◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*003:タンポポ*堀田徳男*
高校三年生、片思いです。
「~~~♪」
ご機嫌なことは良いけれど、そのいかつい顔にその鼻歌は似合わな過ぎて思わず笑ってしまう。
「野に咲く~花のように~♪って歌詞、間違ってたか?」
『ううん。合ってるけど、いかついリーゼントの番長が歌ってるのが面白くって…』
「そ、そうか…」
しょぼんとしてしまった徳ちゃんも何だかかわいい。
『小学校の頃、音楽の授業で歌ったその歌、私も好きだよ』
「だろ?」
『その歌の花、タンポポのイメージだな』
「おー、そうだな」
『徳ちゃんの大好きな三っちゃんもなんかタンポポっぽい?』
「三っちゃん……」
バスケ部に復帰した三っちゃんこと三井寿のことを思い出した徳ちゃんは、目を潤ませている。
不良仲間としてつるんでいて、半ば裏切られるような形でバスケ部に戻った三っちゃんを普通なら恨んでもおかしくないのに、徳ちゃんはバスケに打ち込む三っちゃんを心の底から応援している。
そんな不思議な徳ちゃんと三っちゃんの関係だけど、本人にとって三っちゃんはヒーローみたいな存在だそうだから、仕方ないのかもしれない。
「でも、三っちゃんはタンポポよりもっと熱い感じなんだよな…」
『熱い?火とか?』
「火か……いや、炎だ!!」
『燃えすぎてない?』
「いや、三っちゃんは炎の男だ!」
目をキラキラさせている徳ちゃんに、私は若干引きつつも、笑顔で見守ることしかできない。
次は三っちゃんのために何をしでかすんだろう……
番長と恐れられて不良してた頃に比べたら、断然心配は小さいけれど、見た目はいかついままだし、やっぱり心配だ。
徳ちゃんのキラキラ輝く顔を横目に、私はこっそりため息をついた。
三っちゃんより側にいる私のこのけなげな心がが徳ちゃんに届くのはいつになることやら……
***
2022.9.13.
高校三年生、片思いです。
「~~~♪」
ご機嫌なことは良いけれど、そのいかつい顔にその鼻歌は似合わな過ぎて思わず笑ってしまう。
「野に咲く~花のように~♪って歌詞、間違ってたか?」
『ううん。合ってるけど、いかついリーゼントの番長が歌ってるのが面白くって…』
「そ、そうか…」
しょぼんとしてしまった徳ちゃんも何だかかわいい。
『小学校の頃、音楽の授業で歌ったその歌、私も好きだよ』
「だろ?」
『その歌の花、タンポポのイメージだな』
「おー、そうだな」
『徳ちゃんの大好きな三っちゃんもなんかタンポポっぽい?』
「三っちゃん……」
バスケ部に復帰した三っちゃんこと三井寿のことを思い出した徳ちゃんは、目を潤ませている。
不良仲間としてつるんでいて、半ば裏切られるような形でバスケ部に戻った三っちゃんを普通なら恨んでもおかしくないのに、徳ちゃんはバスケに打ち込む三っちゃんを心の底から応援している。
そんな不思議な徳ちゃんと三っちゃんの関係だけど、本人にとって三っちゃんはヒーローみたいな存在だそうだから、仕方ないのかもしれない。
「でも、三っちゃんはタンポポよりもっと熱い感じなんだよな…」
『熱い?火とか?』
「火か……いや、炎だ!!」
『燃えすぎてない?』
「いや、三っちゃんは炎の男だ!」
目をキラキラさせている徳ちゃんに、私は若干引きつつも、笑顔で見守ることしかできない。
次は三っちゃんのために何をしでかすんだろう……
番長と恐れられて不良してた頃に比べたら、断然心配は小さいけれど、見た目はいかついままだし、やっぱり心配だ。
徳ちゃんのキラキラ輝く顔を横目に、私はこっそりため息をついた。
三っちゃんより側にいる私のこのけなげな心がが徳ちゃんに届くのはいつになることやら……
***
2022.9.13.