◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*081:純白*野辺将広*
大学生。付き合ってます。
「ほい」
大学の講義室で将広から手渡されたのは、可愛い保冷バッグ。
『ん?何?』
「純白のマシュマロ」
『ありがと』
「昨日から考えてたんだが…純白のマシュマロ、良い響きだな…」
私の彼氏の野辺将広は、長い顔を更に長くしたアホ面でニヤリと呟いた。
『どこが?』
「どこがって…純白のマシュマロ、実に良い響きだぞ」
大学生にもなって、頭の中は、中学生だ。
……いや、それじゃあ今どきの中学生に申し訳ないか。
いぶかし気な私の表情に構うことなく、
「それはそうと、開けてみてくれ。ギモーヴと悩んだんだが、生マシュマロにしたんだ。冷たすぎないくらいが美味しいらしいから、保冷剤入れずに持ってきた。そろそろ食べごろだ」
とウキウキした様子で話している。
そう、この男、見た目は大柄坊主の厳ついのに、頭の中は中学生、そしてスイーツが大好きで、べらぼうに詳しいのだ。
ギモーヴなんて、唇をかんで発音しているけれど、それが甘いものであろうことくらいしか私には分からない。
いつもデートでは、こじゃれたスイーツを買うのに付き合わされたり、流行りのカフェに何時間も並ばされたりしている。
バスケやっていなかったら、ケーキ屋でバイトしたいのだそうだ。
私自身は、人並みにスイーツは好きだけれど、この男ほど執着心はない。
というか、彼に会うたびに最新スイーツをおススメされるから、すっかり自分からその類の情報を追う気持ちは無くなっている。
将広はリュックから、水筒(本人はマグボトルだのタンブラーだのオシャレに呼ぶが)を取り出して、
「今日はダージリンティーを入れてきた」
と私の分を渡してくれた。
そして、一旦は私の手に渡っていた保冷バッグを自分の手に戻して、鼻歌交じりに、保冷バッグから箱を取り出す。
個包装のマシュマロを取り出して、私の前と自分の前に一つずつ置いた。
待ちきれないと言わんばかりに自分の分をビリビリと破ると、大きな手でつまみ上げて、
「俺の純白のマシュマロちゃん…」
とうっとり呟いて、一口で口に入れた。
「う…うまい!!」
その幸せそうな顔に私も思わず顔が綻ぶ。
何だかんだ言っても、自分の好きな人が嬉しそうな顔を見るのが嫌いな人なんていないだろう。
『私も食べよっと。写メ撮っとく?』
「いや、今が食べごろだ!すぐ食べるべきだ!」
『はいはい』
言われた通り、包みを開けて取り出そうとするけれど、思った以上にマシュマロは柔らかい。
落とさないように半分口にいれてかじったが、中にトロトロのクリームが入っていてぷにゅっとあふれ出てきた。
『んーー!』
「あぁっ……!」
将広は、私の手をつかんで自分の口の方へ引き寄せ、私の指ごとマシュマロをぱくっと食べた。
ペロリと飲み込むと、
「もったいないことするなよな…」
怒ったようにつぶやいた。
私も慌ててマシュマロを飲み込んで、
『いや、クリーム入ってるなら言ってよね。純白のマシュマロって言うからただのマシュマロだと思うじゃん』
「タダではない」
将広はやれやれといった表情だけれど、私だってやれやれ…と思っている。
折角のマシュマロだってゆっくり味わえなかったし。
そう思っていると、将大がもう一つの包みを破って、
「今度は一口で食べるんだぞ」
マシュマロをつまんで、私の口元へと運んでくれた。
『はーい』
言いたいことは色々あるけれど、その優しさに私はおとなしく口を開けた。
そっと口に入れられたマシュマロを、私は慎重にかみしめる。
とろけるようなマシュマロと中のなめらかなクリームが最高だ。
『おいしー』
「だろ?」
満足げな表情で、最後の一つのマシュマロを将広はパクっと食べた。
「っし、今日は練習終わったら、駅前の新しくできたケーキ屋に行く。一緒に行くか?」
『はい?今、マシュマロ食べたじゃん』
「これは、前菜的なアレだ」
『んーどうしよっかなぁ…』
「頼む!初めての店は一人じゃ行きづらいんだ!」
両手で拝まれた私は、
『仕方ないなぁー』
そういうより仕方がない。
まだまだスイーツ好きな彼氏を持つ私の幸せな苦労は続く。
***
2023.3.18.
純白のマシュマロというワードが頭から離れなかったので…
野辺くんは、スイーツ大好き男子であってほしい妄想。
大学生。付き合ってます。
「ほい」
大学の講義室で将広から手渡されたのは、可愛い保冷バッグ。
『ん?何?』
「純白のマシュマロ」
『ありがと』
「昨日から考えてたんだが…純白のマシュマロ、良い響きだな…」
私の彼氏の野辺将広は、長い顔を更に長くしたアホ面でニヤリと呟いた。
『どこが?』
「どこがって…純白のマシュマロ、実に良い響きだぞ」
大学生にもなって、頭の中は、中学生だ。
……いや、それじゃあ今どきの中学生に申し訳ないか。
いぶかし気な私の表情に構うことなく、
「それはそうと、開けてみてくれ。ギモーヴと悩んだんだが、生マシュマロにしたんだ。冷たすぎないくらいが美味しいらしいから、保冷剤入れずに持ってきた。そろそろ食べごろだ」
とウキウキした様子で話している。
そう、この男、見た目は大柄坊主の厳ついのに、頭の中は中学生、そしてスイーツが大好きで、べらぼうに詳しいのだ。
ギモーヴなんて、唇をかんで発音しているけれど、それが甘いものであろうことくらいしか私には分からない。
いつもデートでは、こじゃれたスイーツを買うのに付き合わされたり、流行りのカフェに何時間も並ばされたりしている。
バスケやっていなかったら、ケーキ屋でバイトしたいのだそうだ。
私自身は、人並みにスイーツは好きだけれど、この男ほど執着心はない。
というか、彼に会うたびに最新スイーツをおススメされるから、すっかり自分からその類の情報を追う気持ちは無くなっている。
将広はリュックから、水筒(本人はマグボトルだのタンブラーだのオシャレに呼ぶが)を取り出して、
「今日はダージリンティーを入れてきた」
と私の分を渡してくれた。
そして、一旦は私の手に渡っていた保冷バッグを自分の手に戻して、鼻歌交じりに、保冷バッグから箱を取り出す。
個包装のマシュマロを取り出して、私の前と自分の前に一つずつ置いた。
待ちきれないと言わんばかりに自分の分をビリビリと破ると、大きな手でつまみ上げて、
「俺の純白のマシュマロちゃん…」
とうっとり呟いて、一口で口に入れた。
「う…うまい!!」
その幸せそうな顔に私も思わず顔が綻ぶ。
何だかんだ言っても、自分の好きな人が嬉しそうな顔を見るのが嫌いな人なんていないだろう。
『私も食べよっと。写メ撮っとく?』
「いや、今が食べごろだ!すぐ食べるべきだ!」
『はいはい』
言われた通り、包みを開けて取り出そうとするけれど、思った以上にマシュマロは柔らかい。
落とさないように半分口にいれてかじったが、中にトロトロのクリームが入っていてぷにゅっとあふれ出てきた。
『んーー!』
「あぁっ……!」
将広は、私の手をつかんで自分の口の方へ引き寄せ、私の指ごとマシュマロをぱくっと食べた。
ペロリと飲み込むと、
「もったいないことするなよな…」
怒ったようにつぶやいた。
私も慌ててマシュマロを飲み込んで、
『いや、クリーム入ってるなら言ってよね。純白のマシュマロって言うからただのマシュマロだと思うじゃん』
「タダではない」
将広はやれやれといった表情だけれど、私だってやれやれ…と思っている。
折角のマシュマロだってゆっくり味わえなかったし。
そう思っていると、将大がもう一つの包みを破って、
「今度は一口で食べるんだぞ」
マシュマロをつまんで、私の口元へと運んでくれた。
『はーい』
言いたいことは色々あるけれど、その優しさに私はおとなしく口を開けた。
そっと口に入れられたマシュマロを、私は慎重にかみしめる。
とろけるようなマシュマロと中のなめらかなクリームが最高だ。
『おいしー』
「だろ?」
満足げな表情で、最後の一つのマシュマロを将広はパクっと食べた。
「っし、今日は練習終わったら、駅前の新しくできたケーキ屋に行く。一緒に行くか?」
『はい?今、マシュマロ食べたじゃん』
「これは、前菜的なアレだ」
『んーどうしよっかなぁ…』
「頼む!初めての店は一人じゃ行きづらいんだ!」
両手で拝まれた私は、
『仕方ないなぁー』
そういうより仕方がない。
まだまだスイーツ好きな彼氏を持つ私の幸せな苦労は続く。
***
2023.3.18.
純白のマシュマロというワードが頭から離れなかったので…
野辺くんは、スイーツ大好き男子であってほしい妄想。