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In New York ~Hanamichi Sakuragi

2024/03/06 16:52
オレは、今、ニューヨークにいる。

天才の名をほしいままに、バスケの本場らしいこの国で活躍している。

…には、まだほんの少し足りねー気がするが、夢や希望が溢れるこの街、オレは気に入っている。

街中、至る所にバスケットゴールが目に付く環境もサイコーだ。

街角にはギャングもいて、危なっかしい感じもなんだか落ち着く。

エーゴは苦手だが、何とかなるもんだ。

冷たい風が吹きつけるコンクリートジャングルを歩いていると、心に響く日本語の歌が聞こえる。

ふと足を止めて、声の方を振り返る。

綺麗な黒髪の女性がストリートで歌っている。

オレは、目立ちすぎるからと、少し離れたところで、彼女の歌に耳を傾けた。

足を止める人もいるが、アジア人だと分かると途端に興味をなくす奴らもいるようだ。

2,3曲聞いた後に、歌っていた彼女と目が合った。

『桜木…花道…?』

「あぅ…俺の名前…知ってるんすか?」

『こっちの日本人で知らない方が、おかしいでしょ?』

「ははっ!天才ですから!あなたの歌、いいっすね!」

『ありがと。この街なら、何でも夢がかないそうな気がしてたんだけど…日本に帰ろうかと思ってたとこ』

「もったいないっす!」

『そうかな…?桜木選手みたいにみんなが夢を叶えられる場所じゃないって…』

「そうかもしれないですけど、ここはニューヨークっす!」

『ふふっ。なんか元気が出てきた。ありがと』

彼女が少し元気になったことがうれしくて、

「さっ、もう一曲!この天才が、あなたの歌の良さを広めるっす!」

そう力強く伝えた。

彼女の澄んだ歌声が、ニューヨーク中に響きますように。

***
Inspired by Jay-Z Feat. Alicia Keys 「Empire State Of Mind」

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