◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*067:独りで泣いた夜*
インターハイ予選のインターハイ出場がかかる大事な一戦。
監督不在の湘北高校に負けて、インターハイ出場を逃した。
目をかけていた魚住は、この夏でバスケから離れることを知っていたからこそ、全国に連れて行ってやりたかった。
「敗因はこの私!」
インタビューでも答えた通り、全ては俺の責任だ。
あの時ああすれば…何度も試合の一場面がよみがえって、自責の念が押し寄せる。
暗い部屋で独り、酒でも飲めば紛れるかと買ってきた度数の強い酒をあおっても、中々酔えそうにない。
何度も涙があふれて、ゴミ箱にティッシュの山が出来ている。
電話が鳴って、ディスプレイには名前の表示。
今日は、独りで泣きたいんだから放って置いてくれという気持ちと、誰かに話を聞いて欲しいという相反する気持ちに中々受話器を取ることが出来ない。
何回か呼び出し音が鳴った後に、留守電に切り替わる。
『…もしもし。茂一くん?試合、お疲れ様。話したくなったらでいいから、電話…待ってるね』
いつまでたっても結婚を決めないままもう10年の付き合いになろうかという名前は、一番の俺の理解者だ。
そんな彼女の優しさが、今はちょっと辛くもある。
情けない男だって、嫌でも分かってしまうから。
月に一度会えればいい方な関係に文句を言うこともなく、いつもニコニコと俺との関係は気楽で楽しくていいんだって言ってくれる。
試合の応援や差し入れも俺が気を使わない程度にさりげなく。
…だから、もう少し今夜は独りで泣かせてくれ。
そしたら、少しは素直になれるだろうか。
この涙の後に君を迎えに行きたい。
***
2022.4.22.
インターハイ予選のインターハイ出場がかかる大事な一戦。
監督不在の湘北高校に負けて、インターハイ出場を逃した。
目をかけていた魚住は、この夏でバスケから離れることを知っていたからこそ、全国に連れて行ってやりたかった。
「敗因はこの私!」
インタビューでも答えた通り、全ては俺の責任だ。
あの時ああすれば…何度も試合の一場面がよみがえって、自責の念が押し寄せる。
暗い部屋で独り、酒でも飲めば紛れるかと買ってきた度数の強い酒をあおっても、中々酔えそうにない。
何度も涙があふれて、ゴミ箱にティッシュの山が出来ている。
電話が鳴って、ディスプレイには名前の表示。
今日は、独りで泣きたいんだから放って置いてくれという気持ちと、誰かに話を聞いて欲しいという相反する気持ちに中々受話器を取ることが出来ない。
何回か呼び出し音が鳴った後に、留守電に切り替わる。
『…もしもし。茂一くん?試合、お疲れ様。話したくなったらでいいから、電話…待ってるね』
いつまでたっても結婚を決めないままもう10年の付き合いになろうかという名前は、一番の俺の理解者だ。
そんな彼女の優しさが、今はちょっと辛くもある。
情けない男だって、嫌でも分かってしまうから。
月に一度会えればいい方な関係に文句を言うこともなく、いつもニコニコと俺との関係は気楽で楽しくていいんだって言ってくれる。
試合の応援や差し入れも俺が気を使わない程度にさりげなく。
…だから、もう少し今夜は独りで泣かせてくれ。
そしたら、少しは素直になれるだろうか。
この涙の後に君を迎えに行きたい。
***
2022.4.22.