◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*098:明日への扉*鉄男*
年上ヒロインちゃんと付き合ってます。朝チュン描写ありです。
鉄男がベッドから起きたので、時計を見ればまだ昼の12時だ。
鉄男は寝起きの一服もそこそこに着替え始めた。
今日は、私は自身が経営する洋菓子店が定休日だから、一日ゆっくりできる…と思っていたのは私だけのようだ。
昨日の夜遅くに鉄男の部屋に来て、少しのアルコールとたっぷりのセックスを楽しんだのだから、もう少しまどろみたいと思っていたのに。
『髭なんか剃ってどうしたの?』
「ああ、今日はダチの結婚式の二次会に呼ばれちまって」
『鉄男が?』
「…に決まってんだろ」
そういえば、今日は祝日だ。
鉄男も私も土日が休みの仕事ではないから、すっかり忘れていたが、今日はすごく縁起のいい日だと昨日来たお客さんが言っていたのを思い出す。
『行っちゃうの?』
「あぁ」
『寂しいなぁ…なんて』
私の方が年上ではあるけれど、たまにはこんなふうに甘えてみたい日もある。
「そうかよ」
『ついて行っちゃおうかなぁ…』
「いいぜ」
『えぇ!?』
「三井っつって、バカみたいに友達多い奴で、ツレと一緒でもいいっつってたからな」
『さすがに遠慮しておく』
「そうか」
『本当に鉄男はドライだよね』
「そんなつもりはない」
『セックスだけはそうでもないけどね』
鉄男はふっと笑って、私の方を見た。
年下の男のその表情にぎゅっと心をわしづかみにされたのは悔しいけれど、私も同じように笑ってみせた。
付き合うという子供じみたお約束なんてしていないし、好きなんて言葉も交わしたことはないけれど、ツレと鉄男が私のことを言うように私たちは恋人同士だ。
そんな関係になってそれなりに経つけれど、一緒にいる時間が長くなるにつれ、鉄男の表情は穏やかになった気がする。
私も年を重ねて出会った頃より少し穏やかになれた気がしているけれど、鉄男のお陰かもしれない。
この男といると安心して素の自分でいられるのだ。
刹那的な関係から馴れ合うという表現がぴったりの男女の仲になった私達だけれど、今だけじゃなく明日、その先続いていく未来なんかも自然と考えられるようになった。
結婚式という言葉を聞いて、いつかこの男と明日からもずっと一緒を約束しなければならない関係という未知の扉を開くのも悪くないと思える自分になんか笑えてしまう
もし、そんな話をしたとしてもなんだかんだと受け入れてくれそうな予感もあるけれど、今する話でもない。
「そういやあ、名前んとこの菓子、何かねぇ?持っていってやってもいい」
髭を剃って、髪をワックスで無造作に整えた鉄男がベッドサイドに戻ってきて私の髪を撫でた。
『そういうのは、早く言ってよね…何時から?』
「15時」
『んー、今から店行けばギリギリ間に合うかな…』
確かギフト用のお菓子が一箱残っていたはずだし、ラッピングする時間くらいあるだろう。
それにしても、鉄男に結婚式の二次会とはいえ招待してくれる友達がいたことは驚きだ。
行ってもいいと言われて、一旦は断ったもののムクムクと興味が出てくる。
接客業をやっているせいで、業務以外で人と接するのは億劫ではあるのだが……
「バイク飛ばせば間に合うだろ?」
『了解。なんか鉄男の友達に興味わいてきたから、チラッと顔見て帰ろうかな』
「じゃ、俺もすぐ帰る」
『あんたは招待されたんだから、ちゃんと最後までいて帰ったら?』
「気が向いたらだな。じゃ、先外でバイク準備してタバコ吸ってる」
いつもよりこぎれいな格好をして先に出た鉄男を見送って、私も身支度をする。
店にパーティーに行ってもおかしくない服があるから、それに着替えればいいだろう。
急いで服を着替え、化粧をして、外に出た。
春の心地よい陽気は、私達には似合わないけれど、お祝い事にはピッタリだ。
いつかに私がプレゼントしたお揃いのヘルメットをかぶって、バイクにまたがる。
ぎゅっと私がしがみついたのを合図に、鉄男はバイクを走らせた。
鉄男の友達の奥さんが私の店の常連で驚いたのと、この二次会を機に私たちが結婚を意識するようになるのは、もう少しだけ先の話。
***
2023.3.21.
三井の日、みっちゃんの結婚式へ行く鉄男Ver.も書きました~!!
甘い残り香【鉄男】のカップルの世界感です。
年上彼女と鉄男妄想、大好きです~(*ノωノ)
年上ヒロインちゃんと付き合ってます。朝チュン描写ありです。
鉄男がベッドから起きたので、時計を見ればまだ昼の12時だ。
鉄男は寝起きの一服もそこそこに着替え始めた。
今日は、私は自身が経営する洋菓子店が定休日だから、一日ゆっくりできる…と思っていたのは私だけのようだ。
昨日の夜遅くに鉄男の部屋に来て、少しのアルコールとたっぷりのセックスを楽しんだのだから、もう少しまどろみたいと思っていたのに。
『髭なんか剃ってどうしたの?』
「ああ、今日はダチの結婚式の二次会に呼ばれちまって」
『鉄男が?』
「…に決まってんだろ」
そういえば、今日は祝日だ。
鉄男も私も土日が休みの仕事ではないから、すっかり忘れていたが、今日はすごく縁起のいい日だと昨日来たお客さんが言っていたのを思い出す。
『行っちゃうの?』
「あぁ」
『寂しいなぁ…なんて』
私の方が年上ではあるけれど、たまにはこんなふうに甘えてみたい日もある。
「そうかよ」
『ついて行っちゃおうかなぁ…』
「いいぜ」
『えぇ!?』
「三井っつって、バカみたいに友達多い奴で、ツレと一緒でもいいっつってたからな」
『さすがに遠慮しておく』
「そうか」
『本当に鉄男はドライだよね』
「そんなつもりはない」
『セックスだけはそうでもないけどね』
鉄男はふっと笑って、私の方を見た。
年下の男のその表情にぎゅっと心をわしづかみにされたのは悔しいけれど、私も同じように笑ってみせた。
付き合うという子供じみたお約束なんてしていないし、好きなんて言葉も交わしたことはないけれど、ツレと鉄男が私のことを言うように私たちは恋人同士だ。
そんな関係になってそれなりに経つけれど、一緒にいる時間が長くなるにつれ、鉄男の表情は穏やかになった気がする。
私も年を重ねて出会った頃より少し穏やかになれた気がしているけれど、鉄男のお陰かもしれない。
この男といると安心して素の自分でいられるのだ。
刹那的な関係から馴れ合うという表現がぴったりの男女の仲になった私達だけれど、今だけじゃなく明日、その先続いていく未来なんかも自然と考えられるようになった。
結婚式という言葉を聞いて、いつかこの男と明日からもずっと一緒を約束しなければならない関係という未知の扉を開くのも悪くないと思える自分になんか笑えてしまう
もし、そんな話をしたとしてもなんだかんだと受け入れてくれそうな予感もあるけれど、今する話でもない。
「そういやあ、名前んとこの菓子、何かねぇ?持っていってやってもいい」
髭を剃って、髪をワックスで無造作に整えた鉄男がベッドサイドに戻ってきて私の髪を撫でた。
『そういうのは、早く言ってよね…何時から?』
「15時」
『んー、今から店行けばギリギリ間に合うかな…』
確かギフト用のお菓子が一箱残っていたはずだし、ラッピングする時間くらいあるだろう。
それにしても、鉄男に結婚式の二次会とはいえ招待してくれる友達がいたことは驚きだ。
行ってもいいと言われて、一旦は断ったもののムクムクと興味が出てくる。
接客業をやっているせいで、業務以外で人と接するのは億劫ではあるのだが……
「バイク飛ばせば間に合うだろ?」
『了解。なんか鉄男の友達に興味わいてきたから、チラッと顔見て帰ろうかな』
「じゃ、俺もすぐ帰る」
『あんたは招待されたんだから、ちゃんと最後までいて帰ったら?』
「気が向いたらだな。じゃ、先外でバイク準備してタバコ吸ってる」
いつもよりこぎれいな格好をして先に出た鉄男を見送って、私も身支度をする。
店にパーティーに行ってもおかしくない服があるから、それに着替えればいいだろう。
急いで服を着替え、化粧をして、外に出た。
春の心地よい陽気は、私達には似合わないけれど、お祝い事にはピッタリだ。
いつかに私がプレゼントしたお揃いのヘルメットをかぶって、バイクにまたがる。
ぎゅっと私がしがみついたのを合図に、鉄男はバイクを走らせた。
鉄男の友達の奥さんが私の店の常連で驚いたのと、この二次会を機に私たちが結婚を意識するようになるのは、もう少しだけ先の話。
***
2023.3.21.
三井の日、みっちゃんの結婚式へ行く鉄男Ver.も書きました~!!
甘い残り香【鉄男】のカップルの世界感です。
年上彼女と鉄男妄想、大好きです~(*ノωノ)