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Mystery ~Kenji Fujima

2024/03/06 16:55
あなたの愛を手に入れたい。

そう望んで、見つめてきた同じクラスの藤真健司くん。

中性的な顔立ちのイケメンで、バスケ部のエースとあって、よくモテる。

私も見つめているだけのただの女子のはずだった。

なのに、偶然、席替えで隣の席になった。

「よろしく」

と声をかけられただけで、心臓が飛び出しそうだった。

毎日会話を交わす度に私は欲深くなった。

その欲を隠すのに大変だった。

あなたが私のどろどろした気持ちに気づかないよう細心の注意を払った。

私の頭の中、あなたに見られたら、きっと引かれてしまうから。


思い上がりかもしれないけれど、他の女の子と私への態度が違う。

ふと視線を感じて振り向くと藤真くんと目が合う。

ふっと笑う顔、独り占めしたくてたまらない。

この気持ちを伝えてもいいの?

伝えたいのに、この友達の関係が終わってしまうのが怖くて伝えられない。


「今日、放課後時間あるか?」

突然の問いに、答えに困る。

『えっ?部活前?時間あるから今聞くよ?』

「いや…二人きりで、話したいんだ…」

照れたような顔で私に話しかける藤真くん。

『もちろん、良いけど…』

「じゃあ、頼むぜ!」

今すぐ聞きたい気持ちを抑え、放課後を待つ。

あなたの気持ちがそこで聞けるの?

自惚れた想いを抱え、私は彼の待つ場所へと向かった。


***
Inspired by 小松未歩 「謎」

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