿に、ホークスは一瞬で見惚れてしまった。
すると——。
画面の中で、以前のライブの時よりもはっきりと、しっかりと形作られた桜色の心糸がふわりと浮遊していることに気がついた。
『重い子って不人気なんなんなん』。
「……まじか、歌織さん……」
ホークスは顔をカッと赤く染め、ニヤけてだらしなく緩んでしまう口元を慌てて手で覆った。
自分から「次に会った時仕掛けます」と言っておいて、完全にこちらが仕掛けられてしまった。
彼女は自分の恋心に気づきながら、この動画を投稿したのだ。
「……この前の、重い女の子〜って感じのも……可愛かったんだよなぁ」
感情をむき出しにして自分に依存し、暗い本音をぶつけてくれた彼女の姿。
普段の太陽のような笑顔とのギャップも合わさり、ホークスにとっては甘美で堪らない刺激となっていた。
(……ほんと、俺のツボに合いすぎるんだよな……)
ホークスは歌織から送られてきた過去の激重メッセージと、画面の中で桜色の糸を咲かせながら歌う『チェリーポップ』の動画を交互に眺め、胸の奥から湧き上がる狂おしいほどの愛おしさに、ただただ悶絶するのだった。
