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Puppy love ~Minori Kishimoto

2024/03/06 16:52
待ちに待った豊玉高校の入学式。

小学校から憧れていた、北野さん率いる豊玉高校バスケットボール部。

俺はここのバスケ、ラン&ガンで日本一を目指すんや!

意気揚々と座っていると、入学生代表の挨拶で一人の女子が登壇した。

俺は、その子を一目見た途端…目を奪われた。

少し緊張した彼女の声を聞いて、俺は胸がキュルルンとときめいた。

男の俺がこんなこと言うんは変かも知れんけど、その子の周りだけ、桃色にほわんと色付いているように見えてきて、これが恋に落ちるってやつだと気付く。


あれ?豊玉の制服って水色やんな?

もう、バスケ部のユニフォーム、ピンクのハート柄でもええわ!


頭が混乱して、なんかよう分らんうちに式が終わった。

ぼーっと教室に戻り、担任の説明を聞き、さっそく自己紹介をすることになった。

さっきの一目惚れした女子の事を想っていると、全く同じ声が聞こえきた。

ガタッと思わず席を立つ。

クラス中の視線が集まり、自己紹介していた彼女が不思議そうに俺を見つめている。

「おまえは…岸本。何があったんや?」

担任の声に俺は我に返って、またガタッと席に座った。

「すません!緊張で、俺の番と間違えました!」

はははっとクラスの奴らの笑い声が響く。

俺の片思いの彼女もくすくすと笑って、俺を見ている。

彼女の視線が俺に注がれていると考えるだけで、胸のドキドキが止まらない。

これから、同じクラスで毎日顔を合わせられるなんて、夢みたいや。

俺の桃色の高校生活がこれから始まる。

北野さん、俺、豊玉に入学して、本当に良かったっす!


***
Inspired by 松浦 亜弥 「桃色片思い」

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