◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*031:傘*森重寛*
付き合ってます。
『あ、雨…』
ぽつりぽつりと降り始めた雨に、私は折り畳み傘を取り出した。
隣をのそりのそりと歩く寛に差し出した。
寛は、無言で受け取ると、傘を開いて私に返してきた。
『相合傘、しよ?』
そういうけれど、寛は首を振って、私だけが濡れないように傘をさしてくれる。
「でけぇから、名前が濡れちまう」
『そっか…』
デカすぎる彼氏を持つと、相合傘は出来ないのか…
しょんぼりした気持ちでいると、寛は自分のジャージの裾を持ち上げて、私の頭と肩にかかるようにかぶせてくれた。
そして、自分は私の傘をさす。
「どうだ?」
『へへっ。寛の匂いがする~』
「あ?」
こんな風に歩いているといつも私の声は寛に届かないけれど、ちょっと恥ずかしいこと言っちゃったって思ってるから、良かったことにする。
より密着するように寛にくっついて歩く。
でかい彼氏との相合傘は出来ないけど、こんな幸せな雨の日を過ごせるなら、やっぱりこの怪物みたいな彼氏で良かったな…って考えてみる。
そして、傍から見たら、でかい男が一人で女ものの可愛い柄の傘をさしているように見えるんだろうなってことが可笑しくてたまらない。
くくって笑いながら歩いていると、肩を抱き寄せられる。
「また、変なこと考えてただろ?」
『正解でーす!』
ふんっと呆れたため息が聞こえるけれど、気付かないふりをする。
それでもジャージから私を追い出さないくらいすっごく優しいのを私は知っている。
***
2022.4.19.
付き合ってます。
『あ、雨…』
ぽつりぽつりと降り始めた雨に、私は折り畳み傘を取り出した。
隣をのそりのそりと歩く寛に差し出した。
寛は、無言で受け取ると、傘を開いて私に返してきた。
『相合傘、しよ?』
そういうけれど、寛は首を振って、私だけが濡れないように傘をさしてくれる。
「でけぇから、名前が濡れちまう」
『そっか…』
デカすぎる彼氏を持つと、相合傘は出来ないのか…
しょんぼりした気持ちでいると、寛は自分のジャージの裾を持ち上げて、私の頭と肩にかかるようにかぶせてくれた。
そして、自分は私の傘をさす。
「どうだ?」
『へへっ。寛の匂いがする~』
「あ?」
こんな風に歩いているといつも私の声は寛に届かないけれど、ちょっと恥ずかしいこと言っちゃったって思ってるから、良かったことにする。
より密着するように寛にくっついて歩く。
でかい彼氏との相合傘は出来ないけど、こんな幸せな雨の日を過ごせるなら、やっぱりこの怪物みたいな彼氏で良かったな…って考えてみる。
そして、傍から見たら、でかい男が一人で女ものの可愛い柄の傘をさしているように見えるんだろうなってことが可笑しくてたまらない。
くくって笑いながら歩いていると、肩を抱き寄せられる。
「また、変なこと考えてただろ?」
『正解でーす!』
ふんっと呆れたため息が聞こえるけれど、気付かないふりをする。
それでもジャージから私を追い出さないくらいすっごく優しいのを私は知っている。
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2022.4.19.