第1話 最悪な出会い
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「おいっ、爆……じゃねーや。ダイナマイト、大丈夫か?」
人通りの少ない裏路地を歩く、プロヒーローが2人。
そのうちの1人、赤髪の彼――烈怒頼雄斗こと切島鋭児郎が隣を歩く旧友に心配の声をかけた。
声をかけられたヒーロー――大爆殺神ダイナマイトこと爆豪勝己は負傷した左肩を抑えながら、ぐるりと首を回して心配を跳ね除けた。
「大丈夫に決まってンだろが! 心配すんじゃねェ」
「いやいや心配するだろ、それ。血出てんじゃん」
「るっせェ! 止まっとるわ!」
吠えるように言って爆豪は路地を進んでいく。
しかしその路地の先に、2人の目的地は存在しない。この道は明らかな遠回り。
常に活動拠点と現場までのルートをしっかり捉えて無駄のない行動を取る爆豪らしからぬ行動だ。
さすがに不安になって切島は再び、険しい顔の友人に声をかけた。
「なあ、こっちの道で合ってる?」
「テメェは逆方向だ。先帰ってろ」
「え…ええっ!? おまえどこ行くの!?」
「ついてくんな!」
そうは言うけれども、自らの後ろをついてくる切島を止めることはせず、爆豪は歩き続ける。
しばらくして路地を抜けると、爆豪はすぐ先を右に曲がった。そしてそこから数歩先にある建物を見上げる。一方、ダイナマイトの背を追ってきた切島はその建物を見るなり、顔を引き攣らせた。
「おまえ、もしかしてココで治療してもらう気? 悪いことは言わねーからやめとけって」
切島が負傷していない方の肩に触れるが、爆豪はその手を振り払う。
そして目の前に建つ小さな医院の扉の取っ手を握った。
「こんなかすり傷、でけぇ病院行かずとも治せンだろ。さっさと治してさっさと帰る。いいからテメェはさっさと帰れ」
「いや、そうじゃなくて……ちょっ、聞けって!!」
切島の話は半分どころか恐らく一言も耳に入れず、爆豪は医院の中へ消えていく。
「……この医院、爆破されねーといいけど」
切島は深いため息を吐きながら、そんな言葉を残して、小さな医院の中に足を踏み入れた。
人通りの少ない裏路地を歩く、プロヒーローが2人。
そのうちの1人、赤髪の彼――烈怒頼雄斗こと切島鋭児郎が隣を歩く旧友に心配の声をかけた。
声をかけられたヒーロー――大爆殺神ダイナマイトこと爆豪勝己は負傷した左肩を抑えながら、ぐるりと首を回して心配を跳ね除けた。
「大丈夫に決まってンだろが! 心配すんじゃねェ」
「いやいや心配するだろ、それ。血出てんじゃん」
「るっせェ! 止まっとるわ!」
吠えるように言って爆豪は路地を進んでいく。
しかしその路地の先に、2人の目的地は存在しない。この道は明らかな遠回り。
常に活動拠点と現場までのルートをしっかり捉えて無駄のない行動を取る爆豪らしからぬ行動だ。
さすがに不安になって切島は再び、険しい顔の友人に声をかけた。
「なあ、こっちの道で合ってる?」
「テメェは逆方向だ。先帰ってろ」
「え…ええっ!? おまえどこ行くの!?」
「ついてくんな!」
そうは言うけれども、自らの後ろをついてくる切島を止めることはせず、爆豪は歩き続ける。
しばらくして路地を抜けると、爆豪はすぐ先を右に曲がった。そしてそこから数歩先にある建物を見上げる。一方、ダイナマイトの背を追ってきた切島はその建物を見るなり、顔を引き攣らせた。
「おまえ、もしかしてココで治療してもらう気? 悪いことは言わねーからやめとけって」
切島が負傷していない方の肩に触れるが、爆豪はその手を振り払う。
そして目の前に建つ小さな医院の扉の取っ手を握った。
「こんなかすり傷、でけぇ病院行かずとも治せンだろ。さっさと治してさっさと帰る。いいからテメェはさっさと帰れ」
「いや、そうじゃなくて……ちょっ、聞けって!!」
切島の話は半分どころか恐らく一言も耳に入れず、爆豪は医院の中へ消えていく。
「……この医院、爆破されねーといいけど」
切島は深いため息を吐きながら、そんな言葉を残して、小さな医院の中に足を踏み入れた。