◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*087:過去からの手紙*藤真健司
お題メーカーより、
fjmのお話は「幸せになってください」という台詞で始まり「あんまり綺麗で、目頭が熱くなった」で終わります。
お借りしました。
『幸せになってください!』
そう叫ぶように言ったのは、俺の卒業式の日に出会った君。
初めて話しかけられたセリフがこれだったんだから、忘れようにも忘れられない。
卒業式を終えて、校門をくぐる前、桜の木の下で名残惜しい気持ちで春風を吸い込んだあの瞬間に声をかけられたことは、昨日のことのように思い出される。
「おう、ありがとな!」
俺が振り向いたら、君はビクッと肩を震わせて目を大きく見開いたんだっけ。
その手に握られた封筒が目について、つい聞いてしまった。
「それ、俺に渡す用?」
『えっと…その……』
君は、しわくちゃになっていた手紙を震える手で必死に伸ばそうとしていた。
その動作は中々終わりそうもなく、「藤真!」と呼ばれたので、俺は君の手から奪い取るように手紙を受け取った。
「住所か電話番号、書いてある?」
君がコクンと頷いたのを確認して、
「返事、待ってろよ!」
と伝えて、呼ばれた方へと走り去った。
これが俺と君との出会い。
卒業式の日に、これ以外にも手紙やプレゼントとかもらった気もするけれど、何にも覚えていない。
その夜に読んだ君からの手紙で、君の名前と共に2つ年下の1年生だったということを知った。
俺に一目惚れしたらしいということも。
何度も渡そうとしたけれど渡せなかったという過去の手紙も入っており、卒業式では涙は出なかったのに、俺の3年生の一年間を見守ってくれていたことがよく分かる温かい内容に涙があふれた。
【この手紙は渡せるか分からないけれど、「幸せになってください」という言葉だけは絶対に藤真先輩に伝えさせてください。】
ラブレターなのに【好き】の二文字が入っていないのは、俺がよく知っている君らしくて笑える。
君に内緒でずっとその手紙は大切に取っておいたんだ。
昨日の夜も、この手紙をこっそりと読んできた。
「新婦様のお支度が出来ましたよ」
そう言われて、君がいる控室の前まできた。
少し緊張して、目を閉じてふっと息を吐き出して、出会った時の君の表情を思い出してからドアを開ける。
『どう…かな?』
「すげぇ、いいよ」
今日のこともきっと忘れられない想い出になるはずだ。
「改めて……俺と一緒に幸せになってください」
『はい』
あの時の君も可愛かったけれど、今日の君はあんまり綺麗で、目頭が熱くなった。
***
こんなお話いかがですかより
fjmのお話は
「幸せになってください」という台詞で始まり「あんまり綺麗で、目頭が熱くなった」で終わります。
のお題もお借りいたしました。
昨年の原作者さまのあのイラストをイメチェンしています。
お題メーカーより、
fjmのお話は「幸せになってください」という台詞で始まり「あんまり綺麗で、目頭が熱くなった」で終わります。
お借りしました。
『幸せになってください!』
そう叫ぶように言ったのは、俺の卒業式の日に出会った君。
初めて話しかけられたセリフがこれだったんだから、忘れようにも忘れられない。
卒業式を終えて、校門をくぐる前、桜の木の下で名残惜しい気持ちで春風を吸い込んだあの瞬間に声をかけられたことは、昨日のことのように思い出される。
「おう、ありがとな!」
俺が振り向いたら、君はビクッと肩を震わせて目を大きく見開いたんだっけ。
その手に握られた封筒が目について、つい聞いてしまった。
「それ、俺に渡す用?」
『えっと…その……』
君は、しわくちゃになっていた手紙を震える手で必死に伸ばそうとしていた。
その動作は中々終わりそうもなく、「藤真!」と呼ばれたので、俺は君の手から奪い取るように手紙を受け取った。
「住所か電話番号、書いてある?」
君がコクンと頷いたのを確認して、
「返事、待ってろよ!」
と伝えて、呼ばれた方へと走り去った。
これが俺と君との出会い。
卒業式の日に、これ以外にも手紙やプレゼントとかもらった気もするけれど、何にも覚えていない。
その夜に読んだ君からの手紙で、君の名前と共に2つ年下の1年生だったということを知った。
俺に一目惚れしたらしいということも。
何度も渡そうとしたけれど渡せなかったという過去の手紙も入っており、卒業式では涙は出なかったのに、俺の3年生の一年間を見守ってくれていたことがよく分かる温かい内容に涙があふれた。
【この手紙は渡せるか分からないけれど、「幸せになってください」という言葉だけは絶対に藤真先輩に伝えさせてください。】
ラブレターなのに【好き】の二文字が入っていないのは、俺がよく知っている君らしくて笑える。
君に内緒でずっとその手紙は大切に取っておいたんだ。
昨日の夜も、この手紙をこっそりと読んできた。
「新婦様のお支度が出来ましたよ」
そう言われて、君がいる控室の前まできた。
少し緊張して、目を閉じてふっと息を吐き出して、出会った時の君の表情を思い出してからドアを開ける。
『どう…かな?』
「すげぇ、いいよ」
今日のこともきっと忘れられない想い出になるはずだ。
「改めて……俺と一緒に幸せになってください」
『はい』
あの時の君も可愛かったけれど、今日の君はあんまり綺麗で、目頭が熱くなった。
***
こんなお話いかがですかより
fjmのお話は
「幸せになってください」という台詞で始まり「あんまり綺麗で、目頭が熱くなった」で終わります。
のお題もお借りいたしました。
昨年の原作者さまのあのイラストをイメチェンしています。