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*043:幼馴染み*牧紳一*
近所に住んでる幼馴染み、高校三年生。お互いに同じ年の妹(小6)がいる捏造設定注意。牧さんでてきません。
高3の夏休みが始まった。
夏休みと言っても大学受験が本格化し、学校の補習と塾でぎっしりの毎日で、いつもよりもちょっとだけゆっくり寝られるくらいしか楽しみがない。
時計を確認すれば、8時半。今日は午後から予備校なので、もう一眠り出来る時間だ。
眠ければまた寝ようと、とりあえずリビングへと降りた。
「おねーちゃん、遅すぎ」
日によく焼けた小学生の妹はすでに起きて、アイスを食べている。
「お母さんは?」
「仕事行ったよ」
『そっか。ねーちゃんは、今日は午後から塾に行ってくるからもう少し寝ようかなー?』
「まだ寝るの?私はちゃんと朝起きてラジオ体操行ったのに」
『げ、ラジオ体操ってまだあるんだ』
「うん、ほら、ポケモンのカードももらえたよ!」
『ま、頑張って』
「お姉ちゃんも行けば?紳一くんも来てたよ。真っ黒だった」
『紳一くん!?』
「うん。お姉ちゃんは元気か?って言ってたよ」
『喋ったの?』
「うん。友達だもん」
『友達ね~』
我が家と牧家は、共に高3と小6という少し離れた年の子どもがいるご近所同士だ。
もちろん親同士も仲がいいし、妹同士も仲がいい。
私と紳一くんは小・中と何回か一緒のクラスにもなったし、昔は毎日のように顔を合わせてはいたけれど、異性同士ということもあり、幼馴染みではあっても、ものすごく仲がいいという訳でも無い。
それに、中学からバスケで活躍している紳一くんとは、徐々に疎遠になり、高校になってから3年間、顔を合わせたのは数えるほどしかない。
会う度に逞しくなって、目が合うとドキっとしてしまうから、挨拶くらいでそそくさと逃げるように避けてしまっている紳一くんのことを、今までみたいに気安く紳一くんと呼んでいいのかすらちょっと怪しい関係になっている。
かといって、牧さんってよそよそしく呼ぶのも変だし、なんとも難しい関係だ。
母親から聞いた情報では、海南のバスケ部の主将で、全国大会にまで出る実力だというから、ますます遠い存在になっている。
でも、毎日受験勉強ばかりで楽しみがない私にとっては、ラジオ体操で紳一くんに会うのも悪くないかもしれない。
『紳一くんがいるなら、ラジオ体操行こうかな~』
「お姉ちゃん行くと、紳一くん喜ぶよ」
『なんで?』
「だってぇ……やっぱ、秘密!」
ニヤニヤ笑って、言うのを止めた妹の言葉の続きが気になる。
『なんか気になるなぁ~』
「でも、秘密ねって言われてるから」
恐らくお互いの妹同士、秘密ねーと約束していることは簡単に予想がつくし、我が妹はその秘密を本当は喋りたくて仕方がないことも手に取るように分かる。
もう一押しすれば、教えてくれそうだ。
『何でか教えて。絶対、紳一くんにも言わないし。そうだ、教えてくれたらお菓子買ってあげようかなぁ~』
「本当!?」
まだまだ小6はチョロい。
駄菓子で簡単に釣れるんだから。
「あのね…紳一くん、お姉ちゃんのこと……可愛いって思ってるらしいよ。もしかしたら、好きなんじゃないかって私達、噂してるの」
『はぁ?』
全く予想していなかった言葉に開いた口が塞がらない。
妹は、秘密を喋ってしまったことで、ちょっと恥ずかしそうにしているけれど、冗談じゃない。
聞かなきゃよかった。
「お姉ちゃん、絶対に、秘密だからね。お母さんにラジオ体操のこと言っとく?あと、いつお菓子買いに行く?」
『あ、うんと…ちょっと、ムリ』
「お姉ちゃん!お菓子絶対買ってよね?」
妹は睨みつけてくるけれど、私はそれどころではない。
こんなとんでもない秘密を知ってしまって、私はラジオ体操に行かなくてはいけないのだろうか?
まだ、夏休みは始まったばかりなのに――
***
2023.7.28.
ラジオ体操お疲れ自分(子ども会で5日間連続早起き)で書いたお話。
高校生になっても妹思いな牧さん、好きです!
近所に住んでる幼馴染み、高校三年生。お互いに同じ年の妹(小6)がいる捏造設定注意。牧さんでてきません。
高3の夏休みが始まった。
夏休みと言っても大学受験が本格化し、学校の補習と塾でぎっしりの毎日で、いつもよりもちょっとだけゆっくり寝られるくらいしか楽しみがない。
時計を確認すれば、8時半。今日は午後から予備校なので、もう一眠り出来る時間だ。
眠ければまた寝ようと、とりあえずリビングへと降りた。
「おねーちゃん、遅すぎ」
日によく焼けた小学生の妹はすでに起きて、アイスを食べている。
「お母さんは?」
「仕事行ったよ」
『そっか。ねーちゃんは、今日は午後から塾に行ってくるからもう少し寝ようかなー?』
「まだ寝るの?私はちゃんと朝起きてラジオ体操行ったのに」
『げ、ラジオ体操ってまだあるんだ』
「うん、ほら、ポケモンのカードももらえたよ!」
『ま、頑張って』
「お姉ちゃんも行けば?紳一くんも来てたよ。真っ黒だった」
『紳一くん!?』
「うん。お姉ちゃんは元気か?って言ってたよ」
『喋ったの?』
「うん。友達だもん」
『友達ね~』
我が家と牧家は、共に高3と小6という少し離れた年の子どもがいるご近所同士だ。
もちろん親同士も仲がいいし、妹同士も仲がいい。
私と紳一くんは小・中と何回か一緒のクラスにもなったし、昔は毎日のように顔を合わせてはいたけれど、異性同士ということもあり、幼馴染みではあっても、ものすごく仲がいいという訳でも無い。
それに、中学からバスケで活躍している紳一くんとは、徐々に疎遠になり、高校になってから3年間、顔を合わせたのは数えるほどしかない。
会う度に逞しくなって、目が合うとドキっとしてしまうから、挨拶くらいでそそくさと逃げるように避けてしまっている紳一くんのことを、今までみたいに気安く紳一くんと呼んでいいのかすらちょっと怪しい関係になっている。
かといって、牧さんってよそよそしく呼ぶのも変だし、なんとも難しい関係だ。
母親から聞いた情報では、海南のバスケ部の主将で、全国大会にまで出る実力だというから、ますます遠い存在になっている。
でも、毎日受験勉強ばかりで楽しみがない私にとっては、ラジオ体操で紳一くんに会うのも悪くないかもしれない。
『紳一くんがいるなら、ラジオ体操行こうかな~』
「お姉ちゃん行くと、紳一くん喜ぶよ」
『なんで?』
「だってぇ……やっぱ、秘密!」
ニヤニヤ笑って、言うのを止めた妹の言葉の続きが気になる。
『なんか気になるなぁ~』
「でも、秘密ねって言われてるから」
恐らくお互いの妹同士、秘密ねーと約束していることは簡単に予想がつくし、我が妹はその秘密を本当は喋りたくて仕方がないことも手に取るように分かる。
もう一押しすれば、教えてくれそうだ。
『何でか教えて。絶対、紳一くんにも言わないし。そうだ、教えてくれたらお菓子買ってあげようかなぁ~』
「本当!?」
まだまだ小6はチョロい。
駄菓子で簡単に釣れるんだから。
「あのね…紳一くん、お姉ちゃんのこと……可愛いって思ってるらしいよ。もしかしたら、好きなんじゃないかって私達、噂してるの」
『はぁ?』
全く予想していなかった言葉に開いた口が塞がらない。
妹は、秘密を喋ってしまったことで、ちょっと恥ずかしそうにしているけれど、冗談じゃない。
聞かなきゃよかった。
「お姉ちゃん、絶対に、秘密だからね。お母さんにラジオ体操のこと言っとく?あと、いつお菓子買いに行く?」
『あ、うんと…ちょっと、ムリ』
「お姉ちゃん!お菓子絶対買ってよね?」
妹は睨みつけてくるけれど、私はそれどころではない。
こんなとんでもない秘密を知ってしまって、私はラジオ体操に行かなくてはいけないのだろうか?
まだ、夏休みは始まったばかりなのに――
***
2023.7.28.
ラジオ体操お疲れ自分(子ども会で5日間連続早起き)で書いたお話。
高校生になっても妹思いな牧さん、好きです!