第1話 最悪な出会い
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結局、医院は爆破されずに済んで、切島の胃に小さな穴が少し開く程度で事は済んだ。
爆豪の言葉を完全無視した桜が医院の奥の部屋へ消えてしまったため、2人は別の医院を探すことを余儀なくされた。
「あのクソ医者…次会ったらぜってェのしてやる」
「一般人に『のす』とか言うなよ。おまえマジでしそうだからこえーし」
切島がため息混じりに告げるけれど、爆豪はふんっと他所を向く。
しかし別の方向を見ながらも、爆豪が考えているのは桜のことだった。
「……ンであの医者、ヒーロー診ねぇんだよ」
恐らくそれは、桜のことを知っている切島に向けた疑問。
そう読み解いて、切島は「あぁ」と頬をかいた。
「俺も詳しくは知らねーけど。現場に救命活動で来ても、ヒーローだけは絶対に診ねーんだってさ」
「医者には応召義務ってのがあンだろが、なんで許されてんだよ」
「おう、おう……なんだ、その義務」
「そんくらい知っとけや。患者に診てほしいっつわれたら、よっぽどの理由ねぇ限り診なきゃいけねぇって法律で決まってンだよ」
「……久しぶりに思い出したよ、実はおまえが頭いいこと」
この喋り方だからつい忘れてしまうが、高校の時から爆豪は才能マンだった。むしろできないことが『言葉遣いを治す』だけだったといっても過言ではないくらいになんでもできた。
「んーー……でもあの人たしか、薬師寺製薬会社のお嬢さんだからさ。家の力でそういうのどうにかできたりすんじゃねーの?」
薬師寺製薬会社――街中を歩けば、その名が記された看板やポスターが目に入らないことがない。桜は、その大手製薬メーカーの御令嬢であることも有名だった。
恐らく『ヒーローを治療しない』という勝手が許されている理由として、そのことが広まったのだろう。
「天狗のお嬢様かよ、気に食わねぇ」
爆豪は大きな舌打ちをして、地面に転がった石ころを蹴り上げた。
爆豪の言葉を完全無視した桜が医院の奥の部屋へ消えてしまったため、2人は別の医院を探すことを余儀なくされた。
「あのクソ医者…次会ったらぜってェのしてやる」
「一般人に『のす』とか言うなよ。おまえマジでしそうだからこえーし」
切島がため息混じりに告げるけれど、爆豪はふんっと他所を向く。
しかし別の方向を見ながらも、爆豪が考えているのは桜のことだった。
「……ンであの医者、ヒーロー診ねぇんだよ」
恐らくそれは、桜のことを知っている切島に向けた疑問。
そう読み解いて、切島は「あぁ」と頬をかいた。
「俺も詳しくは知らねーけど。現場に救命活動で来ても、ヒーローだけは絶対に診ねーんだってさ」
「医者には応召義務ってのがあンだろが、なんで許されてんだよ」
「おう、おう……なんだ、その義務」
「そんくらい知っとけや。患者に診てほしいっつわれたら、よっぽどの理由ねぇ限り診なきゃいけねぇって法律で決まってンだよ」
「……久しぶりに思い出したよ、実はおまえが頭いいこと」
この喋り方だからつい忘れてしまうが、高校の時から爆豪は才能マンだった。むしろできないことが『言葉遣いを治す』だけだったといっても過言ではないくらいになんでもできた。
「んーー……でもあの人たしか、薬師寺製薬会社のお嬢さんだからさ。家の力でそういうのどうにかできたりすんじゃねーの?」
薬師寺製薬会社――街中を歩けば、その名が記された看板やポスターが目に入らないことがない。桜は、その大手製薬メーカーの御令嬢であることも有名だった。
恐らく『ヒーローを治療しない』という勝手が許されている理由として、そのことが広まったのだろう。
「天狗のお嬢様かよ、気に食わねぇ」
爆豪は大きな舌打ちをして、地面に転がった石ころを蹴り上げた。