◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*082:流れ星*堀田徳男*
高3、クラスメイト。付き合ってません。
不良の堀田君となら、暗い夜道も怖くは無い。
鬼に金棒、猫に小判……違う違う、虎の威を借る狐の気持ちで自分が強くなった気がして道路の真ん中だって堂々と歩ける気がする。
私自身は、不良でも何でもなくて、ただの堀田君と仲のいいクラスメイト。
高校3年間、堀田君とは一緒のクラスで、高校3年のゴールデンウィーク辺りから急に仲良くなった。
きっかけは、堀田君の大好きな三っちゃんこと三井寿君がバスケ部に復帰したこと。
彼がバスケ部に戻ってきて、体育館に堀田君が練習の見学に毎日のように顔を出すようになったから。
私が所属する女子バレー部も体育館を使うことが多く、自然と顔を合わせる機会が増えて、クラスでも比較的よく話すようになった。
今日はたまたま遅くなった学校帰りに、堀田君が送ってくれるというから、ありがたくお願いしたのだ。
いつもなら、こんなに暗い時間はなるべく急ぎ足で帰るけれど、堀田君と一緒なら、ちょっと不良がたむろしているコンビニにだって立ち寄れてしまう。
飲み物とレジ横のホットスナックを買って、堀田君に付き合ってもらって公園まで足を延ばした。
「帰らなくていいのか?」
『ちょっとだけ、たまには不良みたいに夜遊びに付き合ってくれない?…って夜遊びって時間でもないでしょ?』
公園の時計は、8時半を指している。
良い子の小学生がそろそろ寝始める時間で、高校生にとっては夜遊びというにはまだ早すぎる時間だろう。
「んー、まあ、そうだけどよ……」
ちょっと前まで湘北の番長だと呼ばれていて、私だって近寄りがたかった存在なのに、帰宅時間を心配をする良い子ちゃんキャラのようになっているのは、変な感じだ。
公園のベンチに座って夜空を眺めていると、
「お!星!」
『あ!流れ星!』
ほんの一瞬、外套の明るさに負けないくらいのキラキラした星が空をスーッと滑って消えて行った。
『お願い、した?』
「いや……」
『お願い事は、やっぱり三っちゃん?』
「ん、あ…まぁ、そうかな」
『私は何にしようかな~』
「やっぱり、違うのに……」
『えぇ~!それはきっと三っちゃん悲しむよ』
「そ、そうか…」
さっきから、どうも堀田君の調子がおかしい。
そわそわ落ち着かない様子で、そんな堀田君に私も何だか落ち着かない。
『さっきから、そわそわしてるけど、トイレだった?』
「ち、違う…!」
『じゃあ、もしかして、不良のボスと約束があるとか?…それかか彼女いたりする!?』
「全然……」
堀田君は首を振る。
『まさか、帰りが遅いとお母さんに怒られる…なんてことはないよね?』
堀田君は、また首を振ってふーっと大きく息を吐いた。
「すまねぇ。女子と二人きりで夜の公園っつうのが初めてで、緊張してる……」
『えぇ!?』
まさかの返答に驚いてしまう。
そして、確かに言われてみれば男女の友人とはいえ、夜の公園というのはカップルの聖地みたいなものだ。
遠くのベンチでは、確かにカップルと思われる男女が肩を寄せ合って座っている。
私も急に緊張してきてしまい、変な汗が出てくる。
『ご、ごめん……帰ろっか?』
「お、おう…」
ぎこちなく公園を後にして、私の自宅近くまで堀田君は送ってくれた。
『ありがとう』
「ああ、なんか変なこと言って悪かったな」
『ううん、じゃ、また明日』
「またな…」
後ろ姿を見送る時に、夜空にまた流れ星を見つけた。
(明日また、堀田君といつも通り話せますように…)
私は切に願ったのだった。
私と堀田君の恋が始まるなんてこと…ないよね?
***
2026.9.26.
ちょっと涼しくなるとむさ苦しいのりちゃん摂取したくなるので(о´∀`о)
高3、クラスメイト。付き合ってません。
不良の堀田君となら、暗い夜道も怖くは無い。
鬼に金棒、猫に小判……違う違う、虎の威を借る狐の気持ちで自分が強くなった気がして道路の真ん中だって堂々と歩ける気がする。
私自身は、不良でも何でもなくて、ただの堀田君と仲のいいクラスメイト。
高校3年間、堀田君とは一緒のクラスで、高校3年のゴールデンウィーク辺りから急に仲良くなった。
きっかけは、堀田君の大好きな三っちゃんこと三井寿君がバスケ部に復帰したこと。
彼がバスケ部に戻ってきて、体育館に堀田君が練習の見学に毎日のように顔を出すようになったから。
私が所属する女子バレー部も体育館を使うことが多く、自然と顔を合わせる機会が増えて、クラスでも比較的よく話すようになった。
今日はたまたま遅くなった学校帰りに、堀田君が送ってくれるというから、ありがたくお願いしたのだ。
いつもなら、こんなに暗い時間はなるべく急ぎ足で帰るけれど、堀田君と一緒なら、ちょっと不良がたむろしているコンビニにだって立ち寄れてしまう。
飲み物とレジ横のホットスナックを買って、堀田君に付き合ってもらって公園まで足を延ばした。
「帰らなくていいのか?」
『ちょっとだけ、たまには不良みたいに夜遊びに付き合ってくれない?…って夜遊びって時間でもないでしょ?』
公園の時計は、8時半を指している。
良い子の小学生がそろそろ寝始める時間で、高校生にとっては夜遊びというにはまだ早すぎる時間だろう。
「んー、まあ、そうだけどよ……」
ちょっと前まで湘北の番長だと呼ばれていて、私だって近寄りがたかった存在なのに、帰宅時間を心配をする良い子ちゃんキャラのようになっているのは、変な感じだ。
公園のベンチに座って夜空を眺めていると、
「お!星!」
『あ!流れ星!』
ほんの一瞬、外套の明るさに負けないくらいのキラキラした星が空をスーッと滑って消えて行った。
『お願い、した?』
「いや……」
『お願い事は、やっぱり三っちゃん?』
「ん、あ…まぁ、そうかな」
『私は何にしようかな~』
「やっぱり、違うのに……」
『えぇ~!それはきっと三っちゃん悲しむよ』
「そ、そうか…」
さっきから、どうも堀田君の調子がおかしい。
そわそわ落ち着かない様子で、そんな堀田君に私も何だか落ち着かない。
『さっきから、そわそわしてるけど、トイレだった?』
「ち、違う…!」
『じゃあ、もしかして、不良のボスと約束があるとか?…それかか彼女いたりする!?』
「全然……」
堀田君は首を振る。
『まさか、帰りが遅いとお母さんに怒られる…なんてことはないよね?』
堀田君は、また首を振ってふーっと大きく息を吐いた。
「すまねぇ。女子と二人きりで夜の公園っつうのが初めてで、緊張してる……」
『えぇ!?』
まさかの返答に驚いてしまう。
そして、確かに言われてみれば男女の友人とはいえ、夜の公園というのはカップルの聖地みたいなものだ。
遠くのベンチでは、確かにカップルと思われる男女が肩を寄せ合って座っている。
私も急に緊張してきてしまい、変な汗が出てくる。
『ご、ごめん……帰ろっか?』
「お、おう…」
ぎこちなく公園を後にして、私の自宅近くまで堀田君は送ってくれた。
『ありがとう』
「ああ、なんか変なこと言って悪かったな」
『ううん、じゃ、また明日』
「またな…」
後ろ姿を見送る時に、夜空にまた流れ星を見つけた。
(明日また、堀田君といつも通り話せますように…)
私は切に願ったのだった。
私と堀田君の恋が始まるなんてこと…ないよね?
***
2026.9.26.
ちょっと涼しくなるとむさ苦しいのりちゃん摂取したくなるので(о´∀`о)