診断メーカー結果より【藤真、深津、仙道】
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「忘れたくても、忘れらんねえんだよ!」
そんな荒々しい男のセリフが映画館に響く。
正直、恋愛映画なんて1ミリも興味がない。
彼女が見たいからと誘われて映画館に来たのだが、定番のデートをしているんだと思えば気分はそれほど悪くない。
流行りには疎い俺には出演者の名前は全く分からないが、美男美女が織り成す恋愛模様をどこか白々しい気持ちで見ている。
そんなことより隣の彼女の方が気になって、真剣に映画を見ている彼女の表情ばかりを見てしまう。そ
して、『半分こしようね』と買ったキャラメル味のポップコーンをひたすら口に運ぶ。
半分どころか結構な勢いで食べてしまって残りはわずか…
食べるか聞こうと思ったけれど、物語のクライマックスシーンで彼女に声をかけるわけにはいかない。
隣を見れば、彼女の眼にはキラッと光るものが見える。
この映画に感動しているのはもちろん分かっているけれど、何故か胸がざわざわして目尻に手を伸ばして涙を拭ってあげてしまった。
『ごめん…』
小声で謝った彼女は慌ててハンカチを取り出そうとしているので、そっと俺のハンカチを差し出した。
お礼を言いたげな彼女に、
「終わってから…」
映画のスクリーンを指さして、俺も前を向く。
集中していたのに申し訳ないことをしてしまったと反省してみるけれど、映画にすら嫉妬してしまうくらいに俺は彼女のことを好きなんだと自覚出来たのは良いことなのだろう。
バスケと同じくらい冷静でいられるためには何が必要なのだろうか?
そんなことを考えているうちに、映画のエンディング曲が流れる。
ハッピーエンドで終わった映画の最後までしっかりと見終えたところで、ほっと一息ついた彼女が、
『ありがとう。すっごく感動しちゃった。かずくんにはつまんなかったよね…?』
「そんなことないピョン。名前を見ているだけでおもしろかったピョン。あとこれ、食べ過ぎた…ピョン…」
『やっぱり映画興味なかったかぁ~そんな気はしてたけど……でも、かずくん甘党だし、ポップコーン美味しかったならよかった!全部食べてもよかったのに』
「半分こって言ってたピョン」
俺は、余っていたポップコーンを一つ摘まんで彼女の口の前に差し出すと、すぐにパクって食べてくれた。
『うん、美味しい!かずくんもどうぞ』
彼女も俺が持っていたポップコーンを摘まんで、あーんとしてくれた。
何だかされる方は恥ずかしくて、彼女の指に唇が触れないように歯でそっとポップコーンを噛んで受け取った。
『かずくん、変なとこで恥ずかしがるよね!でもそんなとこが好き!』
そんなことを言われて、ますます恥ずかしくなってしまう。
けれど、そんな風にちょっと変わった俺を好きでいてくれる彼女のことがますます好きになるのだった。
「俺も、好きだ」
すっかり観客のいなくなった客席で俺の声が大きく響いた。
***
2022.5.2.
おりおさんキャラリクありがとうございました!
そんな荒々しい男のセリフが映画館に響く。
正直、恋愛映画なんて1ミリも興味がない。
彼女が見たいからと誘われて映画館に来たのだが、定番のデートをしているんだと思えば気分はそれほど悪くない。
流行りには疎い俺には出演者の名前は全く分からないが、美男美女が織り成す恋愛模様をどこか白々しい気持ちで見ている。
そんなことより隣の彼女の方が気になって、真剣に映画を見ている彼女の表情ばかりを見てしまう。そ
して、『半分こしようね』と買ったキャラメル味のポップコーンをひたすら口に運ぶ。
半分どころか結構な勢いで食べてしまって残りはわずか…
食べるか聞こうと思ったけれど、物語のクライマックスシーンで彼女に声をかけるわけにはいかない。
隣を見れば、彼女の眼にはキラッと光るものが見える。
この映画に感動しているのはもちろん分かっているけれど、何故か胸がざわざわして目尻に手を伸ばして涙を拭ってあげてしまった。
『ごめん…』
小声で謝った彼女は慌ててハンカチを取り出そうとしているので、そっと俺のハンカチを差し出した。
お礼を言いたげな彼女に、
「終わってから…」
映画のスクリーンを指さして、俺も前を向く。
集中していたのに申し訳ないことをしてしまったと反省してみるけれど、映画にすら嫉妬してしまうくらいに俺は彼女のことを好きなんだと自覚出来たのは良いことなのだろう。
バスケと同じくらい冷静でいられるためには何が必要なのだろうか?
そんなことを考えているうちに、映画のエンディング曲が流れる。
ハッピーエンドで終わった映画の最後までしっかりと見終えたところで、ほっと一息ついた彼女が、
『ありがとう。すっごく感動しちゃった。かずくんにはつまんなかったよね…?』
「そんなことないピョン。名前を見ているだけでおもしろかったピョン。あとこれ、食べ過ぎた…ピョン…」
『やっぱり映画興味なかったかぁ~そんな気はしてたけど……でも、かずくん甘党だし、ポップコーン美味しかったならよかった!全部食べてもよかったのに』
「半分こって言ってたピョン」
俺は、余っていたポップコーンを一つ摘まんで彼女の口の前に差し出すと、すぐにパクって食べてくれた。
『うん、美味しい!かずくんもどうぞ』
彼女も俺が持っていたポップコーンを摘まんで、あーんとしてくれた。
何だかされる方は恥ずかしくて、彼女の指に唇が触れないように歯でそっとポップコーンを噛んで受け取った。
『かずくん、変なとこで恥ずかしがるよね!でもそんなとこが好き!』
そんなことを言われて、ますます恥ずかしくなってしまう。
けれど、そんな風にちょっと変わった俺を好きでいてくれる彼女のことがますます好きになるのだった。
「俺も、好きだ」
すっかり観客のいなくなった客席で俺の声が大きく響いた。
***
2022.5.2.
おりおさんキャラリクありがとうございました!