◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*004:仔犬*清田信長*
高校生、夢主ちゃんと出会うお話。
「くすぐってぇ!」
部活の帰り道、俺の足元にじゃれついてきた仔犬を抱き上げると、顔をペロペロと舐られた。
「おめぇはどっから逃げてきたんだ?」
その問いに答えるはずもなく、仔犬は尻尾を降ってもっと遊んでと言わんばかりだ。
「リードも着いたまんまだから、散歩中に逃げてきたんだな?心配してるぞ!」
辺りを見回しても飼い主らしき人は見当たらない。
「交番行くか…」
また駅に戻ることになるけれど仕方がない。
抱いていた仔犬を下ろして、リードを持つと、嬉しそうに走り出した。
「よっしゃ!」
引っ張られた方向は少し遠回りだが、こんなに嬉しそうに走っているのを引っ張って止めるのも可愛そうで、上手いこと交番の方向に向かうように誘導する。
交番の近くまで来ると、ますます元気になった仔犬は、俺をせかすように走った。
『あっ!いた!!』
嬉しそうな声の女の子にその仔犬は飛びついた。
『ありがとうございます!』
「いえ、たまたま捕まえたんで……」
『…清田信長くん??』
「俺のこと…なんで?」
『同じ高校だから…』
「まじで!」
こんなかわいい子のこと、今まで知らなかったなんて…という言葉を飲み込んで、
「俺もさ、犬飼ってるから、今度一緒に散歩でも…あ、クラスと名前も教えてよ!」
早口でまくしたてるように聞いてしまう。
犬を抱えたままくすくすと笑っている女の子の可愛らしさに、変なこと言っちまったと顔が赤くなる。
『清田くんって面白いんだね!』
「いや、カッコいいって言われてぇ!」
思わず言ってしまった本音に、女の子の飼い犬もワンとひと吠えするから、からかわれているみたいだ。
『この子も、面白いって言ってるみたい』
女の子の笑顔にきゅって胸を締め付けられる気持ちになるのは、恋に落ちるってやつなのか?
あまりにも唐突に訪れた恋する気持ちに俺はしばらく振り回されそうだと無意識にリードにかじりつこうとしているのを見られて、またクスクスと笑われたのだった。
***
2022.4.20.
高校生、夢主ちゃんと出会うお話。
「くすぐってぇ!」
部活の帰り道、俺の足元にじゃれついてきた仔犬を抱き上げると、顔をペロペロと舐られた。
「おめぇはどっから逃げてきたんだ?」
その問いに答えるはずもなく、仔犬は尻尾を降ってもっと遊んでと言わんばかりだ。
「リードも着いたまんまだから、散歩中に逃げてきたんだな?心配してるぞ!」
辺りを見回しても飼い主らしき人は見当たらない。
「交番行くか…」
また駅に戻ることになるけれど仕方がない。
抱いていた仔犬を下ろして、リードを持つと、嬉しそうに走り出した。
「よっしゃ!」
引っ張られた方向は少し遠回りだが、こんなに嬉しそうに走っているのを引っ張って止めるのも可愛そうで、上手いこと交番の方向に向かうように誘導する。
交番の近くまで来ると、ますます元気になった仔犬は、俺をせかすように走った。
『あっ!いた!!』
嬉しそうな声の女の子にその仔犬は飛びついた。
『ありがとうございます!』
「いえ、たまたま捕まえたんで……」
『…清田信長くん??』
「俺のこと…なんで?」
『同じ高校だから…』
「まじで!」
こんなかわいい子のこと、今まで知らなかったなんて…という言葉を飲み込んで、
「俺もさ、犬飼ってるから、今度一緒に散歩でも…あ、クラスと名前も教えてよ!」
早口でまくしたてるように聞いてしまう。
犬を抱えたままくすくすと笑っている女の子の可愛らしさに、変なこと言っちまったと顔が赤くなる。
『清田くんって面白いんだね!』
「いや、カッコいいって言われてぇ!」
思わず言ってしまった本音に、女の子の飼い犬もワンとひと吠えするから、からかわれているみたいだ。
『この子も、面白いって言ってるみたい』
女の子の笑顔にきゅって胸を締め付けられる気持ちになるのは、恋に落ちるってやつなのか?
あまりにも唐突に訪れた恋する気持ちに俺はしばらく振り回されそうだと無意識にリードにかじりつこうとしているのを見られて、またクスクスと笑われたのだった。
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2022.4.20.