◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*094:勝負!*池上亮二*
『今日が勝負!』
卒業を目前に控えて、今日こそ意中の相手に告白するんだと意気込んで学校に来た。
その相手は同じクラスの亮ちゃん。
三年間同じクラスで、夫婦みたいだとからかわれる仲の私たちだけど、未だに付き合っていない。
バスケ部を支えてきた大黒柱的な存在で、ディフェンスが得意な彼は、恋愛でもガードが固い。
男子にその言葉を使うのが適切かは分からないけれど、私が匂わせるように告白しても大人びた態度で軽々しく言うなよって頭をポンポンされて終わりだ。
学校から帰るのが遅くなったときに家まで送ってくれたこともあるけれど、手を繋ぐことすらしたことない。
このまま高校を卒業するのは絶対に嫌だと残り少ないチャンスを何とかものにしたい。
気合いをいれて身だしなみを整えて、臨戦態勢で学校へと向かう。
そして、私の好きな彼はすぐ見つけられる。
大柄な魚住くんと毎朝登校しているから…
深呼吸して、その名前を呼ぶ。
『亮ちゃん!』
「お、早いな。おはよう!」
こっちの気も知らないで、爽やかに挨拶をしてくる亮ちゃんは、悔しいけれど今日もかっこいい。
「先、行くな…」
魚住くんは気を遣って二人っきりにしてくれたから、今しかない。
『あの、言いたいことがあるの!』
「何だ?」
『何度も言ってるけどね、私、亮ちゃんが好き』
「……」
亮ちゃんの表情が曇ったのをみて、私はたちまち不安になる。
もしかしたら、亮ちゃんは私のこと…嫌いだったんだろうか?
だとしたら、もっと早く私のこと突っぱねてほしかった…
「すまない」
そっか……やっぱり…
「初めて好きだと言われて、正直動揺している…」
『は…い?』
あんなに毎日、好き好きと態度に出していたのに、亮ちゃんに伝わってなかったということだろうか?
『私、好きって言ったよね?』
「いや、『亮ちゃんの彼女になりたい』は、からかわれてるのだとばかり……」
額に手を当てて立ちすくむ亮ちゃんに私も呆然としてしまう。
『それで、私は亮ちゃんのこと大好きなんだけど、返事、いただけませんか?』
「お、おう。その……なんだ…俺も、好き…です……」
『亮ちゃん!』
私は亮ちゃんに勢い良く抱きついて幸せを噛み締めた。
***
2022.5.9.
『今日が勝負!』
卒業を目前に控えて、今日こそ意中の相手に告白するんだと意気込んで学校に来た。
その相手は同じクラスの亮ちゃん。
三年間同じクラスで、夫婦みたいだとからかわれる仲の私たちだけど、未だに付き合っていない。
バスケ部を支えてきた大黒柱的な存在で、ディフェンスが得意な彼は、恋愛でもガードが固い。
男子にその言葉を使うのが適切かは分からないけれど、私が匂わせるように告白しても大人びた態度で軽々しく言うなよって頭をポンポンされて終わりだ。
学校から帰るのが遅くなったときに家まで送ってくれたこともあるけれど、手を繋ぐことすらしたことない。
このまま高校を卒業するのは絶対に嫌だと残り少ないチャンスを何とかものにしたい。
気合いをいれて身だしなみを整えて、臨戦態勢で学校へと向かう。
そして、私の好きな彼はすぐ見つけられる。
大柄な魚住くんと毎朝登校しているから…
深呼吸して、その名前を呼ぶ。
『亮ちゃん!』
「お、早いな。おはよう!」
こっちの気も知らないで、爽やかに挨拶をしてくる亮ちゃんは、悔しいけれど今日もかっこいい。
「先、行くな…」
魚住くんは気を遣って二人っきりにしてくれたから、今しかない。
『あの、言いたいことがあるの!』
「何だ?」
『何度も言ってるけどね、私、亮ちゃんが好き』
「……」
亮ちゃんの表情が曇ったのをみて、私はたちまち不安になる。
もしかしたら、亮ちゃんは私のこと…嫌いだったんだろうか?
だとしたら、もっと早く私のこと突っぱねてほしかった…
「すまない」
そっか……やっぱり…
「初めて好きだと言われて、正直動揺している…」
『は…い?』
あんなに毎日、好き好きと態度に出していたのに、亮ちゃんに伝わってなかったということだろうか?
『私、好きって言ったよね?』
「いや、『亮ちゃんの彼女になりたい』は、からかわれてるのだとばかり……」
額に手を当てて立ちすくむ亮ちゃんに私も呆然としてしまう。
『それで、私は亮ちゃんのこと大好きなんだけど、返事、いただけませんか?』
「お、おう。その……なんだ…俺も、好き…です……」
『亮ちゃん!』
私は亮ちゃんに勢い良く抱きついて幸せを噛み締めた。
***
2022.5.9.