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Poker Face ~Hiroaki Koshino

2024/03/06 16:56
「ちぇっ…呼び出しといて、なんだよ…」

あなたの不満そうな顔を見るのも楽しい。
でも、楽しんでいるのは私の中だけの秘密。
決して顔には出さない。

好きって言葉はまだ言わない。

ただ、あなたが私のことを熱い瞳で見つめてくるのを楽しむだけ。
私があなたを好きなこと、気付いていないでしょ?

「おまえの気持ちが全然わかんねぇ。こんなに俺は好きなのによ…」

あなたが感情むき出しな分、私は冷静にポーカーフェイスで答える。

『越野くんって、本当に熱いよね』

「悪ぃかよ!あぁ!もう!本当に分かんねー」

頭をかきむしって、ため息をつく越野くん。

もう少し駆け引きを楽しんでもいいかな?

『ねぇ、私が好きって言ったらどうするの?』

努めて冷静に、声のトーンを変えないように私は尋ねた。

「はぁ?そんなもん、決まってるだろ!」

『決まってるんだ』

私は、冷静なふりして、越野くんの言葉を待った。

「ったりめーだ!俺がおまえの彼氏になって、おまえが俺の彼女になる。キスしたり、色々することあるだろ!」

自分で言っていて恥ずかしくなったのか真っ赤な顔になった越野くんが面白くて、思わず口角が上がった。

「おま…今、笑った?」

もう駆け引きは終わりでいいかな?

私は、驚いた顔の越野くんに伝えた。

『越野くんの彼女になろっかな?』

今度は、にっこり笑いかけた。

「へっ?はぁ?今、何て…!?」

『聞こえなかったなら、もうおしまい』

「い…いや、まって!俺の彼女になってくれるんだよな?」

『そう。よろしくね』

まだ、恋の駆け引きは続くみたい。
また、私の勝ちだけどね。



***
Inspired by Lady Gaga 「Poker Face」

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