◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*058:歯ブラシ*同棲中。社パロ。
『寿の歯ブラシ、ボサボサ過ぎじゃない?』
「あー、丁寧に磨いてっからな」
洗面台に二つならんだ歯ブラシは、色違いだけど同じ方向を向いていて仲良しみたいでちょっと嬉しい。
でも、私の比べて寿のは大分左右に開いていて、これじゃあ綺麗に歯を磨けていないだろう。
軽く握って汚れを掻き出す方が綺麗に磨けるとついこの間かかった歯医者さんで教わったばかりだ。
『寿、いーってして?』
「んだよ?いーー」
『あ、前歯、青のり付いてるよ』
「マジ?」
『鏡見る?それとも差し歯取って確認する?』
「おまえなー」
頭をガシガシ掻きながら寿は洗面台へと向かってくる。
私はボサボサの歯ブラシをゴミ箱に捨て、新しい歯ブラシを差し出して、
『優しく磨かないと歯の汚れは落ちないって…』
「ん?付いてなくね?」
全く私の話なんか聞いていないように鏡を見ながら、ガシガシと歯を磨き始めた。
『もー、だからもっと優しく磨かないと…』
「ふ、が?」
アワアワの口をこちらに向けてくる。
『歯磨き粉だって使いすぎ…』
もがもがと言っているけれど、恐らく「別に良いだろ」というようなことを言っているのだろう。
お手本を見せてやろうと自分の歯ブラシを手にとって、歯磨き粉を適量のせて、シャカシャカと磨き始める。
広くはない洗面所に二人でならんで、ガシガシ、シャカシャカと音を立てて磨いている時間は、悪くはない。
寿が先に口をゆすいで、寿は差し歯を外してお手入れをする。
私は自分の歯を磨きながら、その様子を見るともなしに眺めてみえry。
『歯医者でブリッジにしないの?』なんて前に聞いたこともあるけれど、自分への過去の戒めだから差し歯で良いのだそうだ。
寿が終わってから、私も口をゆすいで、歯ブラシホルダーに歯ブラシ立て掛ける。
新しいのに寿の歯ブラシは先が少し開いているけれど、まぁいいか。
これから先も、私の歯ブラシの横に寿のボサボサの歯ブラシがあって、ゆくゆくはここに小さな歯ブラシが追加されて…なんてことを想像して、一人小さく笑ってみた。
こんな風に幸せがずっと続きますように――
***
2022.11.04.
Twitterのリプ欄でのやりとりから妄想して書かせていただきました。
『寿の歯ブラシ、ボサボサ過ぎじゃない?』
「あー、丁寧に磨いてっからな」
洗面台に二つならんだ歯ブラシは、色違いだけど同じ方向を向いていて仲良しみたいでちょっと嬉しい。
でも、私の比べて寿のは大分左右に開いていて、これじゃあ綺麗に歯を磨けていないだろう。
軽く握って汚れを掻き出す方が綺麗に磨けるとついこの間かかった歯医者さんで教わったばかりだ。
『寿、いーってして?』
「んだよ?いーー」
『あ、前歯、青のり付いてるよ』
「マジ?」
『鏡見る?それとも差し歯取って確認する?』
「おまえなー」
頭をガシガシ掻きながら寿は洗面台へと向かってくる。
私はボサボサの歯ブラシをゴミ箱に捨て、新しい歯ブラシを差し出して、
『優しく磨かないと歯の汚れは落ちないって…』
「ん?付いてなくね?」
全く私の話なんか聞いていないように鏡を見ながら、ガシガシと歯を磨き始めた。
『もー、だからもっと優しく磨かないと…』
「ふ、が?」
アワアワの口をこちらに向けてくる。
『歯磨き粉だって使いすぎ…』
もがもがと言っているけれど、恐らく「別に良いだろ」というようなことを言っているのだろう。
お手本を見せてやろうと自分の歯ブラシを手にとって、歯磨き粉を適量のせて、シャカシャカと磨き始める。
広くはない洗面所に二人でならんで、ガシガシ、シャカシャカと音を立てて磨いている時間は、悪くはない。
寿が先に口をゆすいで、寿は差し歯を外してお手入れをする。
私は自分の歯を磨きながら、その様子を見るともなしに眺めてみえry。
『歯医者でブリッジにしないの?』なんて前に聞いたこともあるけれど、自分への過去の戒めだから差し歯で良いのだそうだ。
寿が終わってから、私も口をゆすいで、歯ブラシホルダーに歯ブラシ立て掛ける。
新しいのに寿の歯ブラシは先が少し開いているけれど、まぁいいか。
これから先も、私の歯ブラシの横に寿のボサボサの歯ブラシがあって、ゆくゆくはここに小さな歯ブラシが追加されて…なんてことを想像して、一人小さく笑ってみた。
こんな風に幸せがずっと続きますように――
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2022.11.04.
Twitterのリプ欄でのやりとりから妄想して書かせていただきました。