◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*063:ささやかな幸せ*藤真健司*
社パロ。同棲しています。
「無理すんなよ!」
『健司は心配しすぎだって。トイレくらい一人で大丈夫!』
「ここで待ってるからな!」
自宅のトイレの扉の前で健司は待機してくれているけれど、勘弁してほしい。
そもそも、私が姪っ子と鬼ごっこをしていたら、段差で足をひねって捻挫してしまい、足を引きずってしか歩けなくなったのが原因だ。
実家で足が痛くて帰れないでいる私を迎えに来て、車までもおんぶで運んでくれ、次の日も仕事を休んで病院へと連れて行ってくれた。
それには感謝しているけれど、診察の結果、骨折ではなく捻挫で、松葉づえが無くても歩けるくらいに平気なのだ。
サポーターを巻いて安静にしてくださいと湿布を出されただけだし、確かに痛いけれど一人でも本当に平気だ。
なのに、部屋の中ですらおんぶやお姫様抱っこで移動させてくれようとする。
逆に危ないし、そこまで過保護にならなくてもいいのでは?と思っている。
トイレを終えて、ゆっくり立ち上がる。
左足に力をかけないようにそっとスカートを上げようとしたけれど、運悪く裾を足で踏んでおり、体制を崩してしまう。
『痛いっ!』
「おい、大丈夫か!?」
ガチャガチャと鍵を壊しそうな勢いの健司に、
『ちょっと体制崩しただけだから…』
「いいから開けろって!」
『大丈夫だから!』
痛む足より慌てている健司をおちつかせないと…
足を労わってゆっくりなんてしてもいられず、スカートを履いて急いでドアを開ける。
「名前…!」
健司は私が開けたドアに押される格好になり、その勢いでしりもちをついてしまったようだ。
『健司…っ……ふはははは!』
あまりに間抜けな様子に笑ってしまう。
「名前…無事ならよかった…」
『もう…なんか健司って、娘なんかが出来たらめちゃくちゃ過保護になりそう…』
自然と自分と健司が将来結婚して、子どもを持つことを思い浮かべていた。
「娘…ってことは結婚だな!」
『えっと…そういうことに……なります?』
「当たり前だろ!」
そんな風に健司も将来を考えてくれていたことに、足の痛みをしばし忘れて嬉しくなってくる。
まぁ、色々と大変そうだけれど、ささやかなことも健司となら大きな幸せに感じられそうだよな。
「っつうことで、俺の大切な将来の嫁さんの足が早く治るように…」
膝裏を抱えられたかと思うと、お姫様抱っこされてしまった。
『もう…!』
呆れながらも、私は健司の洋服をぎゅっと握りしめたのだった。
***
2022.11.26.
自分が捻挫したので、捻挫記念に。皆様もお子様との鬼ごっこはお気を付けくださいませ!
ネタ提供:如月さんありがとー!
社パロ。同棲しています。
「無理すんなよ!」
『健司は心配しすぎだって。トイレくらい一人で大丈夫!』
「ここで待ってるからな!」
自宅のトイレの扉の前で健司は待機してくれているけれど、勘弁してほしい。
そもそも、私が姪っ子と鬼ごっこをしていたら、段差で足をひねって捻挫してしまい、足を引きずってしか歩けなくなったのが原因だ。
実家で足が痛くて帰れないでいる私を迎えに来て、車までもおんぶで運んでくれ、次の日も仕事を休んで病院へと連れて行ってくれた。
それには感謝しているけれど、診察の結果、骨折ではなく捻挫で、松葉づえが無くても歩けるくらいに平気なのだ。
サポーターを巻いて安静にしてくださいと湿布を出されただけだし、確かに痛いけれど一人でも本当に平気だ。
なのに、部屋の中ですらおんぶやお姫様抱っこで移動させてくれようとする。
逆に危ないし、そこまで過保護にならなくてもいいのでは?と思っている。
トイレを終えて、ゆっくり立ち上がる。
左足に力をかけないようにそっとスカートを上げようとしたけれど、運悪く裾を足で踏んでおり、体制を崩してしまう。
『痛いっ!』
「おい、大丈夫か!?」
ガチャガチャと鍵を壊しそうな勢いの健司に、
『ちょっと体制崩しただけだから…』
「いいから開けろって!」
『大丈夫だから!』
痛む足より慌てている健司をおちつかせないと…
足を労わってゆっくりなんてしてもいられず、スカートを履いて急いでドアを開ける。
「名前…!」
健司は私が開けたドアに押される格好になり、その勢いでしりもちをついてしまったようだ。
『健司…っ……ふはははは!』
あまりに間抜けな様子に笑ってしまう。
「名前…無事ならよかった…」
『もう…なんか健司って、娘なんかが出来たらめちゃくちゃ過保護になりそう…』
自然と自分と健司が将来結婚して、子どもを持つことを思い浮かべていた。
「娘…ってことは結婚だな!」
『えっと…そういうことに……なります?』
「当たり前だろ!」
そんな風に健司も将来を考えてくれていたことに、足の痛みをしばし忘れて嬉しくなってくる。
まぁ、色々と大変そうだけれど、ささやかなことも健司となら大きな幸せに感じられそうだよな。
「っつうことで、俺の大切な将来の嫁さんの足が早く治るように…」
膝裏を抱えられたかと思うと、お姫様抱っこされてしまった。
『もう…!』
呆れながらも、私は健司の洋服をぎゅっと握りしめたのだった。
***
2022.11.26.
自分が捻挫したので、捻挫記念に。皆様もお子様との鬼ごっこはお気を付けくださいませ!
ネタ提供:如月さんありがとー!